メールマガジン「秘密の皮膚科学」
2017年02月21日配信
第543号 使うべき?『石けん・ハンドソープ』の秘密
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2017/02/21━☆
健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと
「秘密の皮膚科学」
第543号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆
みなさん、こんにちは。
シニアフェローの牛田専一郎です。
陽気は少しずつ春めいてきましたが、
まだ風邪やインフルエンザが流行しているようですね。
白木さんは体調いかがですか?
「元気です!
今シーズンは手洗いとうがいをバッチリしてますから。
でも、手がカサカサで、あかぎれができちゃったんです(涙)」
「秘密の皮膚科学」
第543号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
みなさん、こんにちは。
シニアフェローの牛田専一郎です。
陽気は少しずつ春めいてきましたが、
まだ風邪やインフルエンザが流行しているようですね。
白木さんは体調いかがですか?
「元気です!
今シーズンは手洗いとうがいをバッチリしてますから。
でも、手がカサカサで、あかぎれができちゃったんです(涙)」
☆------------------------------------------------------------☆
── 使うべき? ──
『石けん・ハンドソープ』の秘密
☆-----------------------------
▼白木さんの手にあかぎれ?
さては白木さん。
石けんやハンドソープを使っていませんか?
「ドキッ。
この冬は周りの友人が次々インフルエンザにかかったので、
何か対策をと思って、つい......」
石けんやハンドソープなどの洗浄剤は界面活性剤であり、
肌に刺激を与える一次刺激性物質です。
殺菌成分が配合されている製品も多く、
肌の弱い方が使用すると、手が荒れやすくなります。
また、石けんやハンドソープで洗ったあとの手には
遊離脂肪酸や抗菌剤が残留しています。
これらも一次刺激性物質であるため、
付着したままの手で肌に触れると、触れた部分に
ニキビ・カサつき・かゆみなどの症状が現れることがあるのです。
◎洗浄剤は、肌を傷める一次刺激性物質である
◎洗ったあとの手にも一次刺激性物質が残留する
以上の理由から、非接触生活では
水またはお湯で手を洗うことをおすすめしています。
▼菌のはたらきにも目を向けて
「でも、風邪やインフルエンザが流行する時期は
水やお湯だけでは頼りない気がして......」
私たちの肌には1兆個ともわれる皮膚常在菌がすんでいて、
肌を弱酸性に保っています。
悪性菌が好むのは、アルカリ性。
皮膚常在菌が正常に機能していれば
悪性菌が繁殖することはないのです。
また、手についた雑菌やウイルスは
付着しているだけの"通過菌"であり、
そこで増殖することはありません。
水やお湯で洗い流すことができますから、
外出先から戻ったら、時間をかけて丁寧に手を洗いましょう。
「石けんやハンドソープを使えば、
もっと確実にウイルスを洗い流すことができるのでは?」
洗浄剤は、悪性の菌と一緒に
皮膚常在菌も殺菌してしまいます。
もともと備わっていたバリア機能を
わざわざ壊すことになるのです。
皮膚常在菌が活動しやすい環境をつくるためにも、
手は水かお湯で洗いましょう。
非接触生活の手洗いについてお話しています↓
☆第537号 いつ洗う?『非接触式手洗い』の秘密
http://hisesshoku-derm.com/
▼調理・トイレ・油汚れ......こんなときどうする?
「たとえば、調理をするときも水かお湯で良いのでしょうか?」
さきほどお話したとおり
皮膚常在菌がバリアの役割をしていますから、
手で雑菌が繁殖することはありません。
調理の前も後も、水またはお湯で大丈夫です。
「お手洗いのあとは、さすがに......?」
いいえ、用を足したあとや、オムツ替えのあとも
水またはお湯だけで大丈夫ですよ。
丁寧によく洗いましょう。
「油汚れなど、水やお湯だけでは落ちない汚れもありますよね」
そうですね。
手荒れをしやすい方は、
水やお湯では落ちない汚れがつかないように
ゴム手袋をして作業をするとよいですね。
ゴムで手が荒れてしまう方は、
まず綿手袋(指定洗剤で洗濯したもの)をして、
その上からゴム手袋をはめるとよいでしょう。
▼おわりに ~ 洗浄剤を使った時は ~
「やむを得ず、石けんやハンドソープを
使ってしまった時は、どうしましょう」
手に残留している一次刺激性物資を落としましょう。
☆ペーパータオルを使った手の洗い方(2番目の動画です)
http://jstcd.or.jp/dataroom/2014_06_20140612/
なお、使用済のペーパータオルや手ぬぐいには
一次刺激性物質が付着しています。
一度使用したら、手ぬぐいは洗濯を。
ペーパータオルは再利用せずに捨てましょう。
白木さん、残念ながら手荒れは防げませんが、
間接接触だけは防ぎましょうね。
☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞこちらへ。
→→http://jstcd.or.jp/contact/
関連性の高い記事
【次のエントリー】
→第544号 バリア力?『花粉症シーズンの肌荒れ』の秘密
【前のエントリー】
→第542号 体調? 接触?『唇のカサつき』の秘密