メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2009年01月13日配信

第179号 8つの習慣? 『何もつけない・徹底復習』(2)の秘密

 みなさん、こんにちは。
 コスメプロデューサーの牛田専一郎です。


 2009年、最初の特集は『何もつけない・徹底復習』。

 前回は"お肌の悩み"の原因となっている
 生活習慣をチェックしましたね。

  ☆12の質問でわかる! ~あなたのお肌が傷むワケ~
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2009/01/178.php


 【原因】の次は【対策】をおさらいしましょう。

 今回は「傷んだお肌を健康にする8つの方法」をご紹介します。



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           ―― 8つの習慣? ――

       『何もつけない・徹底復習』(2)の秘密

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 ▼2,000以上のデータが語る"真実"


 測定モニター、読者モニターの方々のご協力によって、
 だんだんとデータが積み上がりつつあります。

 2,000例を超えるデータの蓄積から見えてくるもの――
 それは、【何もつけない】が実践できる人とできない人とでは、
 お肌の変化に大きな差が出ている、ということです。


 【何もつけない】を始めたらお肌の調子が良くなった!
 という声が増える一方で、
 どうしても実行できない。続けられない......という方が
 まだまだ多いようです。


 なぜ【何もつけない】を実行できないのか?

 実際に寄せられた読者さんの声をご紹介しながら、
 その理由と対処法を考えてみましょう。




 ▼なぜ? 「何もつけない」ができない理由


 【読者の声・その1】 ~乳液、美容液、クリームをやめられません~

 ┌――――――――――――――――――――――――――――――
 | 
 | ◆乳液、美容液、クリームなどを使わないと、
 |  口の周りなどが乾燥して粉を吹いてしまいます
 |
 | ◆乾燥が激しくなると、皮がめくれ、痛みも出てくるので、
 |  どうしても化粧水が必要になります
 |
 └――――――――――――――――――――――――――――――

 前回おさらいした通り、
 界面活性剤が使われている美容液やクリームなどを使用すると、
 皮膚にタンパク変性を起こし、カサつきの原因となります。

 健康な皮膚にはバリア機能が備わっています。
 お肌を傷めるものと接触をしなければ、
 お肌は自然な潤いを取り戻します。

 "お肌をしっとりさせるもの"と接触しているから
 お肌がカサつく。

 接触をやめれば、お肌のカサつきは治まるはずです。


 ┌――――――――――――――――――――――――――――――
 | 
 | ◆お肌を乾燥させると、皮膚炎が悪化してしまいます
 |
 └――――――――――――――――――――――――――――――

 石けんでの洗いすぎや、化粧品の使用をやめたら皮膚炎が改善した、
 という報告がモニターの方々から届いています。

 "お肌を傷めるものとの接触"が
 皮膚炎を引き起こしている事例もあるようです。

 お肌がカサつくときは、
 しっとりするものを大量につけるのは避けましょう。

 お肌がカサつく箇所にだけ、
 ワセリンを薄くつけるようにしてください。

 ただし夜のおやすみ前は何もつけずに、
 お肌の自然な皮脂分泌を妨げないようにしましょう。

 ※ワセリンは添加物のない「白色ワセリン」を選んでくださいね。

  ☆第60号 キケンなの!? 『ワセリン』の秘密
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2006/01/60.php




 【読者の声・その2】 ~日焼け止めをやめられません~

 ┌――――――――――――――――――――――――――――――
 | 
 | ◆ファンデーションだけでは不安なので、
 |  日焼け止めをつけています
 |
 └――――――――――――――――――――――――――――――

 日常生活レベルの紫外線でしたら
 日焼け止めをつける必要はありません。
 
 お肌を傷めなければシミはできません。
 海外も含め、紫外線の強い地域の読者も
 日焼け止めを使用せずに過ごしている、という
 ご報告をくださっています。

  ☆第13号 ほんとに悪者? 『シミ』の秘密
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2005/01/13.php


 ┌――――――――――――――――――――――――――――――
 | 
 | ◆ファンデーションのかわりに、日焼け止めをつけています
 |
 └――――――――――――――――――――――――――――――

 日焼け止めは、汗をかいても落ちないようにつくられています。
 そのため、洗顔の際は洗浄力の強いクレンジング剤が必要になります。

 さらに、日焼け止めは
 界面活性剤や紫外線吸収剤を含んでいる場合があり、
 毎日、長時間使用するとお肌が傷んでしまう可能性があります。

 ファンデーションにも、日焼け止めと同じ
 「酸化チタン」「酸化亜鉛」が含まれています。

 日焼け止めよりも配合量が少ないため、
 日焼け止め効果は低くなりますが、
 日常生活レベルの紫外線であれば、
 ファンデーションで充分に跳ね返すことができます。

 (補足訂正)
 日常生活レベルの紫外線では、何かをつける必要はありません。
 全成分に問題のないファンデーションでも、お肌につけておくことは負担となります。 (2012.7.18)

