メールマガジン「秘密の皮膚科学」

メールマガジン「秘密の皮膚科学」

2010年05月18日配信

第235号 いつも一定?『皮膚のバリア力』の秘密

 みなさん、こんにちは。
 コスメプロデューサーの牛田専一郎です。


 春先にひいた風邪が長引いている白木さん。

 「この春の気温の寒暖差が
  予想以上にこたえたみたいです......」


 すでに5月も中旬ですが、まだ
 朝晩はひんやりしていますよね。

 読者のみなさまの中にも、
 体調を崩された方がたくさんいらっしゃるようで。

 "お肌の調子が悪くなってしまいました"
 というご報告が増えています。

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            ── いつも一定? ──

            『皮膚のバリア力』の秘密

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 ▼こんなメールが届いています。


 送り主は、ASVCを使用している読者モニターの方です。

  ┌────────────────────────────
  |●【ニキビがひどくなってしまいました】
  | 
  | 日に2回のペースで使用を続けています。
  | 以前ほど劇的な変化は見られなくなっていますが
  | 毛穴の開きは小さくなってきています。
  | 
  | ただ、ここにきて、
  | ニキビがひどくなってきてしまいました。
  | 
  | 頬には赤ニキビ、特に顎~首にかけて黒ニキビが
  | できるようになってしまいました......。
  | "何もつけない"は実行し続けているのですが......。
  | 
  | 胃の不調が続くからなのか?
  | ホルモンバランスの崩れなのか?
  | ASVCだけに頼るのではなく、体調管理、食事管理にも
  | 配慮しなければニキビは治せないのでしょうか?
  | 
  | 皆さんのモニター報告を見るたび、
  | 私もいつか必ず美肌を手にいれる!!
  | と夢膨らませています。
  |  
  |                     (30代・女性)
  └────────────────────────────


 季節の変わり目や生理前など
 心身にストレスがかかっているときは、
 皮膚のバリア力が低下しやすくなります。

 皮膚のバリア力は、いつも一定ではないのです。






 ▼お肌の不調と「脳」の関係


 皮膚のバリア力については、
 過去にも何度かメルマガでお話しています。


  ☆生理周期の不調はなぜ起こる?『生理とお肌』の秘密(4)
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2009/04/186.php


 生理周期によるニキビや湿疹、カサつきの原因は、
 ホルモンの変化によるものではなく、
 生理のストレスによるものです。

 また、私たちを取り巻く環境は常に変化していますが、
 どんなに気温が下がろうとも、上がろうとも、
 人間の身体はホメオスタシス(恒常性)を保とうとします。


 そのとき、脳ではどんなことが起こっているかというと......

 環境の変化を感知した身体からの伝達情報によって
 ストレス情報が脳幹に加わっています。

 つまり、良くも悪くも、脳幹部は常に
 「心身」からストレスに晒されているのです。

 お肌の弱い人は、心身にストレスが加わると
 バリア力が弱くなってしまいます。






 ▼見落としがちな心身のストレス


 ストレスと皮膚のバリア力の相関については、
 過去にも取り上げましたね。


  ☆チャレンジ!『アトピーにも何もつけない』の秘密
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2010/03/227.php


 ---------(以下、上記の号から抜粋)-------------------------

   心身にストレスのかかっているときは
   お肌の弱い人(接触性過敏症候群)は、皮膚のバリア力が
   低下しやすい時です。

   アトピー症状が出た、又は悪化したという時は、
   その時期が以下のこととも一致していないでしょうか。


   ◆一次刺激性物質との接触数が増えたとき
    (複数の一次刺激物質との接触)
 
   ◆一次刺激性物質との接触時間が長くなったとき


   肌のバリア力が落ちている時期は、
   自分では自覚できていないこともあります。
 
   日常生活での一次刺激性物質との接触に
   できるだけ気をつけるようにしましょう。

   心身のコントロールは難しいこともありますが、
   接触は、自分で簡単にコントロールができます。

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 また、先々週のメルマガ「牛田プロジェクト」でも
 心身のストレスが皮膚のバリア力に与える影響について
 お話しています。

  ☆第210号 気温差大・・・気候の変化は肌に影響大!
   http://jstcd.or.jp/mailmagazine/number_210/



 生理前や体調が悪いときは気づきやすいのですが、
 気候や気温差については自覚がない場合が多いようです。

 自覚がないため、理由のわからないまま
 肌の状態が悪くなったり、良くなったり......ということが
 起きているように感じられるかもしれません。

 特に、今年の4月は毎日の気温差が激しく、
 身体には自覚のないストレスがかかっていました。
 体調を崩された方も多かったでしょう。

 5月から6月も、朝晩の気温差が大きく
 自覚のないストレスがかかりやすい季節です。

 気候の変化は、身体の一部である皮膚にも
 大きな影響を与えています。





 ▼"宿泊先の寝具"も要注意?


