メールマガジン「秘密の皮膚科学」
2009年03月03日配信
第184号 運動能力も低下しない?『生理とお肌』の秘密(2)
みなさん、こんにちは。
ちょっぴりお久しぶりの登場......
コスメプロデューサーの牛田専一郎です。
「前回は牛田さんから衝撃のご発言がありましたね。
【生理によってお肌は影響を受けない!】って」
http://hisesshoku-derm.com/archives/2009/02/183.php
ええ。そうなんです。
その真相に踏み込む前に、
例によって文字数オーバーになってしまったんですが......。
「今日こそは真相を解き明かしてくださいねっ!」
ちょっぴりお久しぶりの登場......
コスメプロデューサーの牛田専一郎です。
「前回は牛田さんから衝撃のご発言がありましたね。
【生理によってお肌は影響を受けない!】って」
http://hisesshoku-derm.com/archives/2009/02/183.php
ええ。そうなんです。
その真相に踏み込む前に、
例によって文字数オーバーになってしまったんですが......。
「今日こそは真相を解き明かしてくださいねっ!」
☆------------------------------------------------------------☆
―― 運動能力も低下しない? ――
『生理とお肌』の秘密(2)
☆------------------------------------------------------------☆
▼生理周期と皮脂分泌のカンケイ
前回のメルマガで、
"エストロゲン(卵胞ホルモン)と
プロゲステロン(黄体ホルモン)によって
生理前に皮脂分泌が増えたため、ニキビや肌荒れが起きる"
というお話が出てきましたね。
まずはこの問題、
[生理周期による皮脂分泌の変化]について考えましょう。
▼生理前に皮脂量は増えていない?
ご存知の通り、女性にも男性ホルモンがありますし、
男性にも女性ホルモンがあります。
生理周期と皮脂分泌量の相関を語る場合、
"皮脂量が増えるのは男性ホルモンの影響である"
と説明されているケースが数多くあります。
たとえば、以下のような感じです。
┌――――――――――――――――――――――――――――――
| エストロゲン(卵胞ホルモン)は
| 皮脂腺の活性を抑制するといわれている。
|
| 卵胞期(エストロゲン優位期)には
| 性腺刺激ホルモンの分泌抑制が起こることにより、
| 男性ホルモン(テストステロン)が減産し、
| それにより皮脂分泌が抑えられる。
|
| 対して黄体期(プロゲステロン優位期)には、
| 皮脂腺の働きを抑制するエストロゲン(卵胞ホルモン)の
| 血中濃度が低下することにより、
| 男性ホルモン(テストステロン)の作用により
| 皮脂腺の働きが活発化すると考えられている。
└――――――――――――――――――――――――――――――
しかし、皮脂分泌を促進させる効果の有無については、
医学的に明確な見解が得られていないのが現状です。
実際は、卵胞期と黄体期に
皮脂分泌の差はほとんどないようです。
エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は
このホルモンの標的器官から考えても、
皮脂分泌や皮膚の代謝といった
皮膚生理に影響を与えないホルモンであるということでしょう。
また、「メラニンの働きが活発になる」「シミができやすくなる」
「肌荒れをしやすい」といった影響が挙げられることも多々ありますが
これは一般的に言われているだけで、根拠が見つかりませんでした。
以上のことから......
"エストロゲン(卵胞ホルモン)と
プロゲステロン(黄体ホルモン)によって
皮膚生理は影響を受けていない。"
と言えるのです。
▼"何もつけない"の意外な効用
「お肌がホルモンの影響を受けていないとしたら......
生理前にお肌が荒れるのは、一体どうしてなんですか?」
生理前にお肌のバリア力が弱くなっている人がいるようです。
その時期に、お肌を傷めるものと接触することによって
ニキビや肌荒れが起こっているといえそうです。
しかし生理前でも、タンパク変性物質などに接触しなければ
ニキビや肌荒れなどの皮膚トラブルが
発生しないことが分かっています。
実際に、読者のみなさんから
"『何もつけない』が完全にできたら
生理前の肌荒れやニキビがなくなった!"
