メールマガジン「秘密の皮膚科学」
2016年08月30日配信
第522号 基本のおさらい『化粧品』の秘密
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2016/08/30━☆
健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと
「秘密の皮膚科学」
第522号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆
みなさん、こんにちは。
シニアフェローの牛田専一郎です。
非接触生活をやってみよう、と思う一方で
"化粧品は肌を守るもの。
シミ・シワを防ぐもの。"
という意識が根強くあり、
葛藤している方が多いようです。
本当に使わずに過ごして大丈夫なのだろうかという
不安の声も届いています。
今回は基本に立ち返って、白木さんと一緒に、
『化粧品』について考えてみたいと思います。
健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと
「秘密の皮膚科学」
第522号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆
みなさん、こんにちは。
シニアフェローの牛田専一郎です。
非接触生活をやってみよう、と思う一方で
"化粧品は肌を守るもの。
シミ・シワを防ぐもの。"
という意識が根強くあり、
葛藤している方が多いようです。
本当に使わずに過ごして大丈夫なのだろうかという
不安の声も届いています。
今回は基本に立ち返って、白木さんと一緒に、
『化粧品』について考えてみたいと思います。
☆------------------------------------------------------------☆
── 基本のおさらい ──
『化粧品』の秘密
☆------------------------------------------------------------☆
▼そもそも【化粧品】とは?
白木さん、化粧品とはどういうものだったか、覚えていますか?
「確か"効果があってはいけないもの"でしたね」
そのとおり。
『薬機法』では、こんなふうに定義されています。
*━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━*
◯医薬品:
治療や予防に使用することを目的としたもので
身体の構造または機能に影響を及ぼすことが
目的とされているもの。
◯医薬部外品:
人体に対する作用が緩和で、効能・効果が期待できるもの。
◯化粧品
人の身体を清潔にし、美化し、容貌を変え
皮膚・毛髪を健やかに保つことを目的としたもの。
効能・効果を表現できない。
*━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━*
(※薬事法が改正され、2014年11月25日から
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、
略称「薬機法」となりました)
▼化粧品は肌にしみこむ?
医薬品や化粧品を管轄する厚生労働省は、
『化粧品は、安全性の面から、効能・効果があってはいけない』
という立場を取っています。
つまり化粧品は、肌につけることで
潤いやハリがあるように"見せる"ものであり、
肌への実際の作用は期待できないものなのです。
「でも、一般の消費者の多くは、
化粧品が実際に肌にしみこんで
作用するかのような印象を持っていますよね」
ええ。
消費者に効果があると思わせないよう、
化粧品広告の表現範囲は厳しく制限されているのですが、
それをかいくぐって、巧みな広告がつくられているのです。
もし、化粧品が肌にしみこんで効果を発揮するとしたら、
それは生化学に影響を与えている"薬"であり、
副作用のリスクが発生していることになってしまいます。
一般的な化粧品の開発では、実際の効果よりも、
"いかに使用感を高め、効いている感じを演出するか"に
重点が置かれているのが現実です。
▼化粧品の成分『界面活性剤』について
化粧品によく使われる成分に『界面活性剤』があります。
界面活性剤は、シャンプー・洗顔料、乳液・クリーム、
ファンデーションやメイク用品だけでなく、
洗濯洗剤・住居用洗剤にも含まれています。
界面活性剤には「浸透作用」「乳化作用」「分散作用」があり、
たくさんある界面活性剤の種類の中から、
用途によって、最適なものが使用されています。
「界面活性剤にもいろいろな種類があるんですね。
シャンプーや洗顔料と、乳液やクリームでは、
違うものが使用されているのでしょうか?」
そうです。
たとえば、洗浄を目的とするものは、
洗浄力の高い陰イオン界面活性剤。
乳液・クリーム等は、つけている時間が長いので、
比較的刺激が少ないとされる、非イオン界面活性剤が
主に乳化目的で使用されています。
▼見た目はしっとりするけれど......
化粧品や洗浄剤をつくる立場から見れば
便利な界面活性剤ですが、使用する側にはリスクがあります。
界面活性剤には、接触した皮膚のタンパク質を破壊する
『タンパク変性作用』があるのです。
刺激が少ないとされる界面活性剤にも、
このはたらきがあります。
「タンパク変性作用のある化粧品を肌につけていると、
どうなるのでしょうか?」
化粧水や乳液をつけると肌がしっとりした感じになりますが、
潤って見えるのは、肌の上に乗っている湿潤剤です。
化粧水や乳液の下にある素肌は、
タンパク変性作用によって変性されてしまい、
乾燥感を感じるようになっていきます。
もともと、肌には自ら潤う機能が備わっているのですが、
化粧品を使うことでそれが妨げられ、カサついてしまうのです。
肌の弱い方は、赤みが出たり、ニキビができたりすることもあります。
「肌をしっとりさせたくて化粧品をつけているのに、
実際には、肌をカサカサさせているのですね」
ええ。
そのため、多くの方が
肌がカサつくので化粧品をつける→もっとカサつく→もっとつける......
