メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2008年05月13日配信

第146号 看護師さんがつづる、職場の出来事『医療の現場』の秘密

 みなさん、こんにちは。
 コスメプロデューサーの牛田専一郎です。



 「牛田さん。牛田さぁぁぁーーーーん」



 遠くで白木さんの声が聞こえます。
 あれ? もしかして、さっきからずっと呼んでいましたか?



 「そうですよ! いったん研究モードに入ってしまうと
  耳にフタができちゃうんですよね。慣れてきたけど......」



 それは失礼。で、ご用件は何ですか?



 「読者さんからメールが届いているんですよ。
  なんと......現役の看護師さんからです!」


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     ―― 看護師さんがつづる、職場の出来事 ――

          『医療の現場』の秘密

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 ▼最近増えているんです。



 このごろ、"看護師をしています"という方から
 ご連絡をいただくことが増えてきました。

 感想やご質問のメールを送ってくださったり、
 なかには、モニターに応募してくださる方も。


 今回ご紹介するのは、
 "職場での出来事"がつづられたメールです。


 ┌――┐
 |\/|【アトピーには石けん?】
 └――――――――――――――――――――――――――――――
 |
 | こんばんは。今日職場でアトピーの話題になりました。
 | 
 | 子どものアトピーで悩んでいるという同僚に
 | 「何もつけない」のが1番いいよ、と言うと......
 | 
 | 「大学病院他、いろんな皮膚科に行ったけど
 |  どこでも石けんで洗ってしっかり保湿するように言われたよ。
 |  湿疹は石けんで洗って保湿するのがいいよ。
 |  汗もかくし、やっぱり石けんじゃなきゃだめなんだよ」
 | 
 | と怒涛のような反論にあってしまったのです。
 | 私もそれ以上語ることは止めました。
 | 
 | 他にもアトピーの子をもつ同僚がいるのですが、
 | その人も石けんを使ったほうがいいと言うのです。
 | 
 └――――――――――――――――――――――――――――――


 「この状況、とっても分かります!
  私、友人とお肌の話になると
  ついつい"何もつけない"の話を熱弁してしまうんです。
  でも、驚かれたり、すごい反論にあってしまうことも多くて......」


  なかなか、スンナリと納得してもらうのは難しいでしょうね。


 「"アトピー肌には石けんを"というお話、
  結構いろいろなところで耳にしますけれども、
  真相はどうなんですか?」


 確かによく聞きますが、
 かえってそのために状態を悪化させてしまっている事例が
 モニターの中にも見られます。

 読者のみなさんはご存知の通り、
 お肌の弱い人、過敏な人にとっては
 石けんも石けん洗濯もお肌を傷める要因になります。


 モニターさんのなかでも、アトピー肌の方には
 石けんを身体に使うことも、石けんで洗濯することも
 止めるようにお願いしているんですよ。




 ▼このメールには続きがあります。



 ┌――┐
 |\/|【お肌が丈夫な人は化粧品で美肌効果が上がる?】
 └――――――――――――――――――――――――――――――
 |
 | その同僚は、さらにこう続けました。
 |  
 | 「今まで、ファンデを塗ると粉が吹いていたんだけど、
 |  美容院で勧められた化粧品を使ってみたら
 |  しっとりしてとても肌の調子がいいの。
 |  しみやしわも薄くなったし、ファンデも粉を吹かなくなったよ」
 |  
 | この言葉で、何人かの同僚が
 | その化粧品を買ってきてもらうように頼んでいました。
 |  
 | この同僚にもアトピーがあるのですが、
 | 界面活性剤に触れても何ともない人は
 | 化粧品で美肌効果が上がるのでしょうか?
 | 
 | 職場の床ずれの処置にはイソジンが使われています。
 | それも密かに止めればいいのにと思いながらも
 | 皮膚科医の指示なので続けていますが・・・・
 | 
 | やはり違う考え方もあり、違う方法で治癒してる人もいるので
 | 「何もつけない」は場合により
 | その人に合わないことがあるのでしょうか?
 |  
 | 「何もつけない」は、
 | 職場では受け入れられなかったようで残念です。
 | 
 └――――――――――――――――――――――――――――――


