メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2006年03月28日配信

第68号 お肌の美は"知ること"から!『傷が治るしくみ』の秘密(2)

 みなさん、こんにちは。
 コスメプロデューサー・牛田専一郎です。


 "転んですりむいた傷口から、
  血でも水でもない
  『ジュクジュク』した液体が出てきた。"


 ......こんな経験、ありませんか? 

 小さい頃、そこらじゅうを駆け回っていた(らしい)
 白木さんは、しょっちゅう『ジュクジュク』を
 見かけていたそうです。


 今日は、そんな白木さんと一緒に
 『ジュクジュク』の正体に迫ります。

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   ――お肌の美は"知ること"から!――

     『傷が治るしくみ』の秘密(2)
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 ▼前回のおさらいです


 先週から、『傷が治るしくみ』についてお話しています。
 続きに入る前に、白木さんから前回のまとめをどうぞ。


 「ハイ!
  前回のポイントは4つでした。

  1)『傷』とは、お肌の"表皮"や"真皮"が欠損した状態。

  2)『傷が治る』とは、
    "損傷によって失われた部分が再生すること"である。

  3)傷ができると、周囲から健康な細胞が移動してくる。
    それらが集まり、欠損部分を覆うことで表皮は再生する。

  4)細胞は乾燥に弱い性質を持っている。
    傷を早く・キレイに治すためには、傷口を乾かさないこと!」


     ○さらに詳しく! という方はバックナンバーをどうぞ
      第67号 ~『傷が治るしくみ』の秘密(1)~
      → http://hisesshoku-derm.com/archives/2006/03/67.php


 「で、傷口を乾かしちゃいけないことは分かったけど、
  表面の『ジュクジュク』はどうしたらいいの?
  ......ってとこで終わったんですよ」



 そうそう。そうでしたね。




 ▼ジュクジュクにも、役目がある


 傷口から『ジュクジュク』の液体がでてきたとき。
 みなさんはどうしていますか?

 多くの方は、
 「化膿しちゃった!」
 「消毒しなきゃ!」
 とあわててしまうのではないでしょうか。


 でも、あわてる必要はありません。

 なぜって、この『ジュクジュク』こそが
 お肌を再生に導いてくれる物質だからです。



 ▼見た目で判断してはいけません


 『ジュクジュク』の正体は
 『細胞成長因子』なのです。

 傷ができると、周囲の細胞が集まってきて
 失った部分を覆ってくれる。


 前回そんなお話をしましたが、
 細胞を呼び集め、細胞どうしの調節を図ってくれるのが
 この『細胞成長因子』なのです。

 見た目はちょっぴり気持ち悪いけれど......。
 『ジュクジュク』はとても重要な役割を果たしているのです。



 ▼傷口は覆うべき?


 「傷口を覆ったほうがいいという人と、
  覆わず空気にさらしたほうがいいという人がいますよね。
  いったい、どちらが正しいんでしょう?」



 確かに、どちらも耳にしますよね。

 結論から言えば、"覆った"ほうが
 早く・キレイに傷口を治すことができます。


 傷口を閉鎖しておくことによって、
 表皮の再生を促す『細胞成長因子』の濃度が上がり、
 細胞を集める力が強化され、細胞が増殖するためです。



 ▼傷口を覆わないでいると?


 「じゃあ、傷口をそのまま放ったらかしにしておくと??」



 傷口を開放した状態にしておくと、
 『細胞成長因子』の濃度が上がらず、
 細胞の増殖が促されません。

 それだけ、治りが遅くなってしまうのです。


 傷口を覆うことによって、
 表皮の再生活動が促される。治りが早くなる。

 このことをぜひ、覚えておいてくださいね。



* * * * * * * * * * * *


 来週は、『傷の治るしくみ』がいよいよ完結。
 先週・今週と2回にわたってお届けしてきた
 "しくみ"を踏まえて、"対処法"をお話します。

 どうぞお楽しみに!


  ★牛田への感想・コメントはこちらへ。
  http://hisesshoku-derm.com/archives/01about/info.php



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 【参考文献】
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 今回のお話は、現役のお医者様でいらっしゃいます
 夏井睦先生の本『これからの創傷治療』
 を参考にさせていただきました。

 http://www.igaku-shoin.co.jp/prd/00125/0012501.html

 夏井先生、ありがとうございます。



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