メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2005年03月08日配信

第20号 これでツルツル? 『顔剃り』の秘密

 みなさん、こんにちは。
 コスメプロデューサー・牛田専一郎です。


 みなさんに、ちょっと質問です。
 産毛のお手入れはどうされているでしょうか?


 ・まったく剃らない
 ・部分的に剃っている
 ・顔全体を剃っている...


 産毛は、長さや濃さが人それぞれ。
 お手入れにも、人それぞれのやり方があることでしょうね。


 果たして、「カミソリ」と「お肌」は相性がよいのでしょうか?
 はたまた、悪いのでしょうか...。


 その答えは、今週の秘密で明かしています。

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      これでツルツル? 『顔剃り』の秘密


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 ▼カミソリは乙女の必需品?


 ある日の昼下がりのこと。
 白木さんが鏡を覗き込んでいます。


 「あ~~、そろそろしなくちゃ」



 そろそろ? そろそろ、何をするんですか?



 「顔剃りですよ。ホラ、産毛が目立ってきちゃった」



 あらら...。
 白木さん、顔の産毛を剃っているんですか?



 「ええ。生えてきたなぁと思ったら、こまめに」



 あらららら...。



 「え! ってことは、もしかしてダメなんですか!?
  肌の色が白っぽくなるし、手触りもツルツルになるし、
  ファンデーションのノリもよくなるのに!?」



 では、今日は顔剃りのお話を。
 白木さん、よく聞いていてくださいね。



 ▼カミソリが剃り落としているもの


 顔にカミソリをあてて、産毛を剃っている人は結構いるようです。
 白木さんが言うように、顔色が明るくなるような気がしますよね。


 でも......。
 そのために、どんな代償を背負っているのか、ご存知でしょうか?

 カミソリが剃り落としているのは、産毛だけではありません。
 一緒に『角質』も剥がしているのです。



 「角質って、肌のくすみとか、ザラつきの原因ですよね?
  剥がれたほうがいいんじゃないんですか?」



 たしかに、角質は、死んだ細胞が下から押し上げられてできたもの。
 広く浸透している「不要なもの」「老廃物」というイメージは
 そこから形成されているんでしょうね。


 でも、死んだ細胞でできた角質にも、役割があるのです。
 『肌を密閉する』という
 大切な働きをしているんですよ。




 ▼角質のサイクル


 皮膚の使命、それは「身体の内側を守ること」です。
 外界の刺激が入ってくるのを防ぎ、
 身体の内側の水分が出て行くのを防いでいるのです。


 角質は、その「壁」にあたる役割をしています。
 防御壁となり、肌を密閉しているのです。


 死んだ細胞が下から押し上げられ、
 角質となって表面に壁を作る。
 身体の内側を守り、役目を終えたら剥がれていく。


 これが、角質の自然なサイクルです。


 たとえ無理やり剥がしてしまったとしても、
 一瞬にして、角質は再生します。


 人間の皮膚は、意外にタフなのです。




 ▼角質を剥がし続けると...


 しかし、継続的に顔を剃り続けると、どうなるでしょうか。
 タフな皮膚にも、さすがに異常が現れます。


 まず、角質が作られるスピードが、だんだん早くなっていきます。
 細胞が下から押し上げられる周期が、だんだん短くなるのです。

 大急ぎで作られた角質は、未成熟な状態。
 「壁」の役割を十分に果たすことができません。


 皮膚がその機能を果たせないようになると、
 さまざまな弊害が出てきてしまいます。

 湿疹ができてしまったり、
 炎症を起こしてしまったり。


 また、弱った部分をカバーするために、
 シミができてしまうこともあります。

 冒頭でお話した、「顔剃りが背負う代償」とは、このことだったのです。


 「ショック...。
  産毛と一緒に、大切なものを剃り落としていたんですね。
  今までずっと、目先の美しさだけにとらわれていたみたいです」



 白木さん、私のメッセージが伝わったようですね。

 いま、目に見えているものがすべてではありません。
 肌の美しさは、目には見えない、小さな小さな存在によって
 守られているのです。


 そのことを、頭の片隅に置いておいてほしい。
 たまに思い出しながら、お手入れをしてほしい。


 牛田はそう願っています。



━━━━☆━━━━━━━━前回の補足です━━━━━━━━☆━━━━

 【以下は内容が古いので読まないでください。】
 ※石けんを含む、どのような洗浄剤も一次刺激性物質です。
  使用により肌を傷める方が多いため、どのような石けんも現在はおすすめできません。 (2012.7.3)


 前回、石けんの話題を取り上げました。


  ●19号「弱酸性の秘密」
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2005/03/19.php


 そのなかで、
 「石けんには界面活性剤が含まれているが、使用してもあまり問題がない」
 「メイクは石けん洗顔で落ちる程度のものにしましょう」
 というお話をしましたが...どうやら言葉が足りなかったようです。
 ごめんなさい!


 牛田が意図しているのは、

 "石けんは他の洗顔剤にくらべて良い、安全である"
 ということではありませんでした。


 "普通の固形石けんで落ちる程度のメイクをしましょう"
 ということだったのです。
 あくまで、洗浄力の基準として、石けんを挙げたのです。


 石けんをおすすめしているわけではない、その理由は...
 石けんは界面活性剤そのもの。化学合成品だからです。


 え~、じゃあどうしたらいいの? と思われたことでしょう。


 簡単ではありますが、
 洗顔剤は、次のポイントを満たしているものを選びましょう。


  ●必要最低限の洗浄力(界面活性効果)
  ●添加物(効果が有りそうなもの)が何も入っていない
  ●しっとりしない


 洗顔剤の選び方、洗顔の仕方については、
 またあらためて、じっくり、詳しくお話したいと思っています。


 どうぞお楽しみに!!


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