というメールがたくさん届いているんですよ。
┌――――――――――――――――――――――――――――――
|◆シャンプーを小麦粉に変えて一ヶ月以上経ちましたが
| こめかみに出来ていたにきびが(吹き出物?)が
| 出来なくなってきました。本当に驚きです。
|
| また、生理前に出来ていたにきびもほとんど出来なくなりました。
| が先日急ににきびが顔や首、背中に出来て原因を探ったところ
| ベットのシーツ類を洗ったからかと思います。
|
| 正直、柔軟剤はそんなに関係ないのではと思っていましたが、
| 体にすぐ反応が出たのには驚かされました。
| 今後も、柔軟剤にも気をつけようと思います。
|
| (アメリカ・30代・女性)
└――――――――――――――――――――――――――――――
┌――――――――――――――――――――――――――――――
|◆あいもかわらず「何もつけない」を実践しております。
| そろそろ完璧にはじめてから2ヶ月くらい経つと思います。
| お肌の調子はとてもいいです。ウォーキング、ジョギング、
| 湯船につかる、栄養のある納豆や、果物などなど食べています。
|
| 余談ですが、ジョギングを始めてから
| 生理痛や生理前の肌あれがなくなったのです!!
| もーこれはかなり嬉しいことです。
|
| 以前から、生理前にイライラしたり肌荒れしたりと・・・。
| だから化粧品はやっぱり必要だと思ったり、
| 何もつけないというやり方に疑問を感じてしまったり・・・。
|
| これはとても不思議ですが、
| 生理痛に悩んでいる方には是非おすすめですね。
| やはり体は正直なんだなと思いました。
|
| (福岡県・20代・女性)
└――――――――――――――――――――――――――――――
┌――――――――――――――――――――――――――――――
|◆ものすごくお肌が変わりました。まずは痒くなくなったこと!
| 生理前でもニキビができない。
| これはなにもしないを実行してからです。
|
| プロトタイプAを使うと肌がすごく明るくなったように思います。
| とっても購入したいのですが私にはとっても高価に感じられます。
| でも効果はすごいと思います。
|
| 最初の一ヶ月間は全然効果が現れなかったのにビックリです。
| やはり、なにもしないが完全に出来ていないと
| 効果が出にくいようですね。
|
| (神奈川県・30代・女性)
└――――――――――――――――――――――――――――――
▼バリア力が弱くなる、その理由は
さらに、牛田は
【脳】との関係にも注目しています。
以前、脳と皮膚についてお話したことがありましたね。
☆第44号:親密なカンケイ。『脳と皮膚』の秘密
http://hisesshoku-derm.com/archives/2005/09/44.php
脳と生理の関係は、
脳と皮膚の関係にも通ずるところがあるように感じています。
『大脳』は、主に精神的な活動、
『脳幹』は心臓の動きや呼吸など、
生命維持のために必要な活動を司っています。
2つの女性ホルモンは、
脳に接する下垂体から指令が出され、卵巣から分泌されます。
☆下垂体はここ! 脳の構造図
http://hisesshoku-derm.com/archives/2005/09/brain.php
脳にストレスが掛かると、
脳に接する下垂体からの性腺刺激物質の分泌に乱れが生じ、
ひいては女性ホルモンの分泌に乱れが生じることになります。
排卵と生理が正常な場合、
頭痛・腹痛・腰痛・イライラ・怒りっぽい......といった
「月経前症候群(PMS)」の治療は
ストレスをコントロールすることが重要のようです。
生理のストレスは脳幹部全体に影響を与え、
お肌の弱い人はバリア力を低下させ、
生理前の皮膚の不調を引き起こしているのではないか。
牛田はそんな風に考えています。
▼生理のストレス。その正体は?
「なるほど......。
個人差はあるものの、
生理のストレスは決して小さいものではないですから
お肌に影響を及ぼしていても不思議はないですよね。
しかし、そもそも
なぜ生理にはストレスがあるのでしょうか?」
牛田は長い間、
生理によるストレスは、出血そのものによると考えていました。
牛田がこのように考えるようになったきっかけは、
今から30年以上前に読んだ
「生理と運動能力」をテーマにした論文にさかのぼります。
被験者の属性や試験内容は記憶にないのですが、
【生理によって運動能力の低下はみられない】
という結論で締めくくられていたことを覚えています。
◇排卵と生理があることは、婦人科系が正常に機能していて
身体が健康な状態であることを意味している。
◇エストロゲン(卵胞ホルモン)と
プロゲステロン(黄体ホルモン)は
身体の運動機能に影響を与えないホルモンである。
以上2点が根拠となり、
ふむふむ、なるほど......と納得したことを覚えています。
そんなわけで、30年以上も前からず~っと、
生理周期(ホルモンの変化)は運動能力に影響を与えないと同時に、
お肌にも影響を与えないと考えていました。
このメルマガで「生理とお肌の関係」を取り上げてこなかったのは、
そういう背景があったからなのです。
▼今週もまた宿題が。
「で、牛田さん、生理のストレスって何......?」
今回も文字数オーバーになってしまいました......。
すみません。
続きは次号をお楽しみに!
