メールマガジン「秘密の皮膚科学」
2006年05月09日配信
第74号 『紫外線』の秘密
――日焼け止めの前に、正しい知識を!――
『紫外線』の秘密
☆----------------------------------------------------------☆
▼そもそも、紫外線って何?
紫外線は、太陽から地表に届く光のひとつ。
もっとも波長の短いものです。
紫外線は3種類に大別されます。
+---------------------------------------------------------+
☆UV-C......大気層(オゾンなど)で吸収され、
地表には到達しない
☆UV-B......ほとんどは大気層で吸収されるが、
一部は地表へ到達。
日焼けを起こしたり、皮膚がんの原因となる
☆UV-A......UV-Bほど有害ではないが、
長時間浴びた場合の健康被害が懸念されている
紫外線の強さは、時刻・季節・天候などの要素によって
大きく変化します。
1日のうちでは正午ごろ、日本の季節では6~8月が
最も紫外線の強い時期です。
▼紫外線にも指標がある
国際的に『UVインデックス』という指標が広く用いられています。
紫外線が人体に与える影響が11段階で示されており、
その数値が少ないほど影響が少ないとされています。
気象庁では、
札幌・つくば・那覇の3地点で
UVインデックスの測定を行っています。
▼「オゾン」と「フロン」
「オゾン層」という言葉を耳にしたことはあっても、
それがどこにあるのか知らない人が多いかもしれません。
オゾン層は、地上付近から50km以上の高さにまで、
広く分布しています。
そして、このオゾン層が紫外線をさえぎり、
地球上の生物の生命を守っているのです。
しかし、かつてスプレーやエアコン、冷蔵庫などに使われていた
「フロン」という化合物がオゾン層の一部を破壊してしまいました。
現在、先進国ではフロンの生産が禁止されていますが、
成層圏中のオゾン濃度が回復するまでには、
まだまだ長い時間がかかるようです。
▼日本ではどうなっている?
しかし、世界的にオゾンが破壊されていると言っても、
日本では1950年代から顕著な変化が現れていないようです。
紫外線量の測定は期間が10年くらいと短いのですが、
増えているとは言い切れないようです。
ということは、日本では50年前から紫外線量は増えていない
ことになりますね。
▼紫外線の健康被害
紫外線が関係していると考えられている病気には、
日焼け(サンバーン)や雪目といった急性のもの、
シワ、シミ、皮膚がん、白内障といった慢性のものがあります。
しかし、皮膚がんに関しては、
日本人をはじめ有色人種は、白色人種に比べて
紫外線の影響が少ないことが分かっています。
紫外線による健康被害については
さまざまな説が飛び交っていますが、
むやみに怖がったり、心配をしたりする前に
まずは正しい知識を身につけたいですね。
▼今日から始められる! 紫外線予防
先週もお話したように、
紫外線を浴びてしまっても、適切なお手入れをすれば
お肌の状態を回復することができます。
しかし、予防をしっかりしておくに越したことはありません。
太陽が高く昇なる時間帯=紫外線量が多くなる時間帯ですから、
お住まいの地域の太陽の動きを見て、
外出する時間帯に気をつけるようにしましょう。
また、毎日をどのように過ごすかによって
実際に浴びる紫外線の量が大きく変わってきます。
1)しっかりした生地の衣服を着る
2)帽子をかぶる
3)サングラスを利用する
4)日傘を使う
5)日陰を利用する
紫外線の量が多い地域にお住まいでも、
上記の項目を守ればかなり防ぐことができるのです。
他にも、紫外線対策には「日焼け止め」という選択肢がありますが、
こまめに塗りなおさなければ効果が持続しない上に、
お肌にとても大きな負担をかける成分が含まれています。
さらに、強い洗浄力を持つ洗顔剤を使わなければ
洗い流すことができません。
つまり、お肌に優しくないのです。
お肌の専門家の立場からは......
残念ながら、お勧めすることができません。
▼と、いうわけで
今回は紫外線についてお話しました。
白木さん、いかがでした?
「私たち有色人種は、生まれつきのお肌が
紫外線から守ってくれているんですね。
全然、考えてみたこともなかった~~」
そうなんですよね。
牛田も、"紫外線対策!"って言葉だけが
一人歩きをしているような気がしています。
このメルマガの読者さんには、
日焼け止めをたくさん塗ったり、
ファンデーションを厚く付けたりする前に、
正しい知識を身につけて欲しいのです。
今日、牛田がお話をしたのはほんの一部。
気象庁のホームページには
もーーっと多くの情報が掲載されています。
興味のある方は、
ぜひこちらも読んでみてくださいね。
★牛田への感想・コメントがありましたら、
お気軽にどうぞこちらへ。
http://hisesshoku-derm.com/archives/01about/info.php
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――日焼け止めの前に、正しい知識を!――
『紫外線』の秘密
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▼そもそも、紫外線って何?
