メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2017年02月14日配信

第542号 体調? 接触?『唇のカサつき』の秘密

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2017/02/14━☆
     健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

            「秘密の皮膚科学」

     第542号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。

 先週は、身体のカサつきについてお話しました。
 http://hisesshoku-derm.com/archives/2017/02/541.php


 白木さん、その後、かかとの具合はいかがですか?


 「先週の内容を実践したら、
  今にも割れそうだったかかとが
  ちょっとしっとりしてきました」


 それはよかった!


 「でも今度は、
  唇が割れてしまいそうなんです......」


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            ── 体調? 接触? ──

               『唇のカサつき』の秘密

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 ▼唇がカサついたときのチェックポイント(1):体調編


 唇は体調が現れやすい場所です。
 疲れたり、風邪をひいたりすると、カサつきやすくなります。

 唇のカサつきが気になったら
 次のポイントをチェックしましょう。


 ◎ポイント1
  身体が冷えていませんか?
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  身体が冷えていると、
  疲労が蓄積しやすくなります。

  冬場は、コートやジャケットなどのアウターだけでなく
  マフラー、腹巻き、レッグウォーマーなどの小物も活用して
  身体を暖かく保つように心がけましょう。

  暖かい場所から寒い場所へ移動するときなどに感じる
  "ちょっとした寒さ"も疲れのもとです。

  ほんのわずかな時間だからと我慢せずに
  しっかりと防寒し、冷えから身体を守りましょう。




 ◎ポイント2
  栄養を摂っていますか?
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  唇には栄養状態も反映されます。
  サプリメントなどに頼るのではなく、
  日々の食事からバランスよく栄養を摂取しましょう。

  同時に、適度に運動をすること、
  しっかりと休養をとることも大切です。






 ▼唇がカサついたときのチェックポイント(2):接触編


 唇も、他の部分の肌と同じように
 一次刺激性物質に触れることによって傷んでしまいます。

 唇がカサついている方は、
 日常生活でこんなものに触れていませんか?
 チェックしてみましょう。


 ◎ポイント3
  歯磨き粉を使っていますか?
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  毎日当たり前のように使っている方が多いかもしれませんが、
  歯磨き粉にも界面活性剤が含まれています。

  歯磨き粉は、口の中だけでなく、
  唇や口周り、頬などにも付着しやすいもの。

  使用頻度が高いこともあり、
  肌の弱い方はダメージを受けやすいのです。

  歯磨き粉を使わずに、歯ブラシでブラッシングをするだけでも
  衛生上は問題ありません。

  唇が荒れやすい、なぜかいつもカサついている、という方は
  歯磨き粉の使用回数や使用量を減らしてみましょう。



 ◎ポイント4
  口紅をつけていますか?
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  市販の口紅のほとんどに
  一次刺激性物質が配合されています。

  肌の弱い方は、時々つけるだけでも
  唇がカサついたり、皮がむけたりすることがあります。

  口紅をつける前に、下地としてワセリンをつけると
  ダメージを抑えることができます。



 ◎ポイント5
  食器用洗剤を使っていますか?
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  食器用洗剤の多くに
  抗菌剤や油脂由来の界面活性剤が含まれています。

  グラスやコップなど、直接口をつける食器に
  それらが残留していると、唇に刺激を与えてしまうことも。

  唇が荒れている方は、ご自宅ではできるだけ
  洗剤を使わずに食器を洗いましょう。



 ◎ポイント6
  マスクをつけていますか?
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  マスクにも、抗菌などの加工が施されていることがあります。
  これらの加工は、指定洗剤で2回以上洗っても
  落ちない場合が多いようです。

  肌の弱い方が加工されているマスクをつけると
  口の周りや唇が刺激を受け、荒れやすくなります。
  できるだけマスクは使わないようにしましょう。

  どうしても必要なときは、マスクと唇の間に
  指定洗剤で洗ったガーゼを挟むとよいでしょう。



 ◎ポイント7
  唇を手で触っていませんか?
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  目には見えませんが、
  手にはさまざまな一次刺激性物質が付着しています。

  手を洗わずに唇に触れると、
  手を介して一次刺激性物質に触れることになり、
  唇が傷んでしまいます。

  季節を問わず唇がカサついている、という方は
  無意識のうちに唇に手で触れていませんか?

  そのような動作が癖になっている方は、
  できるだけしないように気をつけましょう。






 ▼おわりに ~ "当たり前のもの・こと"も見直して ~


 今回は、唇のカサつきが気になるときに
 チェックしてほしいポイントをご紹介しました。

 白木さん、いかがでしたか?


 「いまの時期、"ちょっとした寒さ"を1日に何度も感じます。
  少しだからと我慢してはいけないですね。

  そして、日常生活で唇に触れるものといえば
  口紅くらいしか思い浮かびませんでしたが、
  歯磨き粉にも食器用洗剤にも、毎日触れていましたね」


 そうですね。
 あまりにも日常的すぎて見逃してしまいそうになりますが、
 どちらも一次刺激性物資が含まれているのです。

 非接触生活の実践者のなかには
 洗剤を使わずに食器を洗っている方もいらっしゃいます。

  ☆ベテランフェロー・Tさんより【洗剤を使わない洗浄法】
   http://jstcd.or.jp/mailmagazine/number_325/


 Tさんは、この方法で食器を洗うようになって
 手荒れが改善したとのこと。

 唇や手の荒れが気になっている方は、ぜひお試しくださいね。





 ☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞこちらへ。
  →→ http://jstcd.or.jp/contact/
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