★牛田への感想・コメントがありましたら、
お気軽にどうぞこちらへ。
http://hisesshoku-derm.com/archives/01about/info.php
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―― 運動能力も低下しない? ――
『生理とお肌』の秘密(2)
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▼生理周期と皮脂分泌のカンケイ
前回のメルマガで、
"エストロゲン(卵胞ホルモン)と
プロゲステロン(黄体ホルモン)によって
生理前に皮脂分泌が増えたため、ニキビや肌荒れが起きる"
というお話が出てきましたね。
まずはこの問題、
[生理周期による皮脂分泌の変化]について考えましょう。
▼生理前に皮脂量は増えていない?
ご存知の通り、女性にも男性ホルモンがありますし、
男性にも女性ホルモンがあります。
生理周期と皮脂分泌量の相関を語る場合、
"皮脂量が増えるのは男性ホルモンの影響である"
と説明されているケースが数多くあります。
たとえば、以下のような感じです。
┌――――――――――――――――――――――――――――――
| エストロゲン(卵胞ホルモン)は
| 皮脂腺の活性を抑制するといわれている。
|
| 卵胞期(エストロゲン優位期)には
| 性腺刺激ホルモンの分泌抑制が起こることにより、
| 男性ホルモン(テストステロン)が減産し、
| それにより皮脂分泌が抑えられる。
|
| 対して黄体期(プロゲステロン優位期)には、
| 皮脂腺の働きを抑制するエストロゲン(卵胞ホルモン)の
| 血中濃度が低下することにより、
| 男性ホルモン(テストステロン)の作用により
| 皮脂腺の働きが活発化すると考えられている。
└――――――――――――――――――――――――――――――
しかし、皮脂分泌を促進させる効果の有無については、
医学的に明確な見解が得られていないのが現状です。
実際は、卵胞期と黄体期に
皮脂分泌の差はほとんどないようです。
エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は
このホルモンの標的器官から考えても、
皮脂分泌や皮膚の代謝といった
皮膚生理に影響を与えないホルモンであるということでしょう。
また、「メラニンの働きが活発になる」「シミができやすくなる」
「肌荒れをしやすい」といった影響が挙げられることも多々ありますが
これは一般的に言われているだけで、根拠が見つかりませんでした。
以上のことから......
"エストロゲン(卵胞ホルモン)と
プロゲステロン(黄体ホルモン)によって
皮膚生理は影響を受けていない。"
と言えるのです。
▼"何もつけない"の意外な効用
「お肌がホルモンの影響を受けていないとしたら......
生理前にお肌が荒れるのは、一体どうしてなんですか?」
生理前にお肌のバリア力が弱くなっている人がいるようです。
その時期に、お肌を傷めるものと接触することによって
ニキビや肌荒れが起こっているといえそうです。
しかし生理前でも、タンパク変性物質などに接触しなければ
ニキビや肌荒れなどの皮膚トラブルが
発生しないことが分かっています。
実際に、読者のみなさんから
"『何もつけない』が完全にできたら
生理前の肌荒れやニキビがなくなった!"
というメールがたくさん届いているんですよ。
┌――――――――――――――――――――――――――――――
|◆シャンプーを小麦粉に変えて一ヶ月以上経ちましたが
| こめかみに出来ていたにきびが(吹き出物?)が
| 出来なくなってきました。本当に驚きです。
|
| また、生理前に出来ていたにきびもほとんど出来なくなりました。
| が先日急ににきびが顔や首、背中に出来て原因を探ったところ
| ベットのシーツ類を洗ったからかと思います。
|
| 正直、柔軟剤はそんなに関係ないのではと思っていましたが、
| 体にすぐ反応が出たのには驚かされました。
| 今後も、柔軟剤にも気をつけようと思います。
|
| (アメリカ・30代・女性)
└――――――――――――――――――――――――――――――
┌――――――――――――――――――――――――――――――
|◆あいもかわらず「何もつけない」を実践しております。
| そろそろ完璧にはじめてから2ヶ月くらい経つと思います。
| お肌の調子はとてもいいです。ウォーキング、ジョギング、
| 湯船につかる、栄養のある納豆や、果物などなど食べています。
|
| 余談ですが、ジョギングを始めてから
| 生理痛や生理前の肌あれがなくなったのです!!
