メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2008年05月20日配信

第147号 トラブルの原因は「帽子」?『お肌に触れる、その前に』の秘密

 みなさん、こんにちは。
 コスメプロデューサーの牛田専一郎です。


 今日は、白木さんとともに、資料の山と格闘中。
 研究室に溜まる一方のデータを整理しています。

 黙々と、淡々と。
 そして着実に山を崩していたのですが......


 「んんっ??」


 突如、白木さんから低い声が。
 い、一体どうしたんですか?


 「あまりにも急激に......おでこの紅班値が!」


☆------------------------------------------------------------☆

       ―― トラブルの原因は「帽子」? ――

        『お肌に触れる、その前に』の秘密

☆------------------------------------------------------------☆


 ▼順調だったはずなのに......

 白木さんが指差したのは、
 測定モニター、H.Mさんのデータでした。


 見れば確かに、紅班値が急激に上がっています。
 http://jstcd.or.jp/numberphotos/2008_5_12_hm/


 おでこの数値の推移を見てみると......
 測定(9回目)――2008年4月2日:298.0
 測定(10回目)――2008年4月30日:391.0

 わずか28日間の間に、100弱も数値が上昇しているのです。


 「H.Mさんといえば、第139号でも。

 ちょっとだけなら大丈夫?『日常生活に潜むたんぱく変性』の秘密
 http://hisesshoku-derm.com/archives/2008/03/139.php
  
  経過は順調だったはずなのに、一体なぜ?」



 ▼紅班値上昇のワケ

 ヒントをひとつお出ししましょう。

 このモニターさんは、
 9回目と10回目の測定の間に、"あるもの"を使い始めたそうです。

 使い始めたというか、かぶり始めたというか......。


 「かぶるといえば、帽子?
  牛田さん、分かりやすすぎなんですけど......」


 ちょっとサービスしすぎてしまいましたね(笑)

 そう、そのとおり。
 H.Mさんは帽子をかぶり始めたのです。



 ▼新品は災いを招く?

 「きっと、帽子で紫外線を防ごうと考えたんですよね。
  それがなぜトラブルの原因に??」


 帽子そのものが悪いわけではありません。
 問題は、帽子の"仕上げ"にあったのです。

 H.Mさんの帽子は、
 柔軟剤で仕上げられていました。

 バックナンバーでもお話したとおり、
 柔軟仕上げ剤の主成分は、陽イオン(カチオン)界面活性剤です。
 つまり、H.Mさんは
 帽子をかぶることによって、界面活性剤と接触していたのです。

 買ったばかりのものは、そのまま着用せずに
 合成洗剤で洗ってからにしましょう。


   ☆柔軟剤について、詳しくはこちらをどうぞ。
    http://hisesshoku-derm.com/archives/2007/12/125.php



 ▼測定で初めて分かる"真実"


 「お肌のためにかぶった帽子が災いしてしまうとは......
  なんだか、残念なことですね」


 ええ。本当にそうですね。

 せっかく化粧水をやめ、乳液をやめ、湯シャンを始めたのに、
 何かひとつ"つけた"せいで、
 お肌の状態が逆戻りしてしまう。

 そんな事例は少なくありません。


 この程度なら大丈夫だろう。と気に留めていなかったり、
 そもそも問題があることに気付いていなかったり。

 背景はさまざまですが、
 全体的な傾向として言えるのは、
 肌に触れるものを安易に選ぶ人が多い、ということです。

 お肌に影響が現れやすい人と、現れにくい人がいますが、
 前者の場合は、すぐにお肌がかぶれたり、カサついたりします。

 体調不良や、気候の変動など、
 もうひとつの要因が加わることによって、
 さらにダメージが大きくなってしまう場合もあります。



 ▼"何もつけない"を徹底するには



 「う~~ん。たかが帽子。されど帽子、なんですね」


 それが帽子であれ、Tシャツであれ、
 お肌に何かを触れさせる前には
 立ち止まって考えることが大切です。

 お肌が敏感な方や、傷んでいる方は
 特に注意が必要です。


 「なるほど......。
  でも、日常生活の中で
  "立ち止まって考える"のって大変なことですよね」


 そうですね。
 しかし、これだけはハッキリしています。

 ひとつでもお肌を傷める可能性があるものに触れている限り、
 お肌が健康を取り戻すことはないのです。 

 どうか、このことを心に留めていただきたい。
 牛田は切にそう願っています。



 ★牛田への感想・コメントがありましたら、
  お気軽にどうぞこちらへ。
  http://hisesshoku-derm.com/archives/01about/info.php



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