メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2009年09月01日配信

第203号 つけ方・落とし方『お肌が弱い人のメイク術』の秘密

 みなさん、こんにちは。
 コスメプロデューサーの牛田専一郎です。


 8月にお届けした200号で、
 弊誌初のプレゼント企画を行いました。
 http://hisesshoku-derm.com/archives/2009/08/200.php


 ご応募くださったみなさんに
 "弊誌へのリクエスト"をお聞きしたところ。

 メイクについての
 お問い合わせが数多く寄せられました。


 そこで今回は、
 お肌の弱い人・お肌の調子が悪い人が
 【どうしてもメイクをしなければならないとき、どうする?】

 をテーマにお話します。


☆------------------------------------------------------------☆

         ── つけ方・落とし方 ──
 
       『お肌が弱い人のメイク術』の秘密

☆------------------------------------------------------------☆



 ▼基本的に「しないほうがよい」。だけど......


 お肌のうえに
 ファンデーションなどをのせていると、
 正常な皮脂膜と皮膚常在菌の維持を妨げてしまいます。

 皮膚の健康を第一に考えるならば、
 基本的に、メイクはしないほうがよいものです。


 しかし、
 いわゆる"スッピン"で外出することに
 抵抗を感じる人は少なくありません。

 仕事上の理由から
 どうしてもメイクをしなければならない、
 という人も多いようです。


 実際に、読者の方々から
 こんなメールをいただいています。


    ┌────────────────────────────
  |◆【人に会う日はどうしても......】
  |
  | やはり肌に負担がかからないファンデーションは、
  | 薄付きでカバー力も少なく、
  | 人と会うときはどうしても
  | 部分的にシリコン配合のものを使用してしまいます。
  | 
  | シャンプーもファンデーションも、
  | 肌に負担がかからないものというのは
  | 一般的には市販されていないものなのでしょうか。
  | 
  | 洗濯洗剤「トップクリアリキッド」のように、
  | それぞれのジャンルで肌への負担の少ないもの、
  | というのがいくつかあれば良いのですが。
  |                     (30代・女性)
  | 
  └────────────────────────────

    ┌────────────────────────────
  |◆【仕事上、メイクは必須です】
  |
  | 何もつけないを日々実践したいし
  | 出来るときはしていますが、
  | 仕事上メイクは必須なんです。
  | (週五日はフルメイクをしています)
  | 
  | もちろんパウダーファンデは実践しています。
  | ですので、メイクを使用するにあたって
  | 気をつけたほうがよいこと、選ぶ基準、落とし方、
  | などの情報をいただけたらうれしいです。
  | 
  | 何もつけないをすすめているのに、
  | メイクのことを率先して教えるのは
  | おかしいことは重々承知していますが、
  | 私のように本当は何もつけたくないけど、
  | つけざるを得ない人がきっといると思います。
  |                     (30代・女性)
  | 
  └────────────────────────────


 お肌が弱い人や、
 お肌の調子が乱れている人──

 つまり、本来であれば
 メイクを控えたほうがよい人たちが、
 必要に迫られ、どうしてもメイクをしなければならないとき。

 どんな化粧品を選び、どのように落とせばいいのか?

 バックナンバーを読んでくださっている方には
 復習になる部分もありますが、
 あらためて下記にまとめてみました。





 ▼「どうしても」のメイク術~ パウダーファンデーション編 ~


 【パウダーファンデーションの選び方】----------------------

  シリコン・界面活性剤の使われていないものを選びましょう。

  市販のものでは、天然の鉱物だけを原料とした
  「ミネラルファンデーション」などをお使いの方もいます。
  全成分の少ないものを探してみてください。

   ☆化粧品によく使用される界面活性剤・シリコーン
    http://hisesshoku-derm.com/archives/2006/10/kaimenkassei.php


  また、シリコン・界面活性剤不使用のものでも、
  オイル類を多く含むファンデーションは
  洗浄力の弱い洗浄剤で落としにくい性質があります。
  この点も考慮しつつ、全成分をチェックしてから使いましょう。


