メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2009年08月18日配信

第201号 無敵?『真夏のバリア力』の秘密

 みなさん、こんにちは。
 コスメプロデューサーの牛田専一郎です。


 前回、200号という大きな節目を迎えた『秘密の化粧品』。
 http://hisesshoku-derm.com/archives/2009/08/200.php


 200号記念プレゼントへのご応募、ならびに
 弊誌へのご意見・ご感想・リクエスト、などなど......

 多くのあたたかいコメントをお寄せいただき
 ありがとうございました!



 これからも、これまでのように
 淡々と配信を続けてまいります。

 今回のテーマは【お肌のバリア力(りょく)】です。



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            ── 無敵? ──

          『真夏のバリア力』の秘密

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 ▼真夏のシャンプー。是か非か?


 "普段はお湯だけで洗っているけれど、
  汗をたくさんかいた日だけは、シャンプーを使いたい......。"


 8月に入り、
 そんな声が多く寄せられるようになりました。

 日ごろ湯シャンをしているお肌の弱い人が、
 夏場にシャンプーやマスクを使うとどうなるのでしょうか?

 実際にシャンプーやマスクを使った
 測定モニター3名の事例を見ながら
 検証していきましょう。



 【事例1】---------------------------------------------------

  「夏だけは、シャンプーを週2回使用しています」
                   (M.Aさん・30代・女性)

  目の下の紅斑値は上がっていますが、
  弾力値は25上がっています。
  http://jstcd.or.jp/numberphotos/2009_8_12_ma/




 【事例2】---------------------------------------------------

  「数ヶ月ぶりの測定です。
   夏場は汗をかくので、湯シャンだけではきついです......。
   最近はシャンプーを使用しています」
                   (O.Yさん・30代・女性)

  各箇所で紅斑値が前回の測定値よりも更に上がっていますが、
  弾力値もすべて上がっています。
  http://jstcd.or.jp/numberphotos/2009_8_12_oy/

  (12月は美容室に行った数日後の測定で紅斑値が上がっています)




 【事例3】---------------------------------------------------

  「測定の前日に、仕事でマスクを使用しました」
                   (M.Mさん・40代・女性)

  頬の紅斑値が62と大きく上がっていますが、
  弾力値への影響はわずかです。
  http://jstcd.or.jp/numberphotos/2009_8_12_mm/





 ▼3つの事例から読み取れること


 みなさん紅斑値は上がっていますが、
 赤み・湿疹・痒み、といった
 皮膚トラブルは現れていません。


 「シャンプーやマスクなどの影響が見られるものの、
  弾力値はあまり影響を受けていないどころか、
  数値が上昇している方もいますね」


 そうなんです、白木さん。
 それが真夏ならではの重要なポイントなんですよ。



 「真夏ならでは?」



 夏は気温が高いため、皮脂分泌量が増えます。
 そのため、お肌のバリア力が
 他の季節よりも強くなり
 皮膚トラブルが現れにくくなるのです。


 ちなみに......

 夏が終わり、秋がやってくる頃──
 いわゆる"季節の変わり目"に
 お肌の調子が乱れやすくなるのは、
 バリア力が低下するからです。


 「気候の変化とともに、
  お肌のバリア力も変動するんですね」





 ▼目には見えないけれど


 夏場はお肌のバリア力が強くなっているとはいえ、
 上でご紹介した3つの事例は、
 どれも紅斑値が上昇しています。



 「紅斑値が上がったお肌は
  どんな状態になっているんですか?」



 紅斑値が400を超えると、
 お肌の表面が赤く熱を持ったように見えます。
 これは明らかな炎症症状です。

 400以下の場合は、個人差があるものの
 見た目に変化が現れない場合がほとんど。

 測定をしてみなければ、
 紅斑値が上がっていることに気づかないのが実情です。


 しかし、忘れないで下さいね。

 目には見えなくても、
 シャンプーやマスクと接触することによって
 お肌は"軽度の炎症"を起こしているのです。





 ▼お肌の弱い人でも「バリア力」は高まる?


 夏、お肌の表面に変化が現れにくいのは、
 お肌の弱い人も同じです。

 そのため、
 軽い炎症を起こしていることを
 自覚することができない場合も多くあります。


 しかし、その一方で
 【汗】そのものが刺激となり
 お肌に影響が及んでしまう人もいます。

 199号でお話したように、汗はアルカリ性。
 タンパク変性を起こす物質だからです。
 http://hisesshoku-derm.com/archives/2009/07/199.php


 ここのところ、
 牛田も【汗】の影響に着目していますが、
 どうやら、「汗に弱い肌」と「汗に強い肌」があるようです。

 汗に弱いタイプの人は、
 汗をかいているだけで、すでに
 お肌を傷めるものに接触していることになります。


 汗をかくと、洗顔フォームや石けんを使いたくなりますが、
 洗浄剤が"第二の接触物"となり
 傷んだお肌にさらに追い討ちをかけてしまうパターンも。

 汗でお顔にぶつぶつができ、
 洗浄剤を使ってこまめに洗顔したところ
 お顔に赤みが出てしまった......

 という測定モニターの事例もあります。





 ▼汗をかいたときは


 汗をかいたときは、こまめに濡れたタオルで拭き取るか、
 洗浄剤を使わずに洗顔をしましょう。

 "水だけではどうしてもベタつきがとれない"
 というときは、ぬるま湯で洗ってみてください。

 場合によっては、
 顔そのものがベタついているのではなく
 顔に触れている手(指)がベタついている、
 ということもあります。

 指についた皮脂を
 濡れタオルでよくふき取って確認しましょう。





 ▼においが気になるときは


 「汗そのものよりも、
  汗をかいた後のにおいが気になる人も多いですよね」


 こまめに濡れタオルを使うことで
 においも解消することができます。

 制汗剤を使用する人も多いと思いますが
 界面活性剤などのタンパク変性物質が
 含まれている商品も少なくありません。

 制汗剤を使っても大丈夫かどうか、
 ご自分のお肌の状態を見て判断しましょう。





 ▼汗はお湯で洗い流せます


 199号の復習にもなりますが、
 汗の影響でお肌にトラブルが現れたときは、
 メイクを休み、洗浄剤も使わないようにしましょう。


 汗をかいたからといって、
 洗浄剤を使う必要はありません。
 これは、顔・体、そして頭皮にも言えることです。


 汗をかいたときは、
 小麦粉シャンプーを使ったり、
 いつもより時間をかけて
 頭皮と髪の根元を丁寧に洗いましょう。

 寝汗をかいてしまったら
 朝に髪を洗うとすっきりしますよ。



 「朝シャンならぬ、"朝湯シャン"ですね!」



 一般的に、夏は
 お肌のバリア力が強くなる季節ですが
 汗に弱いタイプの人や、
 夏場にトラブルが起こりやすい人は
 いつも以上に【接触】にご注意を。

 ご自分のお肌の傾向を知って
 快適に残暑を乗り切りましょう。




 ★牛田への感想・コメントがありましたら、
  お気軽にどうぞこちらへ。
  http://hisesshoku-derm.com/archives/01about/info.php



 【プレゼントを発送しました】

 200号記念プレゼントは、国内はクール便にて、
 海外にも同時に8月17日に発送いたしました。

 抽選の後、再度の抽選を行い、7個だけ10mlではなく
 25mlサイズの"当たり"をお送りしております。

 どうぞお楽しみに!



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