メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2012年10月30日配信

第333号 毎日必ず?『ブラシの洗い方』の秘密

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2012/10/30━☆
     健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと!

            「秘密の皮膚科学」

     第333号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。

 何もつけない生活に欠かせない"お湯洗髪"。

 読者のみなさんとともに
 その方法をつくりあげてきました。

  ☆お湯洗髪成功レポート
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2007/03/post-14.php


 「洗髪前のブラッシングも
  今やすっかり定着しましたよね~!」


 白木さん、そうなのですが......

 ブラシの洗い方によっては、
 地肌にトラブルが出ることがわかってきたのです。

 今回は、その原因と対策をお話します。

 

 

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             ── 毎日必ず? ──

            『ブラシの洗い方』の秘密

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 ▼洗髪前のブラッシングでかゆくなる?


 あるフェローから
 こんなご相談のメールが届きました。


 ┌────────────────────────────
 | 
 |  【ブラッシングをすると地肌がかゆくなります】
 | 
 | 
 | 夜、湯シャン前にブラッシングをすると
 | 頭皮がかゆくなってしまいます。
 | 
 | ブラシが悪いのかなと思いましたが、
 | 朝昼にブラッシングしてみたところ
 | かゆくならないのです。
 | 
 | 夜のブラッシングでは
 | ブラシに白い粉というか、カスのような汚れが
 | たくさん付着します。
 | 
 | これは一次刺激性物質と関係があるのでしょうか?
 | 
 |                     (30代・女性)
 | 
 └────────────────────────────

 

 ブラシにつく汚れは
 地肌の皮脂や、剥離した角質です。

 汚れそのものは、一次刺激性物質と関係ありません。


 では、なぜブラッシング後にかゆみが出るのでしょうか?
 これには3つの理由が考えられます。

 


 [1]使用後にブラシを石けんで洗っている

   汚れたブラシを石けんで洗っていると、
   ブラシの毛に残留した脂肪酸が
   髪や地肌に付着して、
   かゆみや赤みの原因になることがあります。

   石けんだけでなく、抗菌剤配合のものなど
   おすすめしていない洗濯洗剤で洗うことも避けましょう。

 


 [2]ブラシに抗菌加工がされている

   抗菌加工がされているブラシを使用すると、
   髪や地肌が、抗菌剤の影響を受けることがあります。

 


 [3]ブラシに一次刺激性物質が付着している

   上記2つに当てはまらない場合は、
   ブラシに付着する一次刺激性物質の影響が考えられます。

   一日の終わりには、
   柔軟剤や抗菌剤などの一次刺激性物質が
   髪に付着しています。

   ブラッシングをすると
   髪についた汚れだけでなく
   一次刺激性物質もブラシにも付着し、
   そのブラシと接触した地肌に
   かゆみが出る可能性があるのです。

 

 


 ▼ブラッシング後のかゆみ対策


 先ほどのフェローの方から、
 ふたたび次のようなメールをいただきました。
 

 ┌────────────────────────────
 | 
 |  【髪に一次刺激性物質を付着させないためには?】
 | 
 | 
 | ブラッシング後のかゆみの件、なるほど納得しました。
 | 
 | なるべく髪に刺激物質をつけないようにするには、
 | 手で髪を触らない以外に
 | どんな事に気をつけたらよいでしょうか。
 | 
 | 湯シャン前はブラッシングが不可欠だし、
 | 結果的には湯シャンで汚れとかゆみは取れるのですが、
 | 毎回洗う前にかゆみを感じていては、
 | 頭皮がいつまでたっても健康にならない気がします......。
 | 
 | ブラシは毎回お風呂で洗っていますが、
 | 湯シャン後の綿手袋で洗うのはかまわないでしょうか?
 | 
 | 湯シャン後は、刺激物質が
 | 手袋についているのでやめた方がいいですか?
 | 
 └────────────────────────────

 

