メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2006年04月11日配信

第70号 ニキビ跡の凹みを作らないためには『傷が治るしくみ』の秘密(4)

 みなさん、こんにちは。
 コスメプロデューサー・牛田専一郎です。


 前回まで『傷が治るしくみ』について
 お話してきました。


   ○第67~69号 『傷が治るしくみ』の秘密(1)~(3)
    http://hisesshoku-derm.com/archives/2006/03/67.php

    http://hisesshoku-derm.com/archives/2006/03/68.php

    http://hisesshoku-derm.com/archives/2006/04/69.php


 全3回でおしまいにする予定だったのですが、
 ひとつだけ、言いそびれてしまったことがありました。

 また、読者の方から質問のメールをいただきましたので、
 そちらも併せてご紹介したいと思います。

 もう1週だけ、『傷』の話にお付き合いくださいね。

☆----------------------------------------------------------☆

     ――ニキビ跡の凹みを作らないためには――

        『傷が治るしくみ』の秘密(4)

☆----------------------------------------------------------☆


 ▼牛田が言いそびれたことは......



 「牛田さん、いったい何ですか?
  何を言いそびれちゃったんですか???」



 白木さん、まぁまぁ落ち着いて。

 傷が治るしくみ(1)で、
 こんなお話をしましたよね。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

   ●傷ができると、周囲から健康な細胞が移動してくる。
    それらが集まり、欠損部分を覆うことで表皮は再生する。

   ●細胞は、湿った環境で活動するもの。
    その反面、乾燥にとても弱いという性質を持っている。

   ●ひとたび乾いてしまうと、細胞は死滅してしまう。

   ●表皮の再生を促すために『傷は乾かさないこと』!

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


      ↓詳しくはこちら↓

    ○第67号 『傷が治るしくみ』の秘密(1)
    http://hisesshoku-derm.com/archives/2006/03/67.php




 ▼ニキビ跡の凹みができるのは?


 牛田が補足をしたいのは、
 "細胞は乾燥に弱い"という箇所。

 "細胞"という言葉でひとくくりにしてしまいましたが、
 その中でも、特に乾燥に弱い細胞があるんです。


 それは『真皮』。

 今までにも何度かお話してきたように、
 真皮は"お肌の土台"にあたる部分です。


   ○真皮の断面図
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2006/04/post_9.php



 白木さん、この部分の細胞を乾かしてしまうと、
 どんなことが起こると思いますか?



 「お肌の土台の細胞が死んでしまうということだから......
  つまり、つまり......
  "お肌は元に戻らない"ってことですか?」



 そのとおり。

 真皮の細胞を乾燥させてしまうと、
 損なわれた表皮も回復しません。

 表皮の強い修復力で傷は治っても、
 傷の跡は、凹みとなってお肌に残るのです。



 「お、おそろしい~~~」



 そうですね。

 取り返しのつかないことになる前に、
 傷口を乾燥させない『うるおい治療』をしましょうね。


   ○『うるおい治療』のおさらいはこちら↓

    第69号 『傷が治るしくみ』の秘密(3)
    http://hisesshoku-derm.com/archives/2006/04/69.php



 ▼ご質問をいただきました


 『うるおい治療』について
 読者の方から質問メールが届いているんです。

 同じように疑問に感じている方がいらっしゃると思いますので
 ご紹介しておきますね。


 ┌――┐
 |\/| 【キズ・バンソウコウを貼ればよいの?】
 └―――――――――――――――――――――――――――――――
 |
 | 牛田さん、こんにちは。
 | いつもメルマガを参考にスキンケアをしています。
 |
 | メルマガで『傷を覆うと治りが早い』
 | というお話が紹介されていましたが、
 |
 | 手っ取り早くできる処置としては
 | 『バ○ドエ○ドを貼る』って事でしょうか?
 |
 | 例えば大きく腫れたニキビがつぶれると
 | 傷と同じような状態になり、
 | 膿みと一緒に、またはその後に
 | ジュクジュクが出てくる事があります。
 |
 | そんな時に、放っておくよりも
 | バ○ドエ○ドでも張っておいた方が
 | 治りが早いのですか?
 |
 | 教えてください!
 |
 └―――――――――――――――――――――――――――――――


 ▼ガーゼが付いている理由


 まず、キズ・バンソウコウの使用についてお答えしますね。

 キズ・バンソウコウの裏にはガーゼが付いていますが
 その理由をご存知でしょうか?


 それは『傷口を乾燥させるため』です。

 ここまでお話してきたとおり、
 傷口を乾燥させることは、表皮再生の妨げになります。


 ですから、キズ・バンソウコウの使用はおすすめできません。

 多くの人が"当たり前"と思っている
 傷→キズ・バンソウコウ、という流れ。

 これは根拠のない迷信なのです。



 ▼牛田のオススメ



 「じゃあ、どうしたらいいんですか?
  傷口に食品用ラップを貼るっていうのも
  なかなか難しいですよねぇ」



 湿潤環境を維持してくれる
 おすすめのキズ・バンソウコウがあるんですよ。

 ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社の
 『キズパワーパッド』という商品です。


 牛田も実際に使ってみましたが、
 お肌にピタっと吸着する軽い付け心地です。



 ▼ニキビには使えない?


 『キズパワーパッド』の取扱説明書には、
 「ニキビには使用しないでください」
 と書いてあります。


 ここでいうニキビとは、
 まだつぶれていない状態のもの。

 中に壊死物質や膿みが残っている状態で閉鎖すると、
 新たな感染を引き起こし、傷を悪化させてしまうからです。


 しかし、つぶれたニキビの状態は傷と同じ。
 『キズパワーパッド』を使うことができます。


 使用するときには、

 1)傷口に付いた汚れを水道水で洗い流して

 2)傷口の周りを乾燥させて(濡れたままではテープが付かないですからね)

 キズパワーパッドを貼りましょう。

 そうそう、すでに傷口に消毒液や薬を付けている場合には、
 それも水道水で洗い流してくださいね。

 殺菌剤や消毒薬は、
 傷の修復に集まってきた細胞にとっては"毒"ですから。



 ▼牛田からのお願いです


 今日は牛田オススメのバンソウコウをご紹介しましたが、
 お使いになる際は『取扱説明書』をよ~~く読んで
 ご自身の責任のもとでお使いください。


 きびしいことを申し上げるようですが......
 よろしくお願いいたします。



 ▼不安な方はお医者さまに


 傷を閉鎖する『うるおい治療』について、
 興味があるけれどどうしても不安。
 専門家に相談したい。

 そんな方は、
 お近くのお医者さまを訪ねてみてはいかがでしょうか?



  ★牛田への感想・コメントがありましたら、
   お気軽にどうぞこちらへ。
  http://hisesshoku-derm.com/archives/01about/info.php



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