 気温の変化によって
 お肌がカサつきやすくなったりしますが、
 一次刺激性物質との接触がなければ、
 トラブルが悪化することはありません。


 お肌が不調のときは、
 最近どんなものに接触したか、
 こんなふうに思い当たるものを挙げてみるといいですね。


  ┌────────────────────────────
  |●【不調の原因を考えてみました】
  | 
  | 「なにもつけない」を始めてから、
  | もうすぐ2年くらいになるかと思います。
  | 
  | 徐々にではありますが、基礎化粧品を止め、
  | 脱シャンプー、肌には秘密のファンデ&手ぬぐい洗顔、
  | そしてようやく洗濯洗剤を
  | 「トップクリアリキッド」に変えることが出来ました。
  | 
  | 毛穴やしみなど、気になるところはまだまだありますが、
  | 母親にも肌がゆでたまごみたいになったと褒められ、
  | 私自身も、肌自体がだんだんと
  | 生き返っていくような感じがして
  | 楽しみながら「何もつけない」を実践してきました。
  | 
  | ところが、先週から肌がものすごく不調なのです。
  | ほほのあたりにいくつも吹き出物が出て、
  | がさがさになっており、若干赤みを帯びています。
  | たまにかゆみを感じることもあります。
  | 
  | 考えられる原因として自分なりに考えてみました。
  | 
  | ◆1.日焼け止め
  |    GWに一日中日光を浴びる機会があったので、
  |    そのときだけ日焼け止めを塗ってから
  |    秘密のファンデを塗りました。
  |    
  |    石けんで落とせる日焼け止めでしたが、
  |    クレンジングしかなく、やむを得ずそれで落としました。
  |    
  | ◆2.髪の毛
  |    その日だけ髪の毛にワックスを付けました。
  |    前髪がほほのあたりにかかったような気もします。
  |    
  | ◆3.宿泊先での寝具
  |    
  | 
  | ......これらのことが影響しているのでしょうか?
  |    
  | その日からもう1週間も経っていますが
  | まったく改善されていません。
  | なにかいい方法がありましたら、
  | ご教授いただけないでしょうか。
  | 
  |                     (20代・女性)
  └────────────────────────────


 宿泊先の寝具には、ほとんど
 柔軟仕上げがしてあると思われます。

 肌の弱い方は、パジャマや枕に敷くタオルを
 持参するとよいでしょう。

 バスタオルやフェイスタオルについても同じです。

 顔にトラブルが出やすい人は
 フェイスタオルのみ持参するなど、工夫をしましょう。

 赤みやカサつきが出ているときは、
 ファンデーションなどのメイクも極力避け
 皮膚常在菌にも負担をかけないようにしてくださいね。






 ▼"何気なくしていること"が刺激に


 先ほどご紹介したメールの他にも、
 5月の連休中に旅行に行って、
 肌の調子が悪くなったというご報告が届いています。

 身体が疲れていたり、ストレスがかかっていたりすると、
 1週間では元に戻りにくくなることがあります。

 複数の悪化要因がある場合、
 バリア力の低下の度合いによっては
 2週間以上かかるかもしれませんが、
 接触を断てば少しずつ治まっていきます。

 トラブルが現れてしまったら、
 あらためて"8つの項目"を見直し、
 一次刺激性の接触物を無くすようにしましょう。

  ☆【健康な素肌を取り戻すための新8つの習慣】
    http://hisesshoku-derm.com/archives/2009/06/nanimo.php



 8項目以外にも、"一次刺激性の接触"には
 こんなこんなものがあります。


 ◆ポイントメイクを落とすときに他の部分に触れている

  お湯で落とせるタイプのマスカラ等にも
  界面活性剤が使われています。
  洗い流したものが頬等につかないようにしましょう。

 ◆旅行に行ってホテルや旅館の寝具、バスタオルと接触した

 ◆顔を触る癖がある(一次刺激性物質に触れた手で)

 ◆美容院でシャンプーやカラーリングをした

  美容院に行ったあと髪の触れる場所に
  トラブルが出る場合があります。

  カラーリングなどをした場合は、
  1週間程触れた部分に影響が出ることがあります。
  洗髪の時にお湯が顔にかからないように
  (洗い流したお湯がトラブルの出る所にかからないように)、
  また、髪を拭いたタオルで身体や顔を拭かないように
  注意しましょう。