 日常生活で、髪に付着する一次刺激性物質を
 コントロールすることはなかなか難しいものです。

 特に、髪の長い方は
 短い方より付着しやすくなります。

 どうしてもブラッシング後にかゆみが出るというときは
 手で髪を触らないようにするだけでなく、
 できるだけ髪を以下のものと接触させないよう
 気をつけてみましょう。

 

 ○自宅で洗えない帽子やヘルメット
 ○電車や車のシート
 ○ソファ など

 


 これらのものには柔軟仕上げ、抗菌仕上げがされています。

 ブラッシング後だけでなく、普段地肌にかゆみがある、
 髪が触れる部分の肌にトラブルが出るという方も
 参考になさってくださいね。

 

 


 ▼ブラシの洗い方


 ブラッシングをした後は
 必ずブラシを洗いましょう。

 手順は次のとおりです。

 ┌────────────────────────────
 | 
 | <獣毛ブラシの洗い方>
 | 
 | 1.ぬるま湯に浸し、ブラシの毛を手ぬぐいや綿手袋、
 |   ペーパータオルでぬぐうように洗います。
 |   石けんなどの洗浄剤は使用しないでください。
 | 
 |   メイク落としに使った手ぬぐいや、
 |   洗髪に使用した綿手袋には
 |   一次刺激性物質が付着しています。
 |   同じものを使い回さないようにしましょう。
 | 
 | 
 | 2.ブラシに付着している汚れや髪の毛が気になるときは、
 |   歯ブラシや汚れ落とし専用のブラシを使って、
 |   お湯の中で毛をとかすようにしましょう。
 | 
 | 
 | 3.洗った後は、水分をよく拭き取り、
 |   日陰で毛先を下にして乾かしてください。
 | 
 └────────────────────────────


 <ブラシのお手入れ・注意点>

 

 ◎ブラシの汚れがひどい場合は、
  サウンドスタイルの中性洗剤(抗菌剤・柔軟剤不使用)
  を溶かしたぬるま湯で洗ってください。

  ☆[サウンドスタイル] 洗濯用中性洗剤(500mL)
   http://soundstyle.co.jp/goods/8004.html

  獣毛の場合、トップクリアリキッドのような
  アルカリ性の洗剤で洗うと、ブラシの毛が傷んでしまいます。


 

 ◎ブラシの柄が木製の場合、
  毎日洗うと割れやすくなります。
  洗髪前に使用するブラシは、
  柄がプラスチック製のものを選ぶとよいでしょう。

 

 


 ▼ブラシのお手入れについては、「プロジェクト」でも。


 今回ご紹介した獣毛ブラシの洗い方は
 「非接触療法実践プロジェクト」でもご紹介しています。

  ☆第322号 どうしてますか。ヘアブラシの洗い方
   http://jstcd.or.jp/mailmagazine/number_322/


 フェローのみなさんのレポートも参考になさってくださいね。

  ☆第324号 発表。ヘアブラシの洗い方レポート
   http://jstcd.or.jp/mailmagazine/number_324/

 

 


 ▼まとめ ~ 髪もブラシも清潔に ~


 今回はブラッシング後に起こるかゆみの原因と対策、
 そしてブラシのお手入れについてお話しました。

 白木さん、いかがでしたか?


 「髪を洗い終えておしまい......ではなく、
  ブラシもきれいにするところまでがお湯洗髪なんですね」


 そのとおり!


 最後に、ブラッシングをする際の注意点を。

 髪をとかすとき、
 ブラシで地肌をごしごしこする方がいますが、
 それでは頭皮を傷めてしまいます。

 顔の皮膚も頭皮の皮膚も、構造は変わりません。
 顔と同じように、地肌も強くこすらないようにしましょう。


 「ブラッシングもブラシの洗浄も
  やさしく丁寧にしたいですね」

 

 

 ☆質問・疑問などがありましたら、
  お気軽にどうぞこちらへ。
  →→ http://hisesshoku-derm.com/archives/01about/info.php

 

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