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2025年12月16日配信

侵襲を受けない?『年末の大掃除』の秘密 | 第872号

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2025/12/16━☆
    健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

           「秘密の皮膚科学」

    第872号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 12月も半ばになりました。
 大掃除を始めている方もいらっしゃるでしょう。


 「洗剤を使わずに、どうやって掃除したらいいのか......」


 白木さん。
 どんな洗剤もダメというわけではないですよ。

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            侵襲を受けない?

          『年末の大掃除』の秘密

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 ▼どんなときは洗剤OK?


 非侵襲生活の目的は、
 侵襲を受けやすい肌体質の人が
 健やかな肌を保つこと。

 皮膚の内部環境(バリア機能:細胞間脂質の接着力)の
 恒常性を乱す要因と接触しないように生活することです。

 このメルマガでは洗浄剤は不要といっていますが、
 あくまでそれは人体に使う場合の話。

 直接肌に触れない部分には洗剤を使っても
 問題ないのです。


 「肌に触れる部分かどうか、が
  基準になるわけですね!」


 はい、白木さん。
 いくつか、状況別に解説しましょう。



 【洗剤を使っても大丈夫な場所】

 〇キッチン、換気扇
 〇窓ガラス

 〇洗面所
 〇排水口

 〇トイレ掃除

 トイレの中は問題ありません。
 ただ、便座など直接肌に触れる部分は
 抗菌シートなどを使わないほうが良いでしょう。



 【洗剤を使わないほうが良い場所】

 〇浴槽・浴室

 ほとんどの浴室用の洗剤には抗菌剤が使われています。
 浴槽や浴室の床に抗菌剤が付着すると
 そこに触れた足裏、腕、背中などに
 肌荒れの症状が出ることがあります。

 水垢や皮脂汚れは、洗剤を使わなくても
 落とすことができます。
 アクリルたわしなどを使ってみましょう。


 〇床・フローリング

 床用の洗剤も除菌効果があるものが
 ほとんどです。

 洗い流すことができないため、
 裸足で歩くと足裏がガサガサになることがあります。
 フローリングは濡れたぞうきんで掃除をしましょう。





 ▼洗剤を使うときは


 「掃除のとき洗剤を使うかどうかは
  状況に応じて判断すればいいんですね」


 その通りです、白木さん。

 洗剤を使うときは手袋をして、
 直接肌に触れないように注意してくださいね。


 「浴室など汚れがなかなか落ちない場合も
  洗剤なしで何とかなるのでしょうか」


 そうですね......。

 どうしても必要な場合は、
 抗菌剤不使用の指定の洗濯洗剤を
 薄めて使うことができます。

 最初は水200mlに洗剤2、3滴(2ml)くらいの
 濃度で試してみてください。

 汚れ落ちが悪いようでしたら
 少し濃度を上げて試してみてくださいね。

 ちなみに食器洗いにも同じ容量で
 使用することができます。
 その場合は指定の中性洗剤を使いましょう。


 〇洗濯用洗剤
 https://soundstyle.co.jp/shop/products/detail/17

 〇洗濯用中性洗剤
 https://soundstyle.co.jp/shop/products/detail/14





 ▼洗剤との共存は


 基本的には「肌に触れる部分かどうか」が
 洗剤使用の判断基準になります。

 肌にトラブルが出にくいという方は
 もちろん使用しても問題ありません。

 ただ、先週のメルマガでお話したように、
 バリア力が低下しやすい時期には
 侵襲を受けやすくなります。

 年末の忙しい時期も当てはまります。
 できるだけ日常生活で工夫、予防してくださいね。




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