紫外線は、太陽から地表に届く光のひとつ。
もっとも波長の短いものです。
紫外線は3種類に大別されます。
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☆UV-C......大気層(オゾンなど)で吸収され、
地表には到達しない
☆UV-B......ほとんどは大気層で吸収されるが、
一部は地表へ到達。
日焼けを起こしたり、皮膚がんの原因となる
☆UV-A......UV-Bほど有害ではないが、
長時間浴びた場合の健康被害が懸念されている
紫外線の強さは、時刻・季節・天候などの要素によって
大きく変化します。
1日のうちでは正午ごろ、日本の季節では6~8月が
最も紫外線の強い時期です。
▼紫外線にも指標がある
国際的に『UVインデックス』という指標が広く用いられています。
紫外線が人体に与える影響が11段階で示されており、
その数値が少ないほど影響が少ないとされています。
気象庁では、
札幌・つくば・那覇の3地点で
UVインデックスの測定を行っています。
▼「オゾン」と「フロン」
「オゾン層」という言葉を耳にしたことはあっても、
それがどこにあるのか知らない人が多いかもしれません。
オゾン層は、地上付近から50km以上の高さにまで、
広く分布しています。
そして、このオゾン層が紫外線をさえぎり、
地球上の生物の生命を守っているのです。
しかし、かつてスプレーやエアコン、冷蔵庫などに使われていた
「フロン」という化合物がオゾン層の一部を破壊してしまいました。
現在、先進国ではフロンの生産が禁止されていますが、
成層圏中のオゾン濃度が回復するまでには、
まだまだ長い時間がかかるようです。
▼日本ではどうなっている?
しかし、世界的にオゾンが破壊されていると言っても、
日本では1950年代から顕著な変化が現れていないようです。
紫外線量の測定は期間が10年くらいと短いのですが、
増えているとは言い切れないようです。
ということは、日本では50年前から紫外線量は増えていない
ことになりますね。
▼紫外線の健康被害
紫外線が関係していると考えられている病気には、
日焼け(サンバーン)や雪目といった急性のもの、
シワ、シミ、皮膚がん、白内障といった慢性のものがあります。
しかし、皮膚がんに関しては、
日本人をはじめ有色人種は、白色人種に比べて
紫外線の影響が少ないことが分かっています。
紫外線による健康被害については
さまざまな説が飛び交っていますが、
むやみに怖がったり、心配をしたりする前に
まずは正しい知識を身につけたいですね。
▼今日から始められる! 紫外線予防
先週もお話したように、
紫外線を浴びてしまっても、適切なお手入れをすれば
お肌の状態を回復することができます。
しかし、予防をしっかりしておくに越したことはありません。
太陽が高く昇なる時間帯=紫外線量が多くなる時間帯ですから、
お住まいの地域の太陽の動きを見て、
外出する時間帯に気をつけるようにしましょう。
また、毎日をどのように過ごすかによって
実際に浴びる紫外線の量が大きく変わってきます。
1)しっかりした生地の衣服を着る
2)帽子をかぶる
3)サングラスを利用する
4)日傘を使う
5)日陰を利用する
紫外線の量が多い地域にお住まいでも、
上記の項目を守ればかなり防ぐことができるのです。
他にも、紫外線対策には「日焼け止め」という選択肢がありますが、
こまめに塗りなおさなければ効果が持続しない上に、
お肌にとても大きな負担をかける成分が含まれています。
さらに、強い洗浄力を持つ洗顔剤を使わなければ
洗い流すことができません。
つまり、お肌に優しくないのです。
お肌の専門家の立場からは......
残念ながら、お勧めすることができません。
▼と、いうわけで
今回は紫外線についてお話しました。
白木さん、いかがでした?
「私たち有色人種は、生まれつきのお肌が
紫外線から守ってくれているんですね。
全然、考えてみたこともなかった~~」
そうなんですよね。
牛田も、"紫外線対策!"って言葉だけが
一人歩きをしているような気がしています。
このメルマガの読者さんには、
日焼け止めをたくさん塗ったり、
ファンデーションを厚く付けたりする前に、
正しい知識を身につけて欲しいのです。
今日、牛田がお話をしたのはほんの一部。
気象庁のホームページには
もーーっと多くの情報が掲載されています。
興味のある方は、
ぜひこちらも読んでみてくださいね。
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