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2022年09月27日配信

メディア情報?『増える洗顔のご質問』の秘密 | 第725号

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2022/09/27━☆
    健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

           「秘密の皮膚科学」

    第725号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 最近洗顔についてのご質問が増えています。
 メディアの情報に戸惑いを感じる方が。


 「情報が溢れすぎて、なにが正解なのか......」


 そうですね、白木さん。
 洗顔の基本をおさらいしてみましょう。

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           メディア情報?

       『増える洗顔のご質問』の秘密

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 ▼ぬるい?冷たい?洗顔の温度


 「牛田さん!一般的なぬるま湯の温度よりも
  冷たいぐらいのほうが肌は乾燥しないって
  聞いたんですが」


 肌は「乾燥」しないんですよ、白木さん。

 皮膚が乾燥するように感じる(カサつく)のは
 炎症起因物質との接触によって
 皮膚がタンパク変性を起こして角質片が
 異常剥離をしているためです。

 皮脂が洗い流されても、
 皮膚が傷んでいなければ
 すぐに自然なうるおいを取り戻します。

 熱いお湯でも手で触れられるくらいなら、
 タンパク質は熱変性を起こすこともありません。
 洗顔しても問題ないんですよ。


 「ふ~ん。
  じゃあ冷たい水はどうなんでしょうか」


 冷たくても直接肌には影響はありません。
 ただ、冬の寒い朝に洗顔してヒヤっと
 することは身体にストレスがかかっています。

 できれば寒い季節はお湯で
 洗顔するといいですね。





 ▼洗顔料は必須?


 洗顔料を使わないと、酸化した皮脂が
 炎症の原因になると言われることがあるようです。

 皮膚が炎症を起こすのは、炎症起因物質との
 接触が原因です。自分の肌から出る皮脂は
 炎症起因物質ではありません。


 「たしかに。自分の身体から出たもので
  肌荒れしていたら生物として
  成り立たないですよね」


 そうですね。
 そして皮脂は洗顔料を使わなくても
 洗い流すことができます。

 メルマガをお読みの方は
 すでに良くおわかりと思いますが。
 逆に洗顔料がニキビの起因物質でしたね。


 「使ったほうがいい洗顔料は
  ないんですよね?」


 はい。残念ですが......。

 洗浄力のあるものが肌にプラスの効果を
 与えることはありません。


 「ちなみに洗顔時に手が肌に触れると
  よくないんでしょうか?」


 皮膚は体内を守るため摩擦には強く
 できていますので、洗顔時に擦る程度では
 問題はありません。

 もちろんこすりすぎて赤みや
 傷で痛くなるほどでは問題がありますが。


 「ふつうの洗顔ではそこまでは
  こすらないですよね」


 ええ。
 日常生活での摩擦は特に
 気にすることはないでしょう。





 ▼皮膚生理の基本に忠実に


 たくさんのメディア情報で
 何が正しいのかわからなくなる
 かもしれません。

 皮膚生理の原理原則に立ち返って
 考えると判断の基準になります。

 自分自身の皮膚で経験したことも
 参考にしましょう。


 皮膚生理については、
 新しい皮膚臨床技術研究会の
 サイトにまとめています。←coming soon




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