バックナンバーメールマガジン「秘密の皮膚科学」
2016年01月26日配信
第493号 洗剤との付き合い方『手の洗い方』の秘密(2)
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2016/01/26━☆
健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと!
「秘密の皮膚科学」
第493号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆
みなさん、こんにちは。
シニアフェローの牛田専一郎です。
前回のテーマは『手の洗い方』でした。
☆第492号 料理前、外出後は?『手の洗い方』の秘密
http://hisesshoku-derm.com/archives/2016/01/492.php
肌の弱い方は石けんやハンドソープを使わず、
水またはお湯で手を洗いましょう。
と、お話したところ、
●水やお湯だけで落ちないときは?
●台所やトイレ掃除はどうしたらいい?
●食器や鍋はどう洗う?
などのご質問が届きました。
今回は、前回の内容を補足しながら
洗剤との付き合い方についてお話します。
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── 洗剤との付き合い方 ──
『手の洗い方』の秘密(2)
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▼なぜ、非接触生活では洗剤を使わないの?
石けんやハンドソープを使わない手洗いを
おすすめしている理由は3つあります。
┌────────────────────────────
| ●理由(1)
| 日常生活で手に付着する雑菌や汚れは、
| 水またはお湯のみで落とすことができるため
└────────────────────────────
前回のメルマガでもお話しましたが、
手で雑菌が増殖することはありません。
皮膚常在菌がバリアの役割をしているからです。
1分程度、流水のもとで手を洗うと
雑菌などを洗い流すことができます。
┌────────────────────────────
| ●理由(2)
| 肌の弱い方は、手荒れをしやすいため
└────────────────────────────
石けんやハンドソープは界面活性剤であり、
肌に刺激を与える一次刺激性物質です。
殺菌成分が配合されている製品も多く、
肌の弱い方が使用すると、手荒れをしやすくなります。
┌────────────────────────────
| ●理由(3)
| 手からの間接接触を防ぐため
└────────────────────────────
肌にやさしいと謳っている石けんも、
油脂由来の界面活性剤を使っているハンドソープも、
使ったあとの手には、遊離脂肪酸が残留しています。
脂肪酸は一次刺激性物質です。
その手で顔や髪を触ると、手や髪が触れた部分に
ニキビやカサつき、赤みなどが出ることがあります。
▼こんなときどうする? ご質問にお答えします
*------------------------------------------------------------*
Q1.水やお湯では、油性の汚れが落ちません。
*------------------------------------------------------------*
A1.
インク汚れなど、水やお湯だけでは落ちないときは
洗剤を使って落としましょう。
手荒れをしやすい方は、落ちにくい汚れが手につかないよう
手袋をして作業するなどの工夫をしましょう。
*------------------------------------------------------------*
Q2.キッチンやトイレは洗剤を使って洗いたいのですが。
*------------------------------------------------------------*
A2.
素手で洗剤に触れなければ大丈夫です。
手袋をして掃除しましょう。
お風呂の浴槽や食器など、身体に触れるものを洗うときは
残留のおそれがありますので、
できるだけ洗剤を使わないようにしましょう。
*------------------------------------------------------------*
Q3.毎日の食器洗い。どうするか悩んでいます。
*------------------------------------------------------------*
A3.
食器洗い用洗剤のほとんどに
抗菌剤や油脂由来の界面活性剤が含まれています。
肌の弱い方は、カップに抗菌剤・脂肪酸などが残留していると
唇が荒れてしまうことも。
思い当たる方は、洗剤を使わずに食器を洗いましょう。
☆【洗剤を使わない洗浄法】フェローのレポートをご紹介しています。
http://jstcd.or.jp/mailmagazine/number_325/
とくに肌トラブルがない方、
化粧品同様、石けんや洗剤も好きな香りのものを選んで
問題なく楽しんで使える方は、お湯洗いを強制的に行う必要はありません。
手荒れをしやすい方は、洗剤を使わずに洗うか、
ゴム手袋をして手を守りましょう。
ゴムで手荒れをするという方は、
綿手袋をしてから、そのうえにゴム手袋をするとよいでしょう。
▼おわりに ~ 必要に応じて ~
今回は洗剤との付き合い方についてお話しました。
白木さん、いかがでしたか?
「前回の内容を読んで、
"どんなときも洗剤を使ってはいけない"と
思ってしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、
そうではないんですね。
肌の弱い人は使わないほうがベターではあるけれど、
肌にじかに触れないように気をつけながら
必要に応じて使いましょう、ということですね」
そうです。
比較的肌の強い方でも、
◇唇や手が荒れている
◇洗剤が触れた部分にトラブルが起こる
といった場合は、洗剤の影響を受けている可能性があります。
脂肪酸・抗菌剤・柔軟剤などの残留物が
肌に触れないように、気をつけましょう。
☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞこちらへ。
→→http://jstcd.or.jp/contact/
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