| もーこれはかなり嬉しいことです。
|
| 以前から、生理前にイライラしたり肌荒れしたりと・・・。
| だから化粧品はやっぱり必要だと思ったり、
| 何もつけないというやり方に疑問を感じてしまったり・・・。
|
| これはとても不思議ですが、
| 生理痛に悩んでいる方には是非おすすめですね。
| やはり体は正直なんだなと思いました。
|
| (福岡県・20代・女性)
└――――――――――――――――――――――――――――――
┌――――――――――――――――――――――――――――――
|◆ものすごくお肌が変わりました。まずは痒くなくなったこと!
| 生理前でもニキビができない。
| これはなにもしないを実行してからです。
|
| プロトタイプAを使うと肌がすごく明るくなったように思います。
| とっても購入したいのですが私にはとっても高価に感じられます。
| でも効果はすごいと思います。
|
| 最初の一ヶ月間は全然効果が現れなかったのにビックリです。
| やはり、なにもしないが完全に出来ていないと
| 効果が出にくいようですね。
|
| (神奈川県・30代・女性)
└――――――――――――――――――――――――――――――
▼バリア力が弱くなる、その理由は
さらに、牛田は
【脳】との関係にも注目しています。
以前、脳と皮膚についてお話したことがありましたね。
☆第44号:親密なカンケイ。『脳と皮膚』の秘密
http://hisesshoku-derm.com/archives/2005/09/44.php
脳と生理の関係は、
脳と皮膚の関係にも通ずるところがあるように感じています。
『大脳』は、主に精神的な活動、
『脳幹』は心臓の動きや呼吸など、
生命維持のために必要な活動を司っています。
2つの女性ホルモンは、
脳に接する下垂体から指令が出され、卵巣から分泌されます。
☆下垂体はここ! 脳の構造図
http://hisesshoku-derm.com/archives/2005/09/brain.php
脳にストレスが掛かると、
脳に接する下垂体からの性腺刺激物質の分泌に乱れが生じ、
ひいては女性ホルモンの分泌に乱れが生じることになります。
排卵と生理が正常な場合、
頭痛・腹痛・腰痛・イライラ・怒りっぽい......といった
「月経前症候群(PMS)」の治療は
ストレスをコントロールすることが重要のようです。
生理のストレスは脳幹部全体に影響を与え、
お肌の弱い人はバリア力を低下させ、
生理前の皮膚の不調を引き起こしているのではないか。
牛田はそんな風に考えています。
▼生理のストレス。その正体は?
「なるほど......。
個人差はあるものの、
生理のストレスは決して小さいものではないですから
お肌に影響を及ぼしていても不思議はないですよね。
しかし、そもそも
なぜ生理にはストレスがあるのでしょうか?」
牛田は長い間、
生理によるストレスは、出血そのものによると考えていました。
牛田がこのように考えるようになったきっかけは、
今から30年以上前に読んだ
「生理と運動能力」をテーマにした論文にさかのぼります。
被験者の属性や試験内容は記憶にないのですが、
【生理によって運動能力の低下はみられない】
という結論で締めくくられていたことを覚えています。
◇排卵と生理があることは、婦人科系が正常に機能していて
身体が健康な状態であることを意味している。
◇エストロゲン(卵胞ホルモン)と
プロゲステロン(黄体ホルモン)は
身体の運動機能に影響を与えないホルモンである。
以上2点が根拠となり、
ふむふむ、なるほど......と納得したことを覚えています。
そんなわけで、30年以上も前からず~っと、
生理周期(ホルモンの変化)は運動能力に影響を与えないと同時に、
お肌にも影響を与えないと考えていました。
このメルマガで「生理とお肌の関係」を取り上げてこなかったのは、
そういう背景があったからなのです。
▼今週もまた宿題が。
「で、牛田さん、生理のストレスって何......?」
今回も文字数オーバーになってしまいました......。
すみません。
続きは次号をお楽しみに!
★牛田への感想・コメントがありましたら、
お気軽にどうぞこちらへ。
http://hisesshoku-derm.com/archives/01about/info.php
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