 
 帽子や日傘を利用したり、
 しっかりした生地の服を着ることでも紫外線対策ができますので、
 お肌の調子がよくないときは工夫してみましょう。

  ☆第78号 『もっと詳しく! 紫外線』の秘密(1)(2)
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2006/06/78.php
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2006/06/79.php




 【読者の声・その3】 ~リキッドファンデーションや
                  化粧下地をやめられません~

 ┌――――――――――――――――――――――――――――――
 | 
 | ◆パウダーファンデーションを使っているのですが、
 |  下地なしだとやはり毛穴が目立つし、
 |  カバー力が無いので、いろいろつけたくなる衝動にかられます
 |
 └――――――――――――――――――――――――――――――
 
 石けんや界面活性剤の入った化粧品など、
 お肌を傷めるものに触れなければ、
 毛穴の開きはだんだんと治まっていきます。

 下地をつけると、洗浄力の強い洗顔料が必要となり
 さらに毛穴の黒ずみなどの原因となってしまうのです。

 なかなかお肌の調子がよくならないときは、
 ご使用のファンデーションの全成分を確認してみましょう。
 また洗浄力の強い洗顔料やダブル洗顔にも注意しましょう。

 毛穴を隠したい気持ちはわかりますが、
 お肌が傷んでいるときこそ
 何もつけずに皮膚に負担をかけないようにしてくださいね。




 【読者の声・その4】 ~クレンジングがやめられません~

 ┌――――――――――――――――――――――――――――――
 | 
 | ◆ウィークデーはしっかりメイクをしています。
 |  石けんでは完全に落としきれないので、
 |  毎日オイルクレンジングが欠かせません。
 |
 └――――――――――――――――――――――――――――――

 クレンジング剤は洗浄力が強いため、皮膚を傷めてしまいます。
 カサつきや赤み、ニキビ等の原因になります。

 お肌の調子が悪いときは、
 お湯のみで落とせる程度のメイクを心がけてください。

 どうしてもクレンジングが必要な場合は、部分的に使い、
 他の部分につかないようにしましょう。

 (補足訂正)
 部分的なクレンジングも他の部分に広がらないように使うことが難しく、
 トラブルを起こしてしまっている事例が多くあります。
 ポイントメイクも日常的にはお湯のみで落とせる程度にしましょう。(2012.7.24)


 また、しっかりメイクをする日が続いたら、
 メイクをせずにお肌を休ませる日を作りましょう。




 【読者の声・その5】 ~ボディソープや石けんがやめられません~

 ┌――――――――――――――――――――――――――――――
 | 
 | ◆顔と同じように、身体も石けんなしで洗ってみたいのですが
 |  汗のにおいが残っているのではないかと不安です......
 |
 └――――――――――――――――――――――――――――――

 お風呂でゆっくり温まったあとに、
 手ぬぐいなどで身体をやさしくぬぐうようにしてみましょう。
 
 界面活性剤に触れなければ、
 皮膚常在菌がにおいの元となる雑菌の増殖を防いでくれます。

 お湯洗いのほうがにおいがしませんので
 ご安心くださいませ。

  ☆第27号 『菌』の秘密 ~お肌編~
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2005/04/27.php




 【読者の声・その6】 ~シャンプー・リンスがやめられません~

 ┌――――――――――――――――――――――――――――――
 | 
 | ◆どうしてもベタつきが取れず、シャンプーをしています
 | 
 | ◆湯シャンに切り替えてから、痒みがぱったりと
 |  止まったのですが、やはり頭皮のにおいが気になります
 |
 └――――――――――――――――――――――――――――――

 日常生活で分泌された皮脂は、お湯で充分に落とすことができます。
 洗剤を使わなくても、健康上・衛生上の問題はありません。
 
 最初はベタつきが気になるかもしれませんが、
 だんだんとベタつきは治まっていきます。
 (個人差はありますが、1ヶ月~1年が目安です)
 
 また、お湯で毎日洗えば、
 頭皮の常在菌がにおいの元となる雑菌の増殖を防いでくれるため、
 においもしなくなります。

 どうしてもべたべたするときは、小麦粉シャンプーを使いましょう。


  ☆小麦粉シャンプーの作り方
   http://jstcd.or.jp/dataroom/flourshampoo/

  ☆湯シャン方法
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2007/03/post-14.php

  ☆長髪の湯シャン方法
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2008/12/176.php#yusyan




