メールマガジン「秘密の皮膚科学」
2004年12月14日配信
第9号 「大人のニキビ」の秘密(2) ~予防編~
みなさん、こんにちは。
コスメプロデューサー・牛田専一郎です。
いよいよ始まった「大人のニキビ」のお話。
先週は、ニキビができてしまう原因をご説明しました。
今週は「予防」についてお話します。
一度できてしまうとなかなか治らない大人のニキビ。
できないようにするにはどうしたらいいの? という声にお答えします。
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「大人のニキビ」の秘密(2) ~予防編~
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▼白木さん、相変わらず不調です・・・
「あぁぁぁぁ~~~」
先週に引き続き、表情の険しい白木さん。
ため息というか、嘆きというか・・・を発しています。
どうしたんですか?
「オデコのニキビ、治るどころかもう一個できちゃったんですよ~!」
確かに、白木さんの額には赤いものがふたつ並んでいます。
「先週のお話で、大人のニキビができてしまう原因は分かったけど、
でも、もうこれ以上増やしたくないんです!
どうしたら防ぐことができるんですか!?」
そうくると思ってましたよ。
答えはちゃ~んと用意してあります。
白木さん、メモの準備はいいですか?
▼牛田式・大人のニキビ予防策
先週、ニキビができてしまう原因は
1)角質の防御能力が弱まっていること
2)精神的な負担、いわゆる「ストレス」
というお話をしました。
原因に対応した形で、予防策も2つあるんです。
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予防その1:自ら皮脂膜を作る能力を維持しよう
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皮脂膜は、汗と皮脂から作られる天然の保護膜です。お肌の一番外側で、
皮膚を外界の刺激から守りながら、その表面を滑らかで潤いあるものにし
ています。
そして、皮脂膜の真下にあるのが角質層。先週、「角質の防御能力の低下」
がニキビができてしまう原因のひとつであるとお話しましたが、皮脂膜が
正常に作られる状態をキープしておけば、常に角質を守っておくことがで
きるというわけなのです。
では、どうすれば皮脂膜が作られる状態を維持できるのでしょうか?
そのポイントは3つあります。
以前にお話したことのある内容もでてきますが、総括・復習の意味でもう
一度目を通してみてくださいね。
1)厚手のメイク、強い洗顔をやめる
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まず、乳液やクリーム、日焼け止めなどの脂っぽいものには、脱脂力があ
ります。一見潤ったかに見えますが、実際にはお肌の潤いを奪っているの
です。
さらに、厚塗りをしたメイクを取り去るためには、強い洗浄力のあるクレ
ンジング剤が必要になります。クレンジングが洗い流しているのは、メイ
クだけではありません。同時に皮膚の角質も無理に剥がしているのです。
結果、お肌の脱脂が進み、皮脂分泌力も低下してしまうのです。
クレンジングを使用しないためには、何といってもファンデーションを使
わないことがベストです。しかし、それはちょっと抵抗があったり、仕事
などの都合でどうしてもお化粧をしなければならない、という方もたくさ
んいらっしゃることと思います。
ファンデーションをつける場合には、落ちにくいリキッドタイプを避ける
ようにしましょう。2ウェイタイプか、パウダータイプのものを選び、薄
くつけるのがおすすめです。
2)何もつけないで寝る
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第1号からくどいほどお話をしていることですが、夜はお肌も休む時間。
化粧水や乳液は、人工の皮脂膜になってくれますが、と同時に「自ら皮脂
膜を作る能力」を低下させる働きをしてしまいます。
ですから、なにもつけずにいられる夜は貴重な時間なのです。
皮脂膜を再生させ、お肌本来の力を引き出しましょう。
3)顔を清浄な状態に保つ
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皮脂膜を作ることをはじめとした、皮膚の自然な活動を促すには、
いつもお肌をきれいな状態にしておくことが必要です。
しかし、ちょっと注意をしてほしいことがあります。
「お肌をきれいな状態にする」方法は洗顔だけではありません。
上のポイント1)でもお話したように、過剰な洗顔はお肌を傷めてしまい
ます。洗顔のし過ぎは厳禁なのです。
というわけで、洗顔以外のお肌をきれいに保つ方法をお教えします。
朝晩だけでなく、日中に脂浮きや毛穴の黒ずみが気になったり、汗をかい
たりした時には、タオルで顔をやさしく拭いてあげましょう。
できれば、乾いたものより濡れたタオルのほうがおすすめです。
朝晩だけでなく、食事の後には歯を磨きますよね?
