メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2012年10月16日配信

第331号 空気のせい?『季節の変わり目の乾燥』の秘密

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2012/10/16━☆
     健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと!

            「秘密の皮膚科学」

     第331号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。

 木の葉も色づき始めて、
 日に日に秋が深まっていきますね。


 「牛田さーん。
  お肌の乾燥についての問い合わせも
  日に日に増えてますよ~!」


 白木さん、そのテーマは
 これまでに何度も取り上げているのですが......
 

 今年は、初めて"何もつけない冬"を迎える方も多いようです。

 最近いただいた質問や報告のメールをご紹介しながら
 乾燥感(カサつき)についておさらいしましょう。 

 

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            ── 空気のせい? ──

           『季節の変わり目の乾燥』の秘密

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 ▼空気が乾けば肌も乾く?


 今年の夏に
 何もつけない生活を始めた方々から
 こんな不安の声が届いています。


 ┌────────────────────────────
 | 
 | 何もつけない生活を始めて
 | 素肌が喜んでいる感じがします。
 | 
 | ただ、これからの季節、乾燥が怖いです。
 | それに耐えられる肌になるものでしょうか?
 | もう何もつけたくありません。
 |                     (50代・女性)
 | 
 └────────────────────────────

 

 ┌────────────────────────────
 | 
 | 痒みに関しては
 | 乾燥してくるこれからが本番かもしれません。
 | 
 | すでに脚が少し粉っぽくひび割れて来ました。
 | 乾燥に驚く程弱いんです。
 |                     (50代・女性)
 | 
 └────────────────────────────

 
 寒くなり空気が乾燥してくると、
 肌も乾燥する。

  そう思っている人は少なくないようです。

 

 しかし、実際には
 気温の低下や空気の乾燥が
 肌に直接の影響を及ぼすことはありません。

  皮膚の役割は「体内を守ること」。

 

 身体の一番外側で、
 紫外線やばい菌、化学物質などの侵入を防ぎ
 外的刺激から体内を守るバリアーの働きをしています。

  空気が乾いても
 暖房器具の温風があたっても
 皮膚から水分が失われることはありません。

  皮膚は"乾燥しない器官"なのです。

 

  
 ▼「乾燥」を感じる理由

 
 乾燥しないはずの皮膚が
 乾いたように感じられるのは
 なぜなのでしょうか。

  皮膚の断面図を見ながら
 そのメカニズムを考えてみましょう。

  肌の滑らかさは、細胞間脂質が
 角質を強く接着することで保たれています。

   ◎[図で見る] 健康な角質の状態
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2010/07/kakuka.php

 


 ところが、
 一次刺激性物質と接触すると
 細胞間脂質が変性・脱脂されて接着力を失い、
 角質片が剥離して立ち上がってしまいます。

  これがいわゆる"肌のカサつき"です。

   ◎[図で見る] 角質がカサついた状態
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2010/09/kasatsuki.php


  つまり、
 肌が乾いたように感じるのは
 空気が乾燥しているからではなく
 一次刺激性物質によるダメージを受けているからなのです。

 

 
 ▼最近いただいたご質問から ~ カサつきの悩み ~

 
 肌の乾燥に悩む方からのメールを
 2通ご紹介します。

 
 ┌────────────────────────────
 | 
 | ◆お悩み(1)
 | 
 |     【ほぼ何もつけていないのですが......】
 |
 | できるだけ何もつけない生活をしています。
 | 石けんもほぼ使わないのですが、
 | 手のひらがカサカサで水分がない感じなのです。
 | 
 | 夏でこんなにカサカサだと冬が心配です。
 | 顔はほぼ毎日ノーメイクです。
 | 痒みやニキビはまだあります。
 |
 | 痒い時はお風呂に入った際、
 | 軽く手で拭うようにして洗っています。
 | 
 | お風呂に入る前はとても脂っぽいのですが、
 | 上がると乾燥を感じます。
 |                     (20代・女性)
 | 
 └────────────────────────────

 
 「何もつけていないから、乾燥する」
 と思いがちですが、実際には
 「何かをつけているから、乾燥する」のです。

  肌に痒みやニキビ、乾燥感があるときは
 一次刺激性物質との接触が残っているはず。

  肌を傷めるものと接触していないかどうか、
 確認してみましょう。

  このメールの事例では
 まずは【手】から見直しを。
 素手で食器を洗ったりしていませんか?

  また、手で顔や髪を洗う前には
 手ぬぐいや推奨のペーパータオルを使って
 手に付着している柔軟剤や抗菌剤を落としましょう。

  8つの実践項目が「ほぼ」達成できていても
 1つでもできていないものがあれば
 皮膚トラブルは治まりません。

  完全達成にチャレンジしましょう。

 

 
 ▼何もつけないと乾燥が進む?


 次にご紹介するのは、
 測定モニター・Sさんのメールです。

  ┌────────────────────────────
 | 
 | ◆お悩み(2)
 | 
 |     【乾燥・痒みがひどくなりました】
 |
 | やはり、何もつけない生活で乾燥は進んでいるようです。
 | 
 | 痒みが以前より増し、髪の毛が
 | 一本でも触れるだけで痒くなるのです。
 | でも、なんとか手で触れないようにしています。
 | 
 | さらに、湿疹でしょうか?
 | 小さなブツブツが以前より増え、
 | 額やこめかみ、頬の広範囲に左右対称にできています。
 | 
 |                     (30代・女性)
 | 
 └────────────────────────────

 
 9月中旬に初回の測定をしたSさん。
 その後トラブルが発生。
 急遽、次の測定予約日時を早めました。

  2回目の測定数値を見ると、
 1週間前と比較して
 紅斑値(肌の炎症)は横ばいでしたが、
 全体的にメラニン値が上昇していました。

  どうやら、かなり強い接触が続いているようです。

  Sさんはモニター開始直前までは
 さまざまな化粧品を使用していましたが、
 現在は何もつけない生活を実践しているとのこと。

  8項目を実践しているにもかかわらず
 乾燥と痒みが進み、
 湿疹まで出てしまったというわけです。

  白木さん、これらの原因は
 何だと思いますか?

 
 「う~~ん。何でしょう?
  牛田さん、ヒントを!」

 
 ヒントは
 "よかれと思って使用していたもの"。

  バックナンバーにも同様の事例が......。

   ☆第319号 洗濯しても?『落ちない加工』の秘密
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2012/07/319.php

 

 正解は次号で発表いたします。
 みなさんも考えてみてくださいね。

 

 ☆質問・疑問などがありましたら、
  お気軽にどうぞこちらへ。
  →→  http://hisesshoku-derm.com/archives/01about/info.php

 

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