 【読者の声・その7】 ~石けんや柔軟剤がやめられません~

 ┌――――――――――――――――――――――――――――――
 | 
 | ◆使いかけの洗剤が残っているため、変えていません
 | 
 | ◆柔軟剤を入れずにお洗濯をすると、
 |  タオルがゴワゴワで硬い仕上がりになってしまいます
 |
 └――――――――――――――――――――――――――――――

 洗剤は柔軟剤、蛍光増白剤不使用の合成洗剤を使用しましょう。
 「リキッドトップ」がおすすめです。
 http://www.lion.co.jp/ja/seihin/brand/025/10.htm


 お肌が強く、影響を受けにくい方は
 柔軟剤などを使用しても問題ないかもしれません。

 ただし、お肌のトラブルがなかなか治まらないという方は、
 すぐに使用を見直したほうがよいでしょう。

 ちなみに、タオルがゴワゴワしているからといって、
 お肌がダメージを受けることはありません。


 ┌――――――――――――――――――――――――――――――
 | 
 | ◆環境汚染を考えると、液体石けんでの洗濯をやめられません
 |
 └――――――――――――――――――――――――――――――

 以前メルマガでもご紹介しましたが、
 石けんは環境配慮での優位性を謳えなくなっています。

 最近の合成界面活性剤(AE系など)は、
 従来の合成界面活性剤(LAS)より生分解性が優れており、
 界面活性剤の使用量もかなり少なくなっています。

  ☆第149号 どれを選ぶ?『洗濯洗剤』の秘密
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2008/06/149.php




 【読者の声・その8】 ~クリーニングがやめられません~

 ┌――――――――――――――――――――――――――――――
 | 
 | ◆なるべくクリーニングに出さないようにしたいのですが、
 |  なかなかそうもいかないのが現実です。
 |  おしゃれ着を手洗いできる洗剤はありますか?
 |
 └――――――――――――――――――――――――――――――

 残念ですが、現在のところ
 おすすめできる中性洗剤は見つかっておりません。

 お肌に触れるものは
 先ほどご紹介した「リキッドトップ」で洗い、
 クリーニングに出したセーターなどは直接お肌に触れないよう、
 何か下に一枚着るなどの工夫をしてみてください。

 布団や毛布など、寝具については
 カバーやタオルをかけるなどして、
 直接それらがお肌に触れないようにするとよいでしょう。

 フリース製のマフラーなら、
 リキッドトップで洗うことができます。

  ☆第177号 フリースならOK?『冬ならではの不調』の秘密
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2008/12/177.php#more





 ▼まとめ ~お肌が生まれ変わる8つの習慣~


 なぜ【何もつけない】ができないのか?
 どうすれば【何もつけない】ができるようになるのか?

 みなさん、お分かりいただけたでしょうか。


 お肌を傷めないためには、
 次の8項目を守ることが大切です。

 特に、お肌の弱い方や、長年お肌のトラブルに悩んでいる方は
 全項目を守ることが必須です。



       【健康な肌でいるための8つの習慣】
 

 現在8つの実践項目はリニューアルされています。
 8つの生活習慣はこちらからご確認ください↓
 http://hisesshoku-derm.com/contents/style/nanimo.php(2012.7.18)

 ┌――――――――――――――――――――――――――――――
 | 
 | (1)乳液、美容液、クリームなどしっとりするものを使わない
 | 
 | (2)日常生活では日焼け止めを使用しない
 | 
 | (3)ファンデーションは
 |    界面活性剤やシリコンが使われていない
 |    パウダータイプのものを、下地を使わずにお肌につける
 | 
 | (4)メイクをしたときは、部分的にクレンジングを使い、
 |    ファンデーションは洗浄力の弱い洗浄剤を使って落とす
 | 
 | (5)身体にボディソープや石けんを使わない
 | 
 | (6)シャンプー・リンスを使わずに、
 |    お湯洗髪や小麦粉シャンプーに挑戦する
 | 
 | (7)石けんや重曹などのアルカリ剤や、
 |    柔軟剤、蛍光増白剤が含まれている洗剤で洗濯をしない
 | 
 | (8)クリーニングに出した衣類は
 |    直接お肌に触れないようにする
 |
 └――――――――――――――――――――――――――――――


 今年こそはぜひ、【何もつけない】にチャレンジを。

 新しい年の始まりに、
 新しい習慣を身につけてみてはいかがでしょうか?





 ▼【何もつけない】復習シリーズ! 次号は......


 次回は「困ったときの対処法 ~よくある質問編~」を
 お届けいたします。

 お湯洗髪で苦戦しているという方、
 どうぞご期待くださいね。



 ★牛田への感想・コメントがありましたら、
  お気軽にどうぞこちらへ。
  http://hisesshoku-derm.com/archives/01about/info.php



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