メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2016年03月08日配信

第499号 そのままでいい?『角栓ができたら』の秘密

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2016/03/08━☆
     健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

            「秘密の皮膚科学」

     第499号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。

 額や鼻、口の周りにできる
 ザラザラとした手触りのもの。
 それは【角栓】です。

 このメルマガで何度か取り上げているテーマですが、
 『角栓を放っておくと、肌トラブルの原因になるのでは?』
 という心配の声が届いていますので、お答えいたします。


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            ── そのままでいい? ──

             『角栓ができたら』の秘密

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 ▼まずはおさらい【角栓とは】


 表皮では、役割を終えた角質片が少しずつ剥がれています。

 毛穴は表皮が落ち込んで形成されていますが、
 毛穴のなかで角質片が多く剥離されると
 角質片と皮脂が混ざり、『角栓』ができるのです。

 ☆図で見てみましょう。これが角栓です↓
  http://hisesshoku-derm.com/archives/2012/06/kakusen.php


 角栓は代謝によって生まれ、
 やがて自然に取れるもの。

 無理に取る必要は、ありません。






 ▼角栓はトラブルの元?


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  ●『角栓で炎症が悪化するのでは?』(女性)
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  朝晩、ぬるま湯のみの洗顔を続けていますが、
  角栓が詰まったところ(鼻と小鼻の周り)が
  炎症をおこして赤くなっています。

  このまま角栓のケアをせずにほうっておくと、
  炎症が悪化するのではないかと心配しています。

  対処法がございましたら、ご指導よろしくお願いします。


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 角栓がニキビや炎症の原因になることは、ありません。
 先ほどもお話ししましたが、いずれ取れるものですから
 そのままにしておいて大丈夫です。

 鼻と小鼻の周りの炎症は、
 一次刺激性物質との接触によって起きていると考えられます。

 日常生活で鼻にどんなものが触れているか、
 チェックしましょう。

 角栓も、一次刺激性物質に触れているとできやすく、
 触れないように過ごすと、できにくくなるようです。

 非接触生活を完全に実践されている方から
 『いつの間にか、角栓が気にならなくなっていた』
 『角栓が目立たなくなり、肌がすべすべしている』
 といったご報告が多く届いています。






 ▼角栓ができやすいときは、接触をチェック


 「角栓は自然にできるものではあるけれど、
  できやすい部分は、何か刺激のあるものに
  触れている可能性があるということですね」


 そうですね、白木さん。

 特定の場所に角栓ができやすかったり、
 先ほどのご質問のように、炎症も起きていたりするときは
 日常の行動を振り返ってみましょう。

 たとえば、こんな発見があるかもしれません。


 ◆額にできやすい

  → 前髪をセットしたり、風で乱れたときなどに、手で触れている
  → 帽子などをかぶっている


 ◆鼻・鼻の周りにできやすい

  → 鼻を手で触る癖がある
  → ティッシュで鼻をかんでいる
  → 抗菌加工済のマスクをしている


 ◆顎・口の周りにできやすい

  → 就寝中、顎や口の周りが寝具に触れている
  → 歯磨き粉が付着している
  → 口をナフキンなどで拭いている
  → 考え事をしながら手で触れている


 あわせて、8つの生活習慣が完全に実践できているかどうか
 チェックしましょう。

 石けんや基礎化粧品を使わないことから
 非接触生活を始める方が多いようですが、
 お湯洗髪をすること、洗濯洗剤を指定のものに切り替えることも
 忘れないでくださいね。






 ▼ティッシュの代わりにペーパータオルを


 「ティッシュやマスクが
  鼻周りの角栓の原因になることもあるんですね。
 
  でも、今は花粉の季節!
  どちらも手放せない方が多いと思うのですが......?」


 ティッシュには、さまざまな加工が施されています。
 そのまま使用すると肌の弱い方には刺激となってしまいます。

 代用品として、こちらのペーパータオルがおすすめです。

  ☆無漂白・パルプ100%のペーパータオル
   http://soundstyle.co.jp/goods/8007.html


 マスクにもさまざまな種類がありますが、
 できるだけ、抗菌加工されていないものを選びましょう。

 なお、マスクの付け外しの際、肌に触れる内側の部分を
 手で触らないように気をつけてくださいね。






 ▼角栓を取りたいときは


 「やがて自然に取れると分かっていても、
  肌がザラザラしていると、つい
  取りたくなっちゃうんですよね~」


 そうですね。
 読者からこんなお問い合わせが届いています。


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  ●『手ぬぐいでこすって良いですか?』(男性)
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  角栓を指先でこする方法は、手ぬぐいよりも綺麗にならず、
  角栓がピロピロ目に見えてわかるような感じになって
  汚いのですが、手ぬぐいで赤くならない程度であれば
  こすっても良いのでしょうか?

  手ぬぐいの方が、手でこするよりも角栓が取れますし、
  ニキビができにくい気がするのですが......。

  指先で取れない角栓が手ぬぐいで取れる、
  というのは悪いことでしょうか?

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 かつては角栓対策グッズとして手ぬぐいをご紹介していましたが、
 強い力がかかりやすく、肌を傷めてしまう方が多いことがわかり、
 現在はおすすめしていません。

 角栓が気になるときは、できるだけ
 指先で軽くこすって落としましょう。

 具体的には、こんな手順です。

 (1)ペーパータオルを使って、
    手に付着している一次刺激性物質を洗い流す

    ◎【動画】ペーパータオルを使った手の洗い方(2番目の動画です)
     http://jstcd.or.jp/dataroom/2014_06_20140612/


 (2)お風呂で身体をよく温める

 (3)鏡を見ながら、指の腹を使って、やさしく肌をこする。



 角栓を取るときも、お湯洗髪と同じように
 "やさしく、丁寧に"が基本です。

 爪で引っかいたりしないように、気をつけてくださいね。





 
 ☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞこちらへ。
  →→ http://jstcd.or.jp/contact/

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