 「なるほど......。
  こちらの看護師さんの疑問、私も同感です。
  お肌が強い人は界面活性剤の影響を受けないんですか?」


 界面活性剤は、タンパク質に結合して
 タンパク変性を引き起こすものです。
 これは、お肌が強い人にも、弱い人にも起きている現象です。


 「しかし、現実に
  化粧品で美肌効果を得ている人がいることは確かですよね。
  これはどういうことなんでしょうか?」




 ▼お肌が強い人が美肌効果を得られる理由

 バックナンバーでもお話しているとおり、
 ワインや緑茶の渋味が、舌にずっと残る人はいませんよね?

 それは、タンパク質が
 ミリ秒単位で分解と修復を行なっているからです。
 舌の表面のタンパク質は、数時間で入れ替わっているそうです。


  ☆お茶に渋味を感じる理由『タンパク変性』の秘密
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2008/04/141.php


 界面活性剤の影響を受けにくいのは、
 タンパク質の分解・修復の平衡が保たれている人なのです。

  ・お肌が強い人=界面活性剤によるダメージが
          目に見える状態で残らない人
  ・お肌が弱い人(過敏な人)=残ってしまう人

 ということになります。


 化粧品の効果とは、
 顔・お肌・髪をきれいに「見せる」ことです。

 強い肌の人は、化粧品が持つ
 "きれいに見せる効果"を得ることができる、ということです。




 ▼"何もつけない"に合う・合わないがある?



 「看護師さんのメールに出てきた、
  "場合によって合わないこともあるのでしょうか?"
  って一文が気になりますね......」


 皮膚は、皮膚常在菌と皮脂膜で完結した組織です。
 何かをつけたり、殺菌や洗剤で洗浄するようには
 元々できていません。

 つまり、人間の肌にとって、何かをつけることは"負担"。
 皮膚生理の妨げになっているのです。

 だから、"何もつけない"には、向き不向きも、
 合う合わないもありません。

 しかし。
 お肌が強ければ、化粧品を使っていても
 肌がきれいになる場合があるのと同じように、
 アプローチが正しくなくてもお肌が治癒する場合があります。

 以前にバックナンバーで"湿潤療法"を取り上げましたが、
 一般の人にも知られるようになった現在でも、
 未だに取り入れていない病院医院があります。


  ☆湿潤療法についてはこちらをご参考に。
   『傷が治るしくみ』の秘密
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2006/03/67.php




 ▼皮膚はたくましい?



 「アプローチが間違っていても治癒する場合があるなんて!
  皮膚は強い修復力を持っているんですね?」


 弱いもの、守らなければならないもの。
 と考えられがちな皮膚ですが、
 その修復力には想像を絶するものがあります。

 しかし。
 医療行為でも、化粧品でも、誤ったアプローチをすることで、
 被害を受けている人がいることは事実なのです。

 牛田は、一人でも多くの被害を受けている人々に
 健康な素肌を取り戻してもらいたいと考えています。

 当メルマガ『秘密の化粧品』では、
 "健康な素肌を取り戻すことができるのか否か"を基準に
 そのアプローチが正しいのか、正しくないのかを判断し
 みなさんにお伝えしていきます。




 ▼医療の現場からの声、お待ちしています。


 冒頭でお話したように、ここのところ
 医療の現場にいらっしゃる方からのメールが増えています。

 なかには、

 「友人に、皮膚科に行ってはいけないと言っています」

 というメールをくださった看護師さんも。

 牛田も白木さんも、深く考える機会をたくさんいただいています。
 声をお寄せくださったみなさん、ありがとうございます。


 化粧品を使う立場の方、病院に通院している方、
 そして、医療の現場にいらっしゃる方。


 これからも、メールをお待ちしております。
 こちらまで、どうぞお気軽に!
  http://hisesshoku-derm.com/archives/01about/info.php



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