メールマガジン「秘密の皮膚科学」

2011年05月31日配信

第279号 炎症に注意! 『日焼けがダメージとなるとき』の秘密

 みなさん、こんにちは。
 コスメプロデューサーの牛田専一郎です。

 今回で4回目となる
 2011年度版・紫外線シリーズ。

 前回はこんな内容をお届けしました。

  ・メラニン色素の量が増える2つの原因
  ・読者からのご質問にお答えします
    (1)目からの紫外線について
    (2)シミの蓄積について

  ☆第278号 増えると黒くなる? 『メラニン値』の秘密
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2011/05/278.php


 いただいたメールを読んでいると、
 牛田が思っていた以上に
 日焼けをおそれている方が多いようです。

 そこで今回は【日焼けそのもの】についても
 補足の解説をしたいと思います。

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             ── 炎症に注意! ──

         『日焼けがダメージとなるとき』の秘密

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 ▼メルマガを読んでのご質問:日焼けによるダメージについて


  ┌────────────────────────────
  |◆【シミにならないなら日焼けをしても構わない?】
  | 
  | 日焼けについて、今までもいろいろ
  | メルマガでも取り上げられていますが
  | そもそも、日焼けをするのってよくないのでしょうか?
  | 
  | 私は、今までは日焼け=シミのもとと思っていたので、
  | 以前はせっせと日焼け止めを塗っていましたが、
  | ここでそうではないということを教えていただきました。
  | 
  | それならば、少々、別に焼けても大丈夫なのでしょうか?
  | 
  | 私は、シミになったりすることがないのなら
  | 別に少々日に焼けてもいいと思うのですが
  | (皆さん、日焼けにこだわられるのは、
  |  白いお肌を維持したいから?)。
  | 
  | それとも、やはり日に焼けるというのは、
  | 肌にとって良くないことだから、
  | 日焼け予防に努めなくてはいけないのでしょうか?
  | 
  |                     (30代・女性)
  └────────────────────────────


 結論からお話すると、
 日焼けそのものが肌にダメージを与えるかどうかは、
 その程度によります。


 日焼けには漠然と
 "避けたいもの"というイメージがありますが
 そもそも日焼けとは何なのか、ここで考えてみましょう。

 人の肌の色調を決めているもののひとつが【メラニン色素】です。
 メラニン色素には、紫外線を吸収・散乱する働きがあります。

 紫外線の刺激を受けると、
 紫外線から身体を守るために
 皮膚はメラニン色素を作り、肌を黒くします。

 メラニン色素がシミになると思われがちですが、
 メラニン色素は皮膚を保護するために
 分泌されているものなのです。

 皮膚は不随意の臓器で、
 意志とは関係なく新陳代謝を維持しています。

 表皮細胞に放出されたメラニン色素は
 角質になり、やがて剥離していきます。

 日焼けの程度によって
 かかる時間には違いがありますが、
 肌が黒くなっても、しばらくすると元の白い肌に戻ります。

 日常生活レベルの軽い日焼けなら、
 肌に悪いということはありません。






 ▼日焼けがダメージとなるのはどんなとき?


 日焼けそのものがダメージになるのは、
 <強い紫外線を浴びて、肌に炎症状態が起きるとき>です。

 読者からも、こんな体験談が寄せられています。

  ┌────────────────────────────
  |◆【海水浴で日に焼け、やけどのように】
  | 
  | 昔、中学校の海水浴時間があり、
  | 水着をつけている部分は全く焼けていないのに
  | 直射日光が当たった部分が真っ赤になり、
  | そのあとは服を着ることさえできないほどで
  | 水ぶくれもできました。
  | 
  | 火傷のようになり、大変な思いをした経験があります。
  | 
  |                     (50代・女性)
  └────────────────────────────

 強い紫外線を浴びると、
 肌が炎症を起こし、赤くなります。

 (※紫外線が強い季節→5月~8月
   紫外線が強い時間帯→10時~14時です)

