メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2012年11月27日配信

第337号 基準にできる?『肌に合う・合わない』の秘密

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2012/11/27━☆
     健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと!

            「秘密の皮膚科学」

     第337号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 化粧品は『肌に合う』『合わない』という表現で
 語られることがよくあります。

 白木さんも聞き覚えがあるでしょう?


 「肌に合ってるから使い続けてる、とか
  肌に合わないからやめた、とか......

  そういえばよく耳にしますね」


 今回は、皮膚生理の観点から
 この2つの表現をとらえてみたいと思います。

 

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             ── 基準にできる? ──

            『肌に合う・合わない』の秘密

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 ▼"肌に合うもの"なら使える?


 何もつけない生活を始めたい、という方から
 こんなお問い合わせをいただくことがあります。


 ┌────────────────────────────
 | 
 | 【自分に合ったシャンプーなら使用してよいでしょうか】
 | 
 | 頭髪や顔の荒れに悩んでおります。
 | 最近、顔はお湯のみで洗い、
 | その後の化粧水もやめました。
 | 
 | 結果、まだカサつきは気になりますが
 | 落着きつつあります。
 | 
 | 問題は洗髪なのです。
 | 
 | シャンプーの全てが良くない、
 | というわけではありませんよね? 
 | 自分に合った物であれば、使用しても良いのでしょうか?
 | 
 | ちなみに○○シャンプーを使用しています。
 | 仕事柄大変汗をかくもので......。
 |                        (女性)
 | 
 └────────────────────────────


 まずお答えを。

 残念ですが、
 肌の弱い方には、どのようなシャンプーも
 おすすめすることはできません。

 どのようなシャンプーも
 洗浄力のあるものには界面活性剤が使用されており、
 肌には刺激となるからです。

 中には、石油系界面活性剤不使用を
 「界面活性剤不使用」と謳っているものも。

 アミノ酸シャンプーなど
 肌にやさしそうに聞こえるものもありますが、
 天然素材を原料として化学合成した
 界面活性剤を使用しています。

 石けんも界面活性剤ですね。

 汗をたくさんかいたから、
 髪ににおいがついたからといって
 シャンプーをする必要はありません。
 
 丁寧に洗えば、
 お湯だけで汚れを落とすことができます。

 それでも気になるときは
 小麦粉シャンプーを使いましょう。

 ☆[非接触療法研究会] 小麦粉シャンプーの作り方
  http://jstcd.or.jp/dataroom/flourshampoo/

 

 


 ▼"肌に合うもの"は存在しない


 「つまり、肌の弱い人は
  自分では合うと思っているものでも
  使わないほうがいい、ということなんですね」


 ええ。

 洗浄剤や乳液、クリームなどは
 一次刺激性物質ですから、
 皮膚生理からすればもともと"肌に合わない"もの。

 皮膚生理に合った洗浄剤やクリームは
 存在しないのです。

 自分の肌に合ったものがあるのでは、と
 いろいろな化粧品を試し続け
 さらにトラブルを悪化させてしまう人もいます。

 肌の弱い人は、
 ご自分で肌に合うと思っているものでも
 接触しないようにしましょう。

 

 


 ▼"肌に合う"と感じる理由


 「皮膚生理に適った洗浄剤や化粧品は存在しないのに
  それらを問題なく使えている人もいますよね。
  これは、どうしてなのでしょうか?」


 化粧品をトラブルなく使えるかどうかは、
 "肌の強さ"によります。

 肌の強い人は、
 界面活性剤やシリコンなどの
 一次刺激性物質を含む化粧品を使っても
 トラブルが表面に現れにくい。

 だから"肌に合っている"ということになるのです。


 「反対に"肌に合わない"と感じるのは
  肌への影響が表面に現れているからなんですね」

 
 そのとおり。

 化粧品メーカーにとっては
 都合の良い表現かもしれませんね。

 化粧品を使ってトラブルが出てしまっても
 "肌に合わない"で済ませられるわけですから。

 

 


