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2025年12月09日配信

寒いから?『肌の乾燥感』の秘密 | 第871号

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2025/12/09━☆
    健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

           「秘密の皮膚科学」

    第871号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 868号で「寒くなると手が荒れる」秘密を
 お話ししました。


 「あれから乾燥に関するご相談メールが
  たくさん届いていますね!」


 はい。
 今日のメルマガでお答えしていきましょう。

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             寒いから?

          『肌の乾燥感』の秘密

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 ▼乾燥肌のお悩みについて


 まずはCさんからのご相談を。


 【ご相談1】「冬の乾燥肌」 Cさん
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 質問です。
 本格的な冬になると、脚は粉が吹くほどに乾燥、
 手はあかぎれだらけになりつらい思いをします。

 黒いスカートなど、粉が付いて目立ち、
 なかなか取れません。ワセリンを
 脚に塗るのも範囲が広すぎるので諦めています。

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 手はワセリンで対処していますが、
 冬の間は繰り返します。

 寒すぎて体に負担がかかっているせいだと
 思いますが、寒さからは逃れられません。
 長年悩んでいるので、何かいいアドバイスが
 あればぜひお願いします。

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 「カサつくのは『異常剥離している』と
  いうことなんですよね」


 ええ。顔だけでなく脚や身体など広範囲な
 部分も異常剥離は起きます。


 「やっぱり寒いから仕方ないのでしょうか」


 いえいえ、白木さん。
 寒いだけでは異常剥離は起きないんですよ。

 この前のメルマガでもお話したように。

 寒い季節は体温を一定に保つため
 間脳の視床下部に大きなストレスがかかります。

 ストレスがかかると侵襲を受けやすい人は、
 皮膚の細胞間脂質の接着力が弱くなり、
 バリア力が低下してしまうのでしたね。

 冬は皮膚のバリア力が低下しやすく侵襲を
 受けやすい状態になっているのです。





 ▼冬に侵襲を起こすもの?


 「冬はクリーニングに出した重衣料との
  接触が増えるのが一因、というお話でしたね」


 その通りです、白木さん。

 脚の場合は、スカートやタイツ、靴下、
 ストッキングなどの抗菌、柔軟加工の
 影響を受けているかもしれません。

 長時間身に着けている、
 パジャマなども確認してみましょう。


 「特にレッグウェアや寝具には
  必ず抗菌加工がされていますよね」


 はい。

 加工されていない靴下やストッキング、タイツを
 見つけることはかなり難しいでしょう。

 開発しないといけないかもしれません......。

 まずは出来る範囲で侵襲を起こすものとの接触を避け、
 ちょっとした寒さを我慢しないようにしましょう。

 朝起きて着替えるときにヒーターをつけたり、
 普段は少し汗ばむくらいの衣類を重ね着して
 調整すると良いでしょう。





 ▼いつもと同じ生活でも


 【ご相談2】「季節のせいか酷くなっている気が」Yさん
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 季節柄空気が乾燥してきたせいか、
 改善は見られず、少し酷くなってるとも
 思えますが、兎にも角にも続けてみたいと思います。

 アドバイスありましたらお願いいたします。

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 「Yさんは現在3ヶ月プログラムに
  参加中です」


 はい。
 最近改善が見られないとのこと。

 牛田は、お湯洗髪や洗濯洗剤の切り替えは
 済んでいるかお聞きしてみました。
 すると、こんなお返事が。


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 牛田様

 ご連絡ありがとうございます。

 湯シャンは1年以上続けております。
 洗濯洗剤は〇〇〇〇さんの「〇〇...」を使っていて
 まだ残っているのとそれほど強くないのではと思い
 切り替えておりませんでした。

 シワが出てきて怖くなってきました。
 洗濯洗剤を直ぐに変えてみます。

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 「洗剤が切り替えられていなかったんですね!」


 そうですね、白木さん。

 バリア力が保たれている夏の間は、
 特に問題なく使えていた洗濯洗剤でも。

 細胞間脂質の接着力が低下する時期や
 侵襲を起こすものとの接触が増える冬になると、
 影響が表れやすくなります。

 同じ生活をしていても、
 急に肌の調子が悪くなってきたように感じるのです。


 「予防のためにも8つの習慣をしておくと
  いいんですね」


 そうですね、白木さん。





 ▼体調と接触物に注意


 冬に乾燥感が出やすくなる理由は、


 〇皮膚のバリア力が低下しやすく侵襲を
  受けやすい状態になるから

 〇クリーニングに出した衣類などとの
  接触が増える季節だから


 でした。

 侵襲に気をつけるのはいつもと同じですが。
 ちょっとした寒さを我慢せず、暖かくして過ごしましょう。




  ☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞ
  https://jstcd.or.jp/contact/



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