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2026年01月20日配信

どんな生活?『非侵襲生活』の秘密 ~その3~ | 第876号

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2026/01/20━☆
    健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

           「秘密の皮膚科学」

    第876号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 今回は肌タイプには出てこなかった、
 色素沈着やシミの発症機序についてお話します。


 「シミや色素沈着ができるというのも
  侵襲を受けやすい肌体質、なんですよね」


 その通りです、白木さん。

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            どんな生活?

       『非侵襲生活』の秘密 ~その3~

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 ▼くすみとは


 外部刺激や紫外線などの侵襲があると、
 基底層のメラノサイトがメラニン色素を
 増やして、表皮細胞に放出します。

 まずは基底層(基底細胞層)の場所を
 確認しておきましょうか↓
  https://hisesshoku-derm.com/archives/2006/01/post-6.php


 「ちょうど表皮と真皮を隔てる
  ところにあるんですね」


 はい。

 メラニン色素を増やして色を黒くすることで、
 皮膚は侵襲から体内を守るのです。
 侵襲が無くなれば表皮細胞の新陳代謝(剥離)で
 元の肌色に戻ります。

 夏に日焼けしても冬になると元に戻る
 経験をした方も多いでしょう。

 生体の内部環境の恒常性を
 維持しようとする反応です。





 ▼色素沈着は


 「でも、薄くならずにそのまま色素沈着して
  しまうことがあります」


 そうですね、白木さん。

 表皮細胞の基底層の上と下では
 新陳代謝の方向が逆になっています。

 先程の図の基底層から上は表皮細胞。
 表皮細胞は「下から上に向かって」
 新陳代謝(剥離)が繰り返されています。

 一方、基底層から下は体内に向かっています。
 「上から下に向かって」分解、吸収、代謝が、
 リンパ液や血液によって行われています。


 通常は上に代謝されるメラニンですが。

 炎症や火傷、傷などにより組織細胞が
 破壊されてしまうとメラニン色素が
 下に放出されることがあるようです。

 正常な機能が妨げられてしまっている状態ですね。


 「たしか基底層から下は代謝が遅いんでしたよね」


 ええ。

 侵襲が続いていると組織の修復が進みません。
 それで、修復が行われるまで皮下を守るために
 メラニン色素を放出するのです。

 基底層部分の組織が修復されずに、基底層の下に
 色素が放出されてしまうと沈着してしまうという
 ことが起こります。





 ▼恒常性を維持する?


 「色素沈着は侵襲を受けて基底層部分の
  恒常性が維持できなくて起きるんですね」


 その可能性が高いですね、白木さん。

 くすみは(メラニンの放出量を増やすのは)
 生体の内部環境の恒常性を維持しようとする反応。

 色素沈着は基底層部分の恒常性が破られて
 起きているということになりますね。

 炎症、傷や火傷の組織修復が済むまでの間、
 メラニン色素を集めて守っているのです。


 「結局侵襲を受けやすい肌体質というのは
  どういうことなんでしょうか」


 気になりますね。
 でも、長くなりますので続きは来週に。




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