 ▼フェローたちのお湯洗髪体験記


 何もつけない生活ビギナーにとって
 最後の難関ともいえる、お湯洗髪。

 低刺激のシャンプーやトリートメントを使いたい
 というご相談が届くことがありますが、
 どちらも使う必要はありません。

 シャンプー・リンスを卒業した
 フェローたちの報告をご紹介します。

 一人目は、
 美容院で勧められたシャンプーとトリートメントが
 欠かせなかったという方です。


 ┌────────────────────────────
 | 
 | 【高価なシャンプーを使っていましたが】
 | 
 | "何もつけない生活"を始めて1か月がたちました!
 | 
 | 一番苦労していた湯シャンにも慣れ、
 | 今では乾かす時の髪の柔らかさに感動しています。
 | 
 | 1ヶ月前までは、美容院で勧められた
 | 高いシャンプー&トリートメントと
 | 洗い流さないオイルトリートメントを
 | 欠かさない毎日だったのが信じられません。
 | 
 | 香りがないのがすごく寂しいですが、
 | でかける前には香水をつけるので、
 | 逆に香りが混じらなくていい、と思うようにしています。
 | 
 | 乾かす時に、たまにふわっと
 | 皮脂?の匂いがするのはイヤですが、
 | 乾くと全く気にならず、
 | 親に頭の匂いをかいでもらっても全然匂わない、
 | との事なので、これからも湯シャン&たまに
 | 小麦粉シャンプーを続けていきます!
 |                     (30代・女性)
 | 
 └────────────────────────────


 二人目は、
 ミネラル水や竹酢液など
 自然由来のものを使っていたという方です。

 ┌────────────────────────────
 | 
 | 【自然のものなら大丈夫、と思っていました】
 | 
 | "何もつけない"に出会う前から
 | 少し実践していました。
 | 
 | 今年の夏から、
 | 界面活性剤不使用の洗剤を洗濯や食器洗いに使用し、
 | 全身湯シャンをしています。
 | 
 | 夏は調子が良かったのですが、
 | 秋になったら頭皮からは細かいフケが出る、
 | 顔はつっぱってくる、手足はガサガサしてくる......。
 | 
 | どうしてだろう?
 | やはり乾燥の季節はきちんとした保湿剤が必要か?
 | と悩んでネット検索していたら、
 | こちらに出会ったのです。
 | 
 | "何もつけない"もうやっているよぉ~
 | と思っていたけど、つけていました。
 | 
 | お風呂には入浴剤として、マ○ータッチという
 | 高濃縮ミネラル水を入れていたのですが、
 | その風呂水で頭皮も揉み洗いしていました。
 | フケの原因はそれだったようです。
 | 足のガサガサも原因はそれ。
 | 
 | 顔のつっぱりは、竹酢液を薄めた化粧水が原因。
 | 自然の物だから平気と思いつけていました。
 | 
 | 手のガサガサだけはまだ治りませんが、
 | 何もつけずに寝ています。
 | 治ることを信じて刺激物を排除していこうと思います。
 | 
 | とにかくびっくりしたのです!
 | 竹酢液さえもいらないんだ!
 | 本当にびっくりです!
 | 
 | 完全に"何もつけない"ことで
 | 全身の肌が健康になってゆくのを感じています。
 | 
 | そしてもっともっと
 | "何もつけない"ことについて、
 | 化粧品、皮膚について知っていきたいと思っています。
 | 
 |                     (30代・女性)
 | 
 └────────────────────────────

 

 


 ▼まとめ ~ いつも皮膚生理を基準に ~


 今回は、よく耳にするフレーズ
 『肌に合う』『合わない』について考えてみました。

 白木さん、いかがでしたか?


 「今まで原因不明のトラブルがいくつもありましたけど、
  "肌に合っているから"と使い続けていた
  化粧品のせいだったのかもしれないですね」


 8項目が完璧にできているという方でも、
 よかれと思って使用しているものに
 皮膚刺激を受けていることがあります。

 皮膚は、何もつけていない状態で
 皮膚生理が保てるようにできている臓器です。

 成分に一次刺激性物質が含まれていなくても、
 自然のものでも、
 肌に何かをつけたままにしておくのは
 皮膚常在菌のバランスを保つためにも良くないことです。

 肌の弱い人は
 『肌に合う』『合わない』ではなく、
 『皮膚生理』を基準に考えるようにしたいですね。

 

 ☆質問・疑問などがありましたら、
  お気軽にどうぞこちらへ。
  →→  http://hisesshoku-derm.com/archives/01about/info.php

 

 

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