メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2005年05月24日配信

第30号 『菌』の秘密 ~補足編~

 みなさん、こんにちは。
 コスメプロデューサー・牛田専一郎です。


 先週まで『菌』の秘密についてお話してきました。

 4週もお付き合いいただいたので、
 『菌』のお話は先週でおしまいにするつもりでした。


 しかし...。
 牛田、実はまだ言い足りないことがあったんです。


 どれもとても大切なお話。
 もう少しだけお付き合いくださいね。

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         『菌』の秘密 ~補足編~


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 ▼牛田が言い足りなかったこと。


 「菌の知識はもう十分、って気がするんですけど...。
  早く次の話題に行きましょうよ~」



 いやいや。
 まだまだ、ですよ。

 菌の世界は奥深いんです!



 「牛田さんが言い足りなかったことって、何ですかぁ?」(フワァ~)



 白木さん、アクビなんかして!
 『美』が遠のきますよ。

 牛田が言い足りなかったことは、


 ●化粧品は菌を退治する!
 ●アクネ菌は悪者じゃない!
 ●菌は生き物!


 という3つのお話。



 「え? 気になるかも...」



 でしょ?
 これらのお話が『菌』の締めくくりになります。
 よ~く聞いていてくださいね。




 ▼化粧品は菌を退治する


 以前に、界面活性剤を多く含む洗剤を使うと、
 お肌を守ってくれる菌が死んでしまう!
 というお話をしました。


 ☆第28号:菌の秘密~殺菌編~
 → http://hisesshoku-derm.com/archives/2005/05/28.html


 ところが、まだあったんです。
 日常何気なく「殺菌」してしまっている行為が。

 それは、化粧品を使うこと。
 厳密には、アルカリ性の化粧品を使うことです。


 人間のお肌は、酸性に強く、アルカリ性に弱い。
 という性質を持っています。

 これはそのまま菌にも当てはまります。


 お肌に住むアクネ菌・表皮ブドウ球菌などの「常在菌」は
 酸性で活動しています。
 アルカリ性では活動できないのです。

 ですから、アルカリ性の化粧品を使うと、
 常在菌はお肌にいられなくなってしまいます。
 そして、悪い菌の侵入を許してしまうのです。



 ▼酸性? アルカリ性? 見破る方法


 「化粧品が酸性なのか、アルカリ性なのか...。
  私でも確められる方法ってあるんですか?」



 残念ながら、一般の消費者の方が見破ることができる方法は
 ありません。
 リトマス紙を用意してください!
 ってわけにはいかないですよね(笑)。


 ですから...。
 ちょっと荒削りな話になってしまいますが、
 何性であれ、化粧品を使わないのが一番なんです。



 「また、コスメプロデューサーなのにそんなこと言って...。
  それは理想かもしれませんけど、実際に毎日すっぴん!
  ってわけにはいかないですよ」




 ▼メイクを楽しみながら菌と付き合う方法


 そうですよね。
 メイクが必要な場面や、
 メイクを楽しみたい場面だってありますよね。

 そこで牛田から提案です。
 またまた繰り返しになりますが...
 

 『夜は何もつけないで寝てください。』


 なぜって?


 常在菌は、殺菌してしまっても、
 1~2時間ほど放置しておけば(=お肌になにもつけずに過ごせば)
 元に戻るからなんです。


 『何もつけない』には
 "菌を復活させる!"
 という意味もあったのですよ。



 ▼アクネ菌は悪者じゃない!


 そして次の話題。
 白木さん、ニキビの原因。と言えば?



