メールマガジン「秘密の皮膚科学」
2007年11月13日配信
第122号 美肌に不可欠?『ローションパック』の秘密
みなさん、こんにちは。
コスメプロデューサーの牛田専一郎です。
牛田のメールボックスには、
毎日のようにさまざまなメールが届きます。
読者のみなさんの声は、
開発を進めるうえでも、
化粧品業界の現状を見つめるうえでも、
牛田に大きなヒントを授けてくれます。
みなさん。ありがとうございます。
さて、今日ご紹介したいのは、
ある読者から寄せられた"戸惑いの声"。
今回もまた、考えさせてくれました......。
☆----------------------------------------------------------☆
―― 美肌に不可欠? ――
『ローションパック』の秘密
☆----------------------------------------------------------☆
▼美しい肌を目指すなら!?
┌――┐
|\/|【一体、どちらが正しいのでしょうか】
└――――――――――――――――――――――――――――――
|
|
| 『洗顔後何もつけない』という美容法に
| もっと早く出会っていれば・・・
| という思いでいつも読ませてもらっています。
|
| しかし、巷では、有名美容家の推奨する
| 化粧水とコットンを使ってのローションパックが
| 美肌をめざす女性の間で必須となっているようです。
|
| 各ブログでも、その効果に絶賛の声が
| 載せられています(肌がしっとりするそうです)。
|
| このようにその効果を享受している人がいる反面、
| "全く化粧水をつけない"ということに半信半疑なのですが、
| この状況をどう解釈すればよいのでしょうか。
|
|
└――――――――――――――――――――――――――――――
メールを読んだ白木さん、ウンウンと大きく頷いています。
「なるほど。これは大きなテーマですね」
そうですね。
非常にごもっともな疑問だと思います。
普段から化粧品に親しんでいる人ほど、
牛田の話と"巷で行なわれていること"との間に
大きなギャップを感じてしまうのかもしれませんね。
▼化粧水の存在理由
"化粧水とコットンを使ってのローションパック"。
こうしたお手入れ方法が存在していること、
そして、一部では「常識」のように語られていることは
牛田も知っています。
化粧品は楽しむためにあるものです。
肌のお手入れをする時間を持つことによって、
生活に潤いが生まれ、毎日が楽しくなるのなら
牛田はローションパックを否定するつもりはありません。
しかし、時にはローションパックをする手を止めて。
【そもそも、どうして化粧水が必要なんだろう?】
ということを考える時間をつくってほしいのです。
▼お肌本来のチカラを知ろう
「化粧水なしではいられない」
「カサついて、つっぱって仕方がない」
こんな声をよく耳にします。
特に、秋から冬にかけて多く聞くかもしれません。
洗顔後、あぁつっぱるつっぱる......と思いながら
ボトルのフタを開ける前に、
思い出してほしい真実があります。
それは、
【皮膚は、何かを付けることを前提として作られている器官ではない】
ということです。
人間の皮膚は「皮脂膜」と呼ばれる薄い膜に覆われています。
皮脂膜は、私たちの肌に潤いや滑らかさを与え、
外界からの刺激を守る働きをしています。
洗顔をすると一時的に洗い流されますが、
一定の時間が経過すると、再び皮膚を覆い始めます。
ですから、本来であれば
人間の肌は化粧水をつけなくても
潤いを保つことができるはずなのです。
▼お肌をカサつかせる正体
ところが、皮膚が傷み、健康を損なってしまうと
皮脂膜は形成されなくなってしまいます。
お肌はカサカサ、ボロボロの状態になり、
何もつけずにはいられない。
だから化粧水が必要になるのです。
ここで忘れてはいけないのは、
お肌を不健康な状態にしている、そもそもの「原因」です。
このメルマガでは繰り返しお話していることですが、
多くの化粧品には界面活性剤が含まれています。
化粧水にも、乳液にも、ファンデーションにも。
そして、お肌についた化粧品を洗い流すためには
クレンジング剤が必要になります。
ここにも、界面活性剤が含まれています。
化粧水をつければ"しっとりする感じ"、
クレンジングを使えば"さっぱりした洗い心地"
を得ることができますが、
同時に、お肌はだんだんと傷み、潤いを失っていきます。
そして、やがて......。
「化粧水なしではいられない」
という状態になっていくのです。
▼化粧品は楽しむもの!
「化粧水をつければつけるほど、
お肌が傷んでいく......。
なんだか皮肉なお話ですよね」
確かにそうですね。
ただ、最初にもお話したように、
牛田は"化粧品は楽しむものだ"と考えています。
自分のお肌には、どんな特徴があるのか。
自分のお肌には、どんなケアが合っているのか。
それを知り、自覚したうえで
化粧品を使うことができれば、
お肌本来の機能をおびやかすことはありません。
お肌の調子が良いときは化粧品を楽しむ。
傷んでいるときは、使用を控えてお肌を休ませる。
これもまた、巷で言われていることとは
まったく逆かもしれませんが......
そうやって化粧品と付き合ってほしいと考えているのです。
化粧品へのハテナマークは
まだまだ尽きないかもしれません。
ご質問がある方は、
お気軽にお問い合わせくださいね。
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