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2024年02月29日配信

間違えやすい?『認定試験の設問』の秘密 | 第788号

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2024/02/27━☆
    健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

           「秘密の皮膚科学」

    第788号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 メルマガ「非接触生活プロジェクト」で
 ドクターフェロー認定試験を紹介しました。


 「意外とみなさん、同じ問題を間違っていましたね」


 そうなんです。

 今日は、間違いやすい設問から、
 世間の常識、思い込みを見てみましょう。

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            間違えやすい?

         『認定試験の設問』の秘密

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 ▼『知識編』間違いやすい問題3つ


 今日はその中でも、特に間違いが多かった
 3つの設問を取り上げます。



 【その1】加齢で変わる?肌の状態


 みなさんからよく聞くのは「年相応」という言葉。

 シミやしわができるのは年だからしょうがないと
 思っている方もいるかもしれません。

 「加齢によって低下するのは皮膚の『バリア力』と
 答えた方が多かったのは、
 バリア力が低下してシミやしわができると
 思われたのかもしれませんね。

 皮膚の役割は体内を守ることですから、
 そのバリア力は年齢を重ねても
 変わることはありません。

 肌を傷めるものと接触しなければ
 年齢問わずシミができることはないんですよ。


 「で、加齢によって低下するのは
  なんでしたっけ?」


 白木さん......弾力値です。

 ただ、こちらも個人差がありますので、
 誰でもたるみが出やすくなるというわけではありません。



 【その2】化粧品で美白できる?


 薬機法では、化粧品は安全性の面から、
 効能・効果があってはいけないという立場を取っています。

 広告に使える表現も定められており
 シミのケアや美白を謳う場合は
 「医薬部外品」でなければいけません。


 「ということは医薬部外品なら
  効果が期待できるんですね?」


 白木さん、残念ですが。
 効果を謳えるといっても、その効果を
 保証するものではないんですよ。


 「ちなみにアンチエイジングはどうでしょうか」


 アンチエイジングもそのまま広告に使うと
 薬機法違反になります。
 ただ、エイジングケアと言い換え、
 「年齢に応じたケア」とすれば薬機法上はOKになります。


 「化粧品でもOKになるんですね!」


 はい。その通りです。
 ただ、言葉上のことだけで、効きそうな感じがしても、
 こちらも効果を保証するものではありません。



 【その3】ファンデーション成分のマイカはよくない?


 一次刺激性物質と間違う方が多かったのが
 「マイカ」。マイカは雲母やセリサイトとも呼ばれ、
 花崗岩、雲母片岩などに多く存在している、粘土鉱物です。

 20年以上の使用実績があり、
 皮膚への感作はありません。


 「よく見かける成分ですが
  なんのために入れているんですか?」


 少し専門的なお話になりますが、
 マイカは体質顔料と呼ばれるものです。

 ファンデーションなどの化粧品では
 着色剤がまず使われていますが、着色顔料だけでは
 不自然な仕上がりになってしまうことがあります。

 そのため顔料の濃淡を調整するために配合されます。
 また、マイカを入れることで伸びを良くしたり、
 光沢感を出す効果もありますよ。


 ちなみにミネラルファンデーションによく使われる
 「酸化亜鉛」。こちらは白色の着色をするものですが、
 収れん作用もあります。


 「収れん?」


 収れんとは肌を引き締めるために使われるもので、
 タンパク質を変性させる効果があります。
 残念ですが、肌の弱い人にはおすすめできません。





 ▼次回は『実践編』です


 『知識編』はいかがでしたでしょうか。

 他の設問、回答にご質問がありましたら
 こちらに→https://jstcd.or.jp/contact/


 次回は『実践編』からです。
 洗顔方法や紫外線対策の世間の常識、思い込みを
 していないかをお話しますね。




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