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2022年01月11日配信

ワセリンをつけても?『治まらない手のカサつき』の秘密 | 第693号

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2022/01/11━☆
    健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

           「秘密の皮膚科学」

    第693号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 メルマガ687号では、手がカサついたときは
 ハンドクリームよりもワセリンを、とお伝えしましたね。


 「ワセリンをつけてもすぐまたカサつくときは
  どうすればいいでしょうか?」


 白木さん、それはワセリンのつけ方に
 原因があるかもしれません。

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         ワセリンをつけても?

      『治まらない手のカサつき』の秘密

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 ▼以前よりもカサつきがひどくなった?


 読者のKさんも、手のカサつきの
 ご相談メールをくださっています。


 Kさん(抜粋)
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 〇ワセリンをつけてはいけないときは?

 いつもお世話になっております
 ワセリンを夜はつけないほうが良いということですが
 それは、寝る前(直前)にということですか?

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 〇つけてもつけてもまたカサカサ

 もう一つ最近手がとてもカサカサして困っています
 (8つの習慣はできる範囲で行っています)

 ワセリンを付けているのですが、付けたあと
 しばらくするとまたカサカサします。

 そういう時は度々ワセリンをぬればよいのでしょうか?
 それとも、ペーパーで手を洗ったほうが良いでしょうか?
 その場合、度々洗うことで手に負担がかかることはありませんか?

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 〇以前よりカサつくようになったのはなぜ

 あと歳をとることで水分量が減ることはない
 とのことですが

 同じような生活をしていても
 若いころはカサカサしていなかったのですが
 (その頃は8つの習慣はしていなかったにも拘らず)

 それはどういうことでしょうか?

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 ご質問内容をまとめると、

 ・ワセリンのつけかた
 ・以前よりカサつくようになった理由

 になりそうですね。
 1つずつお答えしていきましょう。





 ▼おさらい。ワセリンのつけかた


 「ワセリンは、たしか夜寝る前には
  つけないほうがいいんですよね?」


 はい。寝ている間の皮膚の皮脂分泌を
 妨げてしまうためです。

 ただ、ひび割れがある場合など
 痛みやかゆみが強いときは、夜もワセリンを
 つけて皮膚を保護するようにしてください。 


 「ワセリンをつけてもすぐカサカサして
  しまうのはどうしてですか?」


 強い接触があることがもちろん考えられますが。
 他にもワセリンのつけ方に原因があるかもしれません。

 抗菌剤や柔軟剤が手に付着している状態で
 上からワセリンをつけても、手はカサカサしてしまうんですよ。

 まずペーパータオルで手に付着している
 一次刺激性物質を落とすようにしましょう。


 「ついついワセリンを手にさっとつけてましたが、
  そのままつけてはいけないのか......」


 そうなんです、白木さん。
 間接接触の原因にもなりますので
 必ずペーパーを使って手を洗いましょう。

 石鹸などを使用しなければ
 何度手を洗っても負担にはなりません。
 ご安心くださいね。





 ▼水分量のせい?手がカサつくのは


 「手の水分量は歳とともには
  減らないんですよね?なぜ
  昔よりカサつくようになったんでしょうか」


 手がカサつきやすくなったのは
 歳のせいではありません。

 今は抗菌、柔軟加工などの
 強い加工をしたものが、身の回りに格段に増えています。
 除菌消臭スプレーも普及しています。

 普通に生活しているだけでも、
 さまざまな場面で一次刺激性物質と
 接触をしやすい環境になっているんですよ。

 大人のアトピー性皮膚炎が増えてきているのも
 この生活環境が一因と牛田は考えています。

 手荒れや肌荒れを起こしやすい
 環境になっているのです。





 ▼おわりに ~つける前のひと手間で~


 ご質問にお答えしたKさんが
 こんなご返信をくださいました。

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 今までは洗わずにせっせとワセリンを塗っていましたが
 またカサカサするのでワセリンは効かないな、
 とも思っていました。

 ワセリンを塗る前に手を洗う、
 早速やってみたところ、違いました。

 そんなにカサカサせずにすんでいます。
 すごい!です。ありがとうございました。 

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 「よかったですね!
  ほんのひと手間で変わるんですね」


 ええ。手が荒れる原因を意識していても
 接触が避けられない状況があります。

 カサカサするときは
 ペーパータオルで手洗いをしてから
 ワセリンをつけましょう。

 ワセリンをつけるときだけでなく、
 顔や髪に触るときもペーパータオルでの手洗いを
 徹底して、間接接触を避けてくださいね。




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