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2023年06月28日配信

どんなことが起きている?『発症機序』の秘密 | 第759号

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2023/06/27━☆
    健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

           「秘密の皮膚科学」

    第759号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 先週のメルマガでは、どんな症状も
 炎症へと続いていることをお話しました。


 「たしか今週は各症状の
  発症メカニズムでしたよね!


 そうでしたね、白木さん。
 では症状別に見てみましょうか。

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         どんなことが起きている?

          『発症機序』の秘密

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 ▼ニキビや毛穴は?


 まずはご相談の中でも多いニキビや毛穴から。


 〇脂腺・汗腺などの付属器疾患

  【ニキビ】

  炎症を起こす物質と接触すると毛穴の中で
  角質の異常剥離が起きます。
  角質が毛穴の出口をふさぐと、毛穴の内部、皮脂腺の中に
  皮脂がとどまり嫌気条件(空気に触れない状態)になります。

  常在菌の中でも嫌気条件を好むアクネ菌が繁殖し、
  毛穴の内部や皮脂腺が酸性に変わり炎症が起きます。
 
  それで壊死物質が細菌感染、化膿を起こして
  ニキビとなるのです。

  ☆ニキビができるしくみ
  https://hisesshoku-derm.com/archives/2019/02/post_11.php


  【毛穴の開き、角栓】

  毛穴が開いているときは
  接触によって毛穴の中が炎症を起こし腫れている状態です。

  また、接触によって毛穴で起きた角質の剥離が多くなると
  それが角栓となりざらざらした手触りになります。
  毛穴の黒ずみも毛穴に角質と皮脂がたまっている状態です。

  ☆角栓のしくみ
  https://hisesshoku-derm.com/archives/2012/06/kakusen.php


  【酒さ・赤み】

  これは炎症そのものです。
  刺激を受けた細胞はヒスタミンなどの伝達物質を
  放出します。

  すると毛細血管が拡張して皮膚が赤くなったり、
  血管透過性が増加して毛細血管から血しょうが漏れ出して
  腫れが起こります。


  【毛孔性角化症】

  異常剥離した角質が毛穴の中にたまって
  毛穴をふさいでいます。


 「どんな年代の方でも悩まれる症状ですが、
  角質の剥離や炎症が主な原因なのですね」


 ええ。
 接触によって肌のバランスが崩れた結果です。





 ▼炎症が色素沈着やシワを起こすメカニズム


 色素沈着も炎症が原因です。


 〇色の問題

  【シミ・くすみ】
  【肝斑】【黒ずみ】

  測定では肌の紅斑値が高い状態(炎症状態)が
  続くと、だんだんとメラニン値も上がってきます。
  メラニン値が高くなると、くすみや黒ずみが目立つ状態です。

  シミや色素沈着は、炎症が続いて
  皮膚の防御機能が損なわれた部分の色を黒く
  変えて皮下組織を守っています。


  「シミや色素沈着って、皮下組織を守るために
   起きているものなのですね」


  そうなのです、白木さん。



 〇乾燥からくる症状で炎症まで起こしていないもの

  【しわ】

  測定では紅斑値が高くなると、
  弾力値が下がっている事例が多くみられます。

  接触が続くと弾力値が低下し、
  しわになりやすい状態になります。


  【かさつき・乾燥感】

  肌の滑らかさは、細胞間脂質が角質を強く接着して
  角質層を作って保たれていますが。

  一次刺激性物質と肌が接触すると
  細胞間脂質が変性・脱脂されて接着力を失い、
  角質片が剥離して立ち上がってしまいます。

  これも炎症状態です。


  「カサつく部分にクリームなどをつけると
   逆効果なんですよね......?」


  その通りです。
  一見潤ったように見えますが。

  クリームや乳液には一次刺激性物質が
  使われていますので、化粧品の下の素肌は
  脱脂されてしまいます。

  悪循環になってしまうのですね。

  ☆角質のかさついた状態
  https://hisesshoku-derm.com/archives/2010/09/kasatsuki.php





 ▼肌荒れやかゆみは


  【肌荒れ・アトピー性皮膚炎】

  これも炎症そのものです。
  どの部位にどのくらいの程度で症状が現れるかは、
  もともとの肌の強さや、接触の強さで変わります。


  【かゆみ】

  さきほどの「かさつき」のように
  角質がめくれ上がった状態になると
  かゆみを伝える「求心性C線維」が表皮まで伸びてきます。、

  この繊維にはヒスタミン受容体があり、
  かゆみを脳に伝達しているのです。

  ☆ピリピリのメカニズム
  https://hisesshoku-derm.com/archives/2007/06/piripiri.php


  「かゆみも炎症だったんですね」


  はい。炎症が起きているときに
  表皮で起きている症状ですね。





 ▼炎症起因物質と接触しなければ


 「こんなにいろいろ肌の上では起きているのに
 肌の強い人は炎症を起こす物質と接触しても
 炎症が起きないんですよね」


 そうです、白木さん。
 人体は不思議ですね。

 でも生活習慣のコツを身に着けてしまえば、
 肌の弱い人も強い人と同じように
 肌トラブルとは無縁の生活を送れるんですよ。

 地道な対応ですが、ぜひ諦めずに
 取り組んでくださいね。




 ☆ご意見・ご質問など、どうぞお気軽に。
  →→ https://jstcd.or.jp/contact/



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