メールマガジン「秘密の皮膚科学」
2012年10月02日配信
第329号 挫折要因?『ビギナーの思い込み』の秘密
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2012/10/02━☆
健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと!
「秘密の皮膚科学」
第329号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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みなさん、こんにちは。
シニアフェローの牛田専一郎です。
今年の夏は、
幅広い年代の方々から
『何もつけない生活を始めました!』
というご報告をいただきました。
そこで、前回は
ビギナーの【不安】にお答えしました。
http://hisesshoku-derm.com/archives/2012/09/328.php
そして今回は
ビギナーの挫折要因にもなっている
【7つの思い込み】に迫ります。
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── 挫折要因? ──
『ビギナーの思い込み』の秘密
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▼よく聞く話=ホントの話?
ではこれから
ビギナーにありがちな【7つの思い込み】を挙げていきます。
そういえばどこかで聞いたことがある、
という項目が多いかもしれません。
すでに何もつけない生活が軌道に乗っている方も、
これらの項目が
なぜ【思い込み】なのか?
なぜ皮膚生理に当てはまらないのか?
一緒に考えてみてくださいね。
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| よくある思い込み その1:
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| 【皮脂で肌がかぶれたり、ニキビができたりする?】