  髪につるつるした手触りがあるときは、
  シリコンがついています。

  しばらくお湯洗髪を続けると落ちますが、
  接触によって影響を受ける可能性があります。






 ▼お肌と身体は連動しています


 接触物の影響は気をつけやすいのですが、
 身体と皮膚は切り離して考えがちです。
 たとえば、こんな疑問を寄せてくださった方もいます。

  ┌────────────────────────────
  | 美容の為には、
  | 規則正しい生活とバランスの良い食事、と言われますが、
  | この二つはお肌に影響を与えるものなのでしょうか。
  | 
  | たとえば、"なにもつけない"を実践していても、
  | 夜更かしや、一日一食もしくは二食の生活をしていたら、
  | お肌に悪影響なのでしょうか。 
  |                     (30代・女性)
  └────────────────────────────

 答えはYES、です。

 肌測定をしていても実感することですが、
 体調不良や睡眠不足、精神的ストレスは
 見た目だけでなく、測定数値にも表れます。


 皮膚も心身に連動した臓器ですから
 心身の調子が良くないときは、
 お肌の弱い人(接触性過敏症候群)は
 皮膚のバリア力が低下しているのです。






 ▼お肌のバリア力が高まる(低下する)条件を知ろう


 春の寒暖差を乗り越え......
 新たな一歩を踏み出している読者さんもいます。


  ┌────────────────────────────
  |●【5月に入り落ち着いてきました】
  | 
  | こんばんは。いつもお世話になっております。
  | メルマガでの、医療現場への進出、ついに!
  | という感じでとても嬉しく思います。
  | 
  | まだ、自分の肌が、全く問題のない肌とまでは
  | 辿り着いていませんが、それでも様々な化粧品を
  | 使用していた頃より明らかに肌の調子が良く、医療としても
  | 患者さんに必ず受け入れてもらえることだろうと思います。
  | 
  | 「何もつけない」ことは、最初は何かと
  | しんどいこともありますが、どうかたくさんの患者さんが
  | その時期を乗り越えられますように。
  | 
  | 牛田様はじめスタッフのみなさまの、
  | 今後ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
  | 
  | 私自身の肌につきまして、5月に入り、
  | 肌のガサガサは少しおさまってきました。
  | 部分的にかさつくことはありますが、
  | 3月4月のようにひどくなくなり、気候の暖かさを実感します。
  | 
  | もともと寒さにとても弱いたちなので、
  | 肌も寒さのストレスをまともに受けていたのかもしれません。
  | (今年は特に4月の寒暖差が激しかったように思います。)
  | 
  | 写真は、部屋の明かりが白熱灯のため、
  | 2枚は肌色がよく見えますが、
  | 試しに翌日、電気を付けていない同じ場所で撮影したら......
  | 落ち込むくらい毛穴やシミがよく見えました......。
  | 
  | これでも毛穴はかなり目立たなくなってきていますし、
  | シミやニキビ跡もほんの少しずつ小さくなっています。
  | 
  | また紫外線の強い時期になり、
  | シミが拡大するのではないかと不安ですが、
  | このゴールデンウィークは手以外には
  | 日焼け止めを使いませんでした!
  | (普段、仕事の日は一切使っていません。)
  | 
  | 長袖長ズボンに帽子とストールを使いましたが、
  | 手だけは手袋をするわけにもいかず、
  | でも長時間炎天下でしたので、
  | 仕方なく日焼け止めを使用しました。
  | 
  | 仕事も休みのためほぼノーメイクでの約一週間。
  | とても気持ちよく過ごせました。
  | お風呂でも手ぬぐいでファンデを
  | 落とすように気を付ける必要もありませんでしたし。
  | 
  | 今のところ、シミが大きくなった気配もなく、
  | 今年も日焼け止めを極力使わず
  | 春夏を乗り切る気合いが入りました。
  | 
  |                     (30代・女性)
  └────────────────────────────




 今回のお話、いかがだったでしょうか?
 大きなポイントは2つです。


  ●気候の変化による心身への影響は、
   皮膚のバリア力にも大きな影響となって現れている

  ●天候による影響も含め、心身の変化が
   皮膚のバリア力を高めたり、低下させたりしている



 自身の皮膚のバリア力が
 上下する条件や時期を知ることで、
 不調を回避したり、和らげたりすることができます。

 ご自分のお肌を、日ごろから
 よ~く観察してくださいね。





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