メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2015年11月10日配信

第483号 秋のカサつき対策(2)『手の荒れ』の秘密

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2015/11/10━☆
     健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと!

            「秘密の皮膚科学」

     第483号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 前回は、唇と手の荒れに悩んでいるというメールをご紹介し、
 唇の荒れについてお答えしました。

  ☆第482号 秋のカサつき対策(1)『唇の荒れ』の秘密
  http://hisesshoku-derm.com/archives/2015/11/482.php 


 今回は、手の荒れについてお話します。

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           ── 秋のカサつき対策(2) ──

              『手の荒れ』の秘密

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 ▼前回ご紹介したメールです(手荒れに関する部分だけ抜粋)


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  ◇『唇と手が荒れています』(40代・女性)
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  手荒れもなかなか改善が難しく、
  手の皮が切れて出血しています。

  ペーパータオルを使ってこまめに手を洗ったり、
  寝る直前にペーパータオルを使って手を洗い
  プロぺトをつけ、綿手袋をして寝ています。

  それでも改善しかけては悪化する、を繰り返していて
  どうしたら良いのか分からなくなってしまいました。

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 ▼手が荒れる原因と対策


 日常生活で私たちが触れるものには
 さまざまな加工が施されています。

 特に、抗菌グッズは
 この10年ほどで一気に増えたように思います。

 目には見えませんが、手にはいつも
 一次刺激性物質が付着している状態です。

 さらに冬は、クリーニング店で柔軟加工をした
 衣類や寝具に触れる機会が増える季節です。

 それらとの接触頻度が増えると、手荒れをしやすくなります。

 この他にも、非接触生活実践者の方々から
 手荒れに結びつく生活習慣を挙げていただいていますので、
 ご紹介します。



 ◆ハンドソープ・消毒液

  調理や医療、介護の職場では、洗浄剤や消毒液を使った
  手洗いが義務付けられていることがあります。

  営業上は世間の常識が大切ですので、
  規則には従ったほうがよいでしょう。

  手荒れがひどい方は、できるだけ
  自宅では洗浄剤を使わないようにしてくださいね。



 ◆食器洗い用洗剤・掃除用洗剤

  素手で食器を洗っている方も多いようですが、
  手荒れがひどい場合は、ゴム手袋をして洗いましょう。

  ただし、ゴム手袋には劣化防止剤などが使われていることがありますので、
  かぶれやすい方は下に綿手袋をしましょう。

  洗剤を使って掃除をするときも、手袋を忘れずに。
  除菌シートなども素手では扱わないようにしましょう。



 ◆バッグの持ち手

  バッグにもさまざまな加工が施されています。
  特に革のバッグには強い加工がされているようです。

  バッグを持つほうの手だけ、指の皮がガサガサになって
  めくれてしまう、という測定フェローの方も。

  対策は難しいのですが、手荒れがひどい方は
  冬場はできるだけ持ち手のあるバッグを使わない、
  などの工夫をしましょう。 



 ◆手袋

  革の手袋やファーなどの飾りがついたものなど、
  自宅では洗えない手袋をつけて
  手がガサガサになってしまう方もいます。

  手袋は洗える素材のものを選び、
  購入したら指定洗剤で洗ってから使用しましょう。



 ◆洗えない衣服の袖

  新品のコートやセーターには強い柔軟加工がしてあります。
  肌の弱い方は、袖を通しただけで手の甲がピリピリすることも。

  袖が手の甲に触れたために、色素沈着を起こしてしまったという
  測定フェローの事例もあります。

  自宅で洗えるものは、指定の中性洗剤で2回以上
  洗いなおすようにしましょう。

  コートなど、自宅では洗えないものについては
  着脱時に手袋をすると、手が袖に触れるのを防ぐことができます。



 ◆毛布や布

  アパレル関連の仕事の方や、趣味で手芸をする方から
  生地や毛糸を扱うと手がガサガサになるという
  ご報告が届いています。

  業務に差し支えのない範囲で
  手にごく薄くワセリンをつけて、肌を保護すると良いでしょう。






 ▼おわりに ~ できることから、少しずつ ~


 2回にわたって、唇と手の荒れについて取り上げました。
 白木さん、いかがでしたか?


 「歯磨き粉や口紅の使用を控えることで
  唇の荒れは防げるかなと思いましたが、
  手の荒れは対策が難しいですね。
  いつも手袋をつけているわけにもいかないし......」


 そうですね。
 日常生活では、加工してあるものに触れざるを得ない場面が
 多々あることと思います。

 あまり神経質にならずに、ご自分でコントロールできる
 範囲のことから、少しずつ改善してみましょう。

 唇や手の荒れがひどいときは白色ワセリンを薄くつけて、
 皮膚を保護しましょう。
 かゆみや痛みが強い場合は、夜につけても大丈夫です。


 最後に、前回のおさらいにもなりますが。

 冬は、朝晩の気温差や室内と屋外の寒暖差が大きくなる季節です。
 寒さを我慢すると、身体にストレスが溜まり、
 肌のバリア力も低下しやすくなります。

 肌のカサつきはバリア力が低下しているサイン。
 (1)適度な運動
 (2)バランスのとれた食事
 (3)十分な睡眠
 をして、疲れを溜めないようにしましょう。

 風邪の予防にもつながりますので、
 ぜひ、この3つを心がけてくださいね。






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