お肌だって同じようにケアをしてあげれば、清浄な状態を保つことができ
るのです。
ちなみに、油とり紙を持ち歩く女性がたくさんいらっしゃるようですが、
油とり紙はあくまで皮脂をとるもの。汚れは取ってくれないということを
心に留めておいてくださいね。
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予防その2:メンタルな部分をコントロールしよう
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ニキビができてしまうもうひとつの原因は、「ストレス」です。
現代人にとって、ストレスは身近な問題です。
人と人との関わりの中で仕事をしながら生きていくためには、ストレスを
感じないようにすることはほぼ不可能なことに思われます。
でも、「ストレスをためない工夫」をすることは、無理なことではないで
すよね?
一日の最後にゆっくりお風呂に浸かるとか。
どんなに忙しくてものんびりお茶を飲む時間を作るとか。
たまにはお酒やカラオケで発散するとか。
なんでもかまいません。
誰にも自分流の精神的な負担を軽減する方法があるはずです。
自分で自分を上手に操縦してみてはいかがでしょうか。
というわけで、大人のニキビの予防法は以上です。
白木さん、いかがでしたか?
「化粧品が出てこないのは相変わらずですねぇ。
牛田さんのお話を聞いていると、どんどん化粧品がいらなくなっちゃう」
そうは言っても、化粧品の研究を日夜続けているんですよ。
本当に効果のあるものができたら、必ずおすすめしますからね。
次回も引き続き「大人のニキビ」のお話。
できてしまったときの対処法をご説明します。
どうぞお楽しみに!
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~読者の方から頂いたメッセージをご紹介します~
「秘密の化粧品」メール相談室
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当メルマガ読者のさつきさん(30歳の女性)と牛田とのメールのやりとり
を連載でご紹介しています。
今回でいよいよ最終回。さいごの相談はどんなものでしょうか?
┌――┐
|\/| さつきさんからのメッセージ
└―――――――――――――――――――――――――――――――――
牛田さん、こんにちは。
何もつけない状態で生活することにすっかり慣れてしまった
今日この頃です。
またまた質問で恐縮なのですが、ここ2、3日は朝起きると
肌がカサカサのままで、日中も顔を触るとガサガサなのです。
以前より肌が丈夫になって、皮膚の薄い感じがしなくなったのに
どうしてなのでしょうか・・・?
そういう状態のときは、化粧水を使用したほうが良いですか?
私は北のほうに住んでいるのですが、
最近はだんだんと寒くなってきて暖房を使用しているので
肌も乾燥しやすいような気がします。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
┌――┐
|\/| 牛田からのメッセージ
└―――――――――――――――――――――――――――――――――
さつきさん、こんにちは。
ご連絡ありがとうございます。
再びお肌の乾燥に悩んでいらっしゃるとのこと。
暖房機の使用が肌に影響を与えている・・・とお考えのようですね。
結論から申し上げると、空気の乾燥が原因でお肌が乾燥することはありま
せん。(このことは第6号で詳しくお話しています)
http://hisesshoku-derm.com/archives/2004/11/6-2.php
季節の変わり目など、外部環境の変化の激しい時期には、身体のバランス
が崩れやすく、お肌もトラブルを抱えやすくなります。
乾燥を感じる時は、化粧水を薄く部分使いしてください。
逆に、暖房がききすぎて汗をかくような時は、水洗顔をしましょう。
お肌のクールダウン(鎮静)にもなります。
お肌がガサガサするからといって、無理に剥いてしまうと、お肌を傷つけ
ることになります。
かといってクリーム等をつけすぎると、角化(角質を形成する)を妨げて
しまいます。
お肌がガサガサしても、自然に剥けるのを待ちましょう。
一週間くらいでおさまるはずです。
朝晩の気温差が少くなれば、次第にお肌のガサガサもなくなります。
それをご自分の肌で実感していただくためにも、
ぜひ「何もつけないで寝る」を続けてくださいね。
コスメプロデューサー 牛田専一郎
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このメッセージをお送りした数日後。
さつきんからお便りが届きました。
『まだ肌荒れが続いていますが、少しづつよくなってきました。
これからもメルマガを楽しみにしていますね!』
「なにもつけない」というお手入れには、戸惑いや抵抗をお感じになる方
がたくさんいらっしゃると思います。
私自身も、「ちょっと過激かな」「受け入れていただくには時間がかかる
かな・・・」と思っていましたが、さつきさんからのメッセージで自信をつ
けることができました。ぜひ一人でも多くの方に試していただいて、
お肌本来の力を実感してほしい! と思っています。
★牛田への感想・コメントはこちらへ!
http://hisesshoku-derm.com/archives/01about/info.php
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次号の秘密
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次号は『大人のニキビの秘密(3)~対処編~』
をお届けします。
来週も、世間でまことしやかにささやかれている常識が
見事にひっくり返ります。
どうぞ心のご準備を・・・
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