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2020年12月15日配信

第644号 理由は2つ?『冬の乾燥感』の秘密

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2020/12/15━☆
    健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

           「秘密の皮膚科学」

    第644号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 「牛田さん牛田さん!
  非接触生活を数年続けていても
  冬は乾燥するというご相談が届いていますよ」


 白木さん、ありがとうございます。
 どれどれ。かゆみもあるようですね。

 寒くなる季節はトラブルが出やすくなる
 要因があるんですよ。

 今回はそんな冬の悩みについて、
 ご相談を紹介しながらお話ししましょう。


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              理由は2つ?

          『冬の乾燥感』の秘密

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 ▼寒くなると増える乾燥の悩み


 Fさんがご相談メールをくださっています。


 「寒くなるとどうしても乾燥します」Fさん
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 牛田さんこんにちは。

 お久しぶりにメールさせていただきます。
 最近、乾燥が気になってきましたので、
 みなさんどのようにケアされていらっしゃるのか
 お伺いしたいです。

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 私は、非接触を実践し始めてからもう数年は
 経ちますが、秋から冬頃になると
 肌全面が乾燥してしまいます。

 痒くなってきて思わずかいてしまうくらいです。

 顔を触るよりはましだとワセリンを朝ペーパーで
 手を洗ってから水洗顔後に使用するのですが、
 それでも皮が剥けたり、気になります。

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 冬になると乾燥の痒みとか皮剥けが気になるのは、
 やはりなにか接触しているのでしょうか?

 それとも肌水分が足りなかったり物理的に
 室内や空気が乾燥しているのでしょうか?

 この時期になると化粧水とか使ってた
 頃に戻りたくなってしまいます
 (涙。思うだけで使いませんが。)

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 みなさま工夫されていることがあれば
 教えて頂きたいです。
 最近は急に寒くなってきましたので、
 お体に気をつけてお過ごしください。
 それでは、失礼致します。

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 「非接触生活をしているのに
  どうして乾燥感が出てしまうんでしょうか」


 白木さん。
 その理由にはこの2つが考えられます。


 〇皮膚のバリア力の低下
 〇冬ならではの接触の増加


 1つずつ見ていきますね。





 ▼生命の危機?身体の冷え


 「私は冷え性なのですが、
  身体が冷えることとも
  関係があるんですか?」


 ええ。

 身体が冷えを感じると、
 身体の体温を一定に保つための
 間脳の体温調節中枢が忙しくはたらきます。

 間脳のストレスが身体に伝わり、
 その分身体にも自覚しない疲労が
 蓄積します。

 身体が疲れると、皮膚のバリア力も
 低下していつもより接触物の影響を
 受けやすくなる、

 というわけなのです。


 「日常生活では朝起きたときから始まり、
  着替えるとき、外に出たとき・・・
  ちょっとした瞬間に寒い!と感じることが
  多いですよね」


 ほんの一瞬であっても
 寒さを感じることは「生命の危機」ですから、
 身体も影響を受けています。

 まずはヒーターをこまめに使ったり、
 ひざ掛けを常備したり。
 身体を冷やさない工夫をしてくださいね。





 ▼冬に増える接触とは


 とはいえ、
 皮膚のバリア力が低下していても、
 必ずしも乾燥感が出てくるわけではありません。


 「接触、ですね?!」


 その通りです、白木さん。

 冬は自宅で洗えない毛布やコートなどとの
 接触が増える季節です。

 直接顔に触れるだけでなく、
 それらに触れた手や髪が肌に触れて
 カサつきやかゆみが出ることがあります。

 また、寒いからふとんに潜り込んで
 寝ている方も多いでしょう。

 抗菌加工などをされた寝具と接触したり、
 一次刺激性物質の付着した手で
 ふとんに触ってそこから間接接触している
 可能性もあります。


 冬に増える接触物についてはこちらを↓


 ☆第594号 要チェック?『冷え込む季節にありがちな原因』の秘密
  http://hisesshoku-derm.com/archives/2019/11/594.php


 読んでみてくださいね。


 「ちなみに冬はやっぱり肌の水分量が
  減っているんでしょうか」


 皮膚の水分量は測定環境によって
 変わる数値です。ですので、
 肌の状態には関係ありません。

 皮膚の役割は体内を
 守ることですので、空気が乾燥していても
 肌が乾燥してしまうことはないんですよ。





 ▼おわりに ~カサつく時は肌に触れるものをチェック!~


 今回は冬の乾燥対策についてお話ししました。
 白木さん、いかがでしたか?


 「冬もカサつかないためには、
  冷え対策も重要なんですね。
  ひざ掛け出そうかな」


 そうですね。寒さを我慢せず、
 体調を整えるようにしてくださいね。

 カサつくときは肌に触れているものを
 確認することも大切。

 「これが原因だった!」というものが
 わかったらぜひメールを送って
 みなさんと共有してくださいね。





 ☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞこちらへ。
  →→ https://jstcd.or.jp/contact/

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