 そのまま強い紫外線を浴び続けると、
 痛みや腫れ、発熱など、やけどのような症状が現れます。

 
 「紫外線によって傷んだ肌」とは、
 内部の炎症が始まり、それが進んで
 肌表面が赤くなって見える状態になった肌のことです。






 ▼気をつけたいのは「傷んだ部分を紫外線にさらすこと」


  ・ニキビ跡など傷のある部分
  ・一次刺激性物質との接触で赤みのある部分
  ・紫外線で肌表面が赤くなった部分

 上記のように傷んだ部分を強い紫外線にさらしていると、
 さらに炎症が進んで、皮膚内部に傷跡を残してしまいます。

 傷んだ皮膚を保護するために、
 傷跡の部分に【炎症性の色素沈着】が起きてしまうのです。

 これが "日焼けによるシミ"です。

 なお、ここでいう「炎症」とは
 やけどのような症状だけに限りません。
 肌の表面に赤みが出たら、内部ではすでに炎症が起きています。







 ▼日焼けによるシミを防ぐ2つの方法


 日焼けによるシミを防ぐには
 炎症(赤み)の要因を悪化させないことです。
 下記の2つに気をつけましょう。

  1.一次刺激性物質と接触しない
  2.強い紫外線を浴び続けない
    (強い紫外線は15分~20分で肌に赤みが出ます)

 肌が赤い状態が続くと、
 シミや色素沈着ができるリスクが高くなります。

 傷んだ部分があるときは、
 紫外線対策をしましょう。

 ......といっても、
 日焼け止めをつけることではありません。

 日焼け止めも一次刺激性物質のひとつですから、
 接触すれば肌はますます傷んでしまいます。

 おすすめは、277号でお話しした
 "日焼け止めに頼らない紫外線対策"です。

  ☆第277号 日焼け止めに頼らない? 『読者の紫外線対策』の秘密
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2011/05/277.php


 皮膚のバリア力を低下させないように
 心身のバランスをとることと
 「運動・栄養・休養」も忘れないようにしてくださいね。






 ▼ここまでのまとめ ~白木さんとおさらい~


 さて白木さん、
 今回はちょっと難しい部分もあったかもしれませんが
 お分かりいただけましたか?


 「夏は、いつの間にか日焼けしていることが多いですよね。
  腕に時計の跡がついていたり、
  顔がちょっと黒くなったり......。

  このように、日常生活で少しずつ日に焼けても
  炎症がなければ問題ない、ということですよね?」


 はい。
 炎症を伴わければ、肌は傷んでいません。

 白木さんが言うように、夏は
 日常生活で毎日少しずつ紫外線を浴びることで
 メラニン値のみが上がることがあります。

 肌の色が黒くなるのは
 紫外線が蓄積しているせいではなく、
 角質の剥離のスピードより、メラニンの放出の方が
 早くなっているためです。


 「肌が黒くなっても、必ず元の白さに戻るんですよね?」

 
 そうです。

 これまで測定をしてきて分かってきたことは
 遺伝的な(生まれつきの)メラニン値には個人差がありますが、
 日焼けをしたり、体調を崩したりしてメラニン値が上昇しても
 いずれ元の数値に戻るということです。

 季節が変わったり、浴びる紫外線の量が減ったりすれば
 肌の色は白く戻ります。

 そのまま黒い肌になってしまうのでは?
 と心配されている方も多いようですが、
 生まれつきの肌の色調が変化することはありません。

 ただ、肌が傷んでいるとなかなか元に戻りにくくなります。
 防御反応としてメラニン色素を増やそうとするからです。

 日常生活で少し黒くなったからといって
 日焼け止めをつけてしまうと逆効果。

 基本はやっぱり肌を傷めないことですね。






 ▼今季の紫外線シリーズは、ひとまずここまで。


 当初は2回のはずが
 思いがけず4回となった紫外線シリーズですが、
 今回で最後です。

 これから夏が近づくにつれ
 ますます、"紫外線"という言葉を
 耳にする機会が増えることでしょう。

 いろいろな情報に戸惑うこともあるかもしれませんが
 正しい知識を持って、自分のライフスタイルに合った
 対策をしていただきたいと思います。





 ☆紫外線対策に質問・疑問などがありましたら、
  お気軽にどうぞこちらへ。
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            ☆編集後記☆
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