 「アクネ菌、ですよね...?」



 やっぱりそんなイメージがありますよね。
 確かに、アクネ菌はニキビの中から検出されます。

 しかし、それは菌の数が増えたときだけなんです。


 アクネ菌はニキビを作るときにだけお肌に現れるのではありません。
 いつもお肌に住み着いているのです。
 悪者どころか、アクネ菌がいることでお肌の健康は保たれているのです。



 「なるほど。アクネ菌自体が悪いのではなくて、
  その数が増えてしまったときに困ったことが起きてしまうんですね」



 そうそう。そういうことなんです。




 ▼アクネ菌が増える理由


 「ちなみに、どんな時にアクネ菌が増えてしまうんですか?」



 アクネ菌は『嫌気性』という性質を持っています。
 お肌に"空気がない状態"が作りだされると、
 増殖してしまうんです。


 お肌にとって、空気がない状態とは?
 それは、毛穴が塞がれてしまった状態のことです。

 強度の精神的ストレスを感じて、交感神経が緊張したりすると、
 人間の毛穴は塞がってしまいます。


 そして出口を失った毛穴には、アクネ菌が増殖。
 増殖したアクネ菌のつくる刺激物で炎症が発生して、
 やがてニキビができてしまうのです。


 「なるほど.........。」




 ▼菌も生き物である


 さて、いよいよ最後の話題ですよ。
 表題のとおり、『菌も生き物である』というお話です。



 「菌は生きているんですね...」



 そうなんです。
 私たち人間と同じく、食べたり、排泄をしたりしながら
 活動しています。



 「菌の食べ物って?」



 お肌に住む菌は、汗や皮脂をエサにしています。
 もちろん、人間の身体以外に住む菌も、エサを食べていますよ。

 たとえば、カメラのレンズにカビがつくことがありますよね。
 あのカビだって菌類の一種。
 レンズにエサがあるから、生きていられるんです。


 そして、驚くべきことに、
 菌が排泄したものは、別の菌のエサになるんです。



 「繋がってるんですね!
  もしかして、菌の世界も食物連鎖を!?」



 そうなんです。
 食べて、排泄して、また別の菌が食べて、排泄して...

 こんなループが続いているんです。




 ▼菌の世界はとってもデリケート


 菌の食物連鎖は、とてもデリケートなバランスで
 成り立っています。

 このバランスが保たれているから、菌は活動できる。
 そして、私たちの身体を守ってくれているんです。

 ところが、洗剤や化粧品を使って『殺菌』してしまうと...


 「バランスは崩れますね」


 そうです。
 そして、『悪い菌』たちが顔を出し始めるんです。

 でも、一旦バランスが崩れてしまっても大丈夫。
 前にも触れたように、復活するパワーを持っているからです。


 だから、お肌を休めること。
 菌が復活するタイミングを与えること。

 特に、メイクを楽しみたい方には
 このことを意識的に心がけてほしいなと思っています。



* * * * * * * * * * * * *


 は~。言い足りなかったこと、言い尽くしました!
 とりあえずのところは...。

 また何か思いついてお話したくなってしまうかもしれません。
 そのときはまた、お付き合いくださいね!


 次回もどうぞお楽しみに!


 ★牛田への感想・コメントはこちらへ。
  http://hisesshoku-derm.com/archives/01about/info.php


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  ★途中結果発表★お肌の悩み治療体験アンケート★
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 「あなたのお肌の悩みを牛田に教えてください!」と
 お願いをしたところ......


 なんと! 117名もの方から声が寄せられました。


 ☆集計の途中経過はこちら
 → http://hisesshoku-derm.com/contents/skinq0512.htm

 みなさん、ありがとうございます!


 牛田は読者の方ひとりひとりのご意見に
 耳をすませたいと思っています。


 まずは、みなさんのお肌を知ること。
 これが「秘密の化粧品」をつくる第一歩となります。 


 引き続きアンケートへの募集をさせていただきますので
 まだの方はぜひぜひご協力くださいね。


 ☆お肌の悩み治療体験アンケート
 → (この募集は締め切りました。)


 よろしくお願いいたします!

 お詫び:昨日までフォームに一部不備がありましたことを
     お詫びいたします。すでに動作確認も済んで、復旧済です。


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