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2025年04月08日配信

手遅れ?『接触してしまったら』の秘密 | 第842号

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2025/04/08━☆
    健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

           「秘密の皮膚科学」

    第842号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 ふだん接触に気をつけていても、
 ふと刺激物に触れてしまうことはあります。


 「私もこの前、急な雨でコートのフードを
  かぶって帰ったんです。そしたらフードが
  触れた頬がピリピリしてしまって」


 そうでしたか、白木さん。
 では、そんな時どうしたらいいかお話しましょう。 

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            手遅れ?

        『接触してしまったら』の秘密

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 ▼ふとした瞬間の接触は?


 クリーニングに出した衣類には柔軟剤が
 使われていますので、強い接触に
 なってしまいます。


 「受けてしまったダメージを
  最小限にすることはできないですか?」


 そうですね......。
 接触した時点で皮膚はタンパク変性を
 起こしているのですが。

 接触の強さと状況によっては
 洗い流したほうが「まし」な場合があります。


 ◇事後対策その1 洗い流す

 何かに接触して、かゆみやピリピリした感じが
 あるときは水のみで洗顔しましょう。

 洗顔できる状況でない場合は、
 指定のペーパータオルを濡らして
 その部分をやさしく拭いましょう。


 ◇事後対策その2 冷やす

 白木さんのように強い接触で
 ヒリヒリ感が強かったり赤みが出た場合は、
 炎症が起きています。

 氷で肌を冷やすと痛覚が麻痺して
 ヒリヒリ感が落ち着きます。


 「なるほど。出かける間際や外出先では
  何もできないことも多いですが、
  できれば洗い流したほうがいいんですね」


 そうですね。
 刺激を受け続けてしまいますから。






 ▼化粧品を使ったときは?


 「クリームタイプの化粧品などをつけて
  しまった場合はどうでしょうか」


 直接接触の場合ですね。

 大前提としてクリームや乳液の基礎化粧品は
 基本的には使わないほうが良いものです。
 つけないようにしましょう。

 クリームタイプのアイシャドウなど、
 メイク用品を使った場合は他に広がらないよう、
 指定のペーパータオルや手ぬぐいで
 やさしくぬぐうように拭き取りましょう。

 部分的にでもクレンジングを使うと
 洗顔時に顔全体に広がってしまいます。


 「測定ではクリームタイプのアイシャドウで
  目の下の紅斑値が上がってしまう
  事例もありましたね」


 ええ。
 目の周りのくすみやシワが気になる方は、
 どうしても必要なときだけ使い、
 ふだんはつけないようにしてくださいね。


 「ときどきお問合せがありますが、
  軟膏タイプの塗り薬をつけたときは
  石けんで洗顔したほうがいいですか」


 石けんで洗うと肌を傷めてしまうのですが......。
 皮膚科で医師の指導を受けている場合は
 指示に従ってくださいね。





 ▼補足、追加いたします


 これまでは接触したら『手遅れ』とだけ
 伝えていました。


 「何だかここだけ尻切れトンボな感じで、
  時々ご質問もいただきましたよね」


 はい、皮膚は接触した時点ですでに
 タンパク変性を起こしてしまっていますので。

 補足する意味で言葉を付け加えます。

 皮膚上に残留物がある場合は、広がらないように
 拭き取り、洗い流しましょう。

 強い刺激が残る場合は氷や冷水で冷やしましょう。

 状況に応じた対処法も追加いたしますので、
 お気軽にご相談くださいね。




 ☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞ
   https://jstcd.or.jp/contact/


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