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メールマガジン「秘密の皮膚科学」

2016年06月14日配信

第512号 お答えします『紫外線・日焼け止めの疑問』の秘密

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2016/06/14━☆
     健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

            「秘密の皮膚科学」

     第512号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。

 今年はちょっと早めの4月から
 紫外線対策についてお話しています。

 ☆第504号 シミを防ぐためには『肌の弱い人の紫外線対策』の秘密
 http://hisesshoku-derm.com/archives/2016/04/504.php 

 ☆第509号 初夏に知りたい『肌の弱い人の紫外線対策』の秘密(2)
 http://hisesshoku-derm.com/archives/2016/05/509.php 


 509号でご質問を募集したところ、
 たくさんのメールをいただきました。
 ありがとうございます。

 今回は3つのご質問にお答えいたします。

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             ── お答えします ──

          『紫外線・日焼け止めの疑問』の秘密

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 ▼照り返しで日に焼ける?


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  Q1.『アスファルトの照り返しが気になります』(女性)
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  アスファルトによる日光の照り返しが気になります。

  遮光のマスクをつけて歩いていたら
  警察官に不審者扱いされてしまいました。

  肌が弱く、日焼け止めが塗れないのですが
  紫外線対策は帽子のみでも大丈夫でしょうか?

  日光による照り返しは
  どのくらい肌に影響を与えるのでしょうか?
  
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  A1.『照り返しで焼けることもありますが、元に戻ります』


  紫外線の強い季節は
  帽子や日傘でガードしていても、
  アスファルトからの照り返しで
  うっすらと日焼けをすることがあります。

  ただ、その程度の日焼けで
  肌に炎症が起きたり、シミができたりすることはありません。

  肌を傷めないように生活していれば
  元の肌色に戻りますので、ご安心ください。

  照り返し対策としては、
  紫外線の強い時間帯(10~14時)の
  外出を控えることも有効です。






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  Q2.『効果的に紫外線を遮る繊維は?』(女性)
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  1月から何をつけても肌がボロボロになり、
  色々読んで、非接触生活が一番いいことが分かりました。

  日差しの強い時も、日焼け止めが塗れません。
  最も効果的に紫外線を遮る繊維は何でしょうか?

  自分では、麻を身につけている時が
  一番体調が良くなると感じています。
  
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  A2.『加工品は避け、綿や麻などの天然繊維を選びましょう』


  最近では、紫外線を吸収・反射する素材が練りこまれたものなど、
  高いUVカット機能を備えた化学繊維が増えています。

  これらは効果的に紫外線を遮るものではありますが、
  肌の弱い方は、加工された生地に触れると、
  かぶれてしまうことがあります。

  直接肌に触れない日傘などは
  そのような生地でも問題ありませんが、
  肌に触れる帽子や衣類は
  綿・麻などの天然素材にするとよいでしょう。

  おすすめは、生地の目が詰まったもの。
  日差しを遮りやすくなります。






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  Q3.『おすすめの日焼け止めを教えてください』(女性)
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  夏の日焼けが気になるのですが、
  おすすめの日焼け止めを教えて下さい!

  日焼け止めなら何でも良いというわけではないですよね......?
  たくさん種類がありすぎて、いつも悩みます。

  SPFは強い方がいいですか?
  ミルク状の方がいい、パウダーがいいなど、知りたいです。

  できたら、洗剤のように
  商品名まで教えていただけると助かります。
  
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  A3.『おすすめできるものは、ありません』


  どのような日焼け止めも、一次刺激性物質です。

  無添加を謳うものにも、さらっとしたつけ心地を謳うものにも、
  界面活性剤が使われています。

  残念ですが、現在のところ
  おすすめできる商品はありません。 

  日常生活では日焼け止めを使わず、
  帽子・日傘・長袖の衣類などで紫外線対策をしましょう。



  ◆屋外で長時間過ごすときは日焼け止めを


  509号でもお話ししましたが、
  紫外線の強い季節(5~8月)の
  紫外線の強い時間帯(10~14時)に、
  長時間、屋外で肌を晒さなくてはいけない場合は
  必ず日焼け止めを使用しましょう。

  海ならウォータープルーフでSPFの高いもの、など
  状況に合ったものを選んでください。
  こまめに塗り直すことも大切です。

  ウォータープルーフの日焼け止めをつけたときは、
  専用のクレンジングを使ってしっかり落としましょう。

  肌が荒れやすい方は、日焼け止めを使用する前に
  腕の内側などでテストすることを忘れずに。

  日焼け止めを使った後は、
  肌が元の状態に戻るまでに時間がかかります。

  できるだけ負担をかけないようにして、
  肌を休ませてくださいね。

  

  


 ▼おわりに ~ 日焼け止めは最終手段 ~


 みなさんからいただいたメールのなかには、
 こんな声もありました。


  ◇肌荒れするので日焼け止めをつけられない

  ◇本当はつけたくないけれど
   今まで無理してつけていた

  ◇504号・509号を読んで
   つけなくて良いことが分かり、安心した


 白木さん、どう思いましたか?


 「日焼け止めは肌に負担をかけるものですが、
  心の負担にもなっていたのかな、と......」


 そうかもしれませんね。

 日焼け止めは"特別なときの最終手段"と考えましょう。
 日常生活では帽子・日傘・衣類などを活用すれば
 紫外線をガードできます。

 心軽やかに、夏を楽しんでくださいね。



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