という悪循環に陥ってしまうのです。
良いといわれる化粧品をいくらつけても
肌の状態が改善しない方は、
化粧品の影響を受けている可能性があります。
▼肌の強さは人それぞれ
「でも、基礎化粧品やメイク用品を毎日たっぷり使っていても
肌がきれいな人っていますよね?」
そうですね。
肌の強さには、個人差があるのです。
どのような化粧品を使っても
きれいな肌を維持できるのは"肌の強い人"。
化粧品をエンターテイメントとして楽しめる人、とも言えます。
一方、どのような化粧品を使っても
肌が傷んでしまうのは"肌の弱い人"です。
非接触生活にたどり着く方の多くは、
こちらに当てはまるのではないでしょうか。
いまは化粧品をはじめとする接触物の影響を受けて肌が傷んでいても、
非接触生活を実践することで、
肌の健康を取り戻すことができます。
肌について正しく知ることは、その第一歩。
次回は、皮膚のはたらきについて、おさらいしましょう。
☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞこちらへ。
→→ http://jstcd.or.jp/contact/
── 基本のおさらい ──
『化粧品』の秘密
☆------------------------------------------------------------☆
▼そもそも【化粧品】とは?
白木さん、化粧品とはどういうものだったか、覚えていますか?
「確か"効果があってはいけないもの"でしたね」
そのとおり。
『薬機法』では、こんなふうに定義されています。
*━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━*
◯医薬品:
治療や予防に使用することを目的としたもので
身体の構造または機能に影響を及ぼすことが
目的とされているもの。
◯医薬部外品:
人体に対する作用が緩和で、効能・効果が期待できるもの。
◯化粧品
人の身体を清潔にし、美化し、容貌を変え
皮膚・毛髪を健やかに保つことを目的としたもの。
効能・効果を表現できない。
*━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━*
(※薬事法が改正され、2014年11月25日から
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、
略称「薬機法」となりました)
▼化粧品は肌にしみこむ?
医薬品や化粧品を管轄する厚生労働省は、
『化粧品は、安全性の面から、効能・効果があってはいけない』
という立場を取っています。
つまり化粧品は、肌につけることで
潤いやハリがあるように"見せる"ものであり、
肌への実際の作用は期待できないものなのです。
「でも、一般の消費者の多くは、
化粧品が実際に肌にしみこんで
作用するかのような印象を持っていますよね」
ええ。
消費者に効果があると思わせないよう、
化粧品広告の表現範囲は厳しく制限されているのですが、
それをかいくぐって、巧みな広告がつくられているのです。
もし、化粧品が肌にしみこんで効果を発揮するとしたら、
それは生化学に影響を与えている"薬"であり、
副作用のリスクが発生していることになってしまいます。
一般的な化粧品の開発では、実際の効果よりも、
"いかに使用感を高め、効いている感じを演出するか"に
重点が置かれているのが現実です。
▼化粧品の成分『界面活性剤』について
化粧品によく使われる成分に『界面活性剤』があります。
界面活性剤は、シャンプー・洗顔料、乳液・クリーム、
ファンデーションやメイク用品だけでなく、
洗濯洗剤・住居用洗剤にも含まれています。
界面活性剤には「浸透作用」「乳化作用」「分散作用」があり、
たくさんある界面活性剤の種類の中から、
用途によって、最適なものが使用されています。
「界面活性剤にもいろいろな種類があるんですね。
シャンプーや洗顔料と、乳液やクリームでは、
違うものが使用されているのでしょうか?」
そうです。
たとえば、洗浄を目的とするものは、
洗浄力の高い陰イオン界面活性剤。
乳液・クリーム等は、つけている時間が長いので、
比較的刺激が少ないとされる、非イオン界面活性剤が
主に乳化目的で使用されています。
▼見た目はしっとりするけれど......
化粧品や洗浄剤をつくる立場から見れば
便利な界面活性剤ですが、使用する側にはリスクがあります。
界面活性剤には、接触した皮膚のタンパク質を破壊する
『タンパク変性作用』があるのです。
刺激が少ないとされる界面活性剤にも、
このはたらきがあります。
「タンパク変性作用のある化粧品を肌につけていると、
どうなるのでしょうか?」
化粧水や乳液をつけると肌がしっとりした感じになりますが、
潤って見えるのは、肌の上に乗っている湿潤剤です。
化粧水や乳液の下にある素肌は、
タンパク変性作用によって変性されてしまい、
乾燥感を感じるようになっていきます。
もともと、肌には自ら潤う機能が備わっているのですが、
化粧品を使うことでそれが妨げられ、カサついてしまうのです。
肌の弱い方は、赤みが出たり、ニキビができたりすることもあります。
「肌をしっとりさせたくて化粧品をつけているのに、
実際には、肌をカサカサさせているのですね」
ええ。
そのため、多くの方が
肌がカサつくので化粧品をつける→もっとカサつく→もっとつける......
という悪循環に陥ってしまうのです。
良いといわれる化粧品をいくらつけても
肌の状態が改善しない方は、
化粧品の影響を受けている可能性があります。
▼肌の強さは人それぞれ
「でも、基礎化粧品やメイク用品を毎日たっぷり使っていても
肌がきれいな人っていますよね?」
そうですね。
肌の強さには、個人差があるのです。
どのような化粧品を使っても
きれいな肌を維持できるのは"肌の強い人"。
化粧品をエンターテイメントとして楽しめる人、とも言えます。
一方、どのような化粧品を使っても
肌が傷んでしまうのは"肌の弱い人"です。
非接触生活にたどり着く方の多くは、
こちらに当てはまるのではないでしょうか。
いまは化粧品をはじめとする接触物の影響を受けて肌が傷んでいても、
非接触生活を実践することで、
肌の健康を取り戻すことができます。
肌について正しく知ることは、その第一歩。
次回は、皮膚のはたらきについて、おさらいしましょう。
☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞこちらへ。
→→ http://jstcd.or.jp/contact/
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