  チークも、ファンデーションと同じように
  パウダータイプのものがオススメです。
  
  これもまた、界面活性剤やシリコンが
  使われているものが多くありますから
  必ず全成分を確認するようにしてください。




 【パウダーファンデーションのつけ方】---------------------

  下地を使わず、ブラシでつけるようにするとよいでしょう。

  お肌にトラブルがある場合ほど、カバー力のある
  ファンデーションを厚塗りしたくなるものですが、
  それがさらなるトラブルを招く可能性があります。

  カバー力のあるものはクレンジング剤でなければ
  落とすことができないため、
  よりお肌に負担がかかってしまうのです。
  

  ファンデーションを使わなければ、
  クレンジングも必要ありません。
  思い切ってメイクを休むか、控えめにしたほうが
  早く健康な素肌に戻ることができます。




 【パウダーファンデーションの落とし方】-------------------

  ブラシで薄くつけた程度のファンデーションならば、
  ぬるま湯と手ぬぐいで落とすことができます。

  バックナンバーでは
  「洗浄力の弱い洗浄剤を使って、
   1回で落とせる程度のメイクをしましょう」
  とお伝えしてきましたが......

  お肌の弱い人は
  洗浄剤の使用が原因で
  お肌を傷めることが多いようです。

  お肌が弱い人、お肌にトラブルがある人は、
  日常生活で洗浄剤を使用しないようにしましょう。

  しっかりメイクをした場合は、
  クレンジング剤の使用はやむを得ませんが、
  お肌を休ませる時間を作るようにしてくださいね。




 ▼「どうしても」のメイク術 ~ ポイントメイク編 ~


 【ポイントメイクの選び方・つけ方】--------------------------

  ほとんどのポイントメイク用化粧品には
  界面活性剤・シリコンが使われています。

  ただし、目の周りは皮膚が強いため
  影響が出にくい場所です。

  まぶたなどにダメージが出ていなければ、
  特に神経質になる必要はないでしょう。


  また、唇にカサつきがあるときは
  口紅やリップクリームの使用をしばらくお休みしてください。

  カサつきが治まるまでワセリンを使いましょう。

  唇の色や色素沈着、カサつきが気になる場合は、
  全成分を確認しましょう。




 【ポイントメイクの落とし方】--------------------------------

  バックナンバーでは

  「ポイントメイク用の化粧品は
   落ちにくく作られていることもありますが
   目の周りの皮膚は強いので、
   "部分的"にクレンジング剤を使って落としましょう」

  とお伝えしてきました。


  ところが......

  眼球の周り(眼窩の内側)の皮膚は強いのですが、
  ポイントメイクを落とす時に
  眼窩の外側である額や頬の部分に
  クレンジング剤が接触してしまい、
  赤みや湿疹、カサつきを起こす事例が多く見受けられます。

  お肌の弱い人がポイントメイクをする場合は
  落とし方にかなり工夫をする必要がありそうです。


  また、稀に......

  皮膚の強い部分である、まぶた(眼窩の内側)に
  皮膚トラブルが起こる場合があります。

  この状態で、クレンジング剤や洗浄剤に接触すると
  さらにお肌を傷めて治癒を遅らせてしまいます。

  「治療中」と考えて、メイクそのものをお休みしてください。
  それらとの接触がなければ
  2週間から3週間で治癒するのですから。


  ポイントメイクをしていて、
  眼窩の外側に皮膚トラブルが起こる人は
  まずは皮膚トラブルが治まるまでポイントメイクをお休みし、
  その後で落とし方を工夫しましょう。

  眼窩の外側の部分にクレンジング剤がつかないように
  ポイントメイクを落とすことは難しいですものね。




 ▼「ダブル洗顔」は要りません


 ときどき、
 「クレンジング剤を使ったあとに、
  さらに洗浄剤を使ったほうがいいのでしょうか?」

 というお問い合わせをいただくことがありますが、
 二度洗いは必要ありません。

 洗浄剤との接触回数を増やすとタンパク変性が進み、
 お肌のバリア機能も失われてしまいます。
 "洗いすぎ"に注意しましょう。





 ▼「負担」を減らすメイクを


 どうしてもメイクしなければならないときのメイク術。
 いかがでしたか?

 一般的に、メイクは
 上へ上へと塗り重ねる"プラスの発想"で語られがちです。

 しかし、
 冒頭でお話したとおり、
 お肌にとって最も快適な環境は
 素肌のうえに何ものっていない状態。

 その状態こそが、健康な素肌をつくるのです。

 今回ご紹介したコツを参考にしながら、
 お肌にかかる負担を、できるだけ軽くしてあげましょう。

 そして、ファンデーションをつける必要がないお肌を
 目指してくださいね。




 ★牛田への感想・コメントがありましたら、
  お気軽にどうぞこちらへ。
  http://hisesshoku-derm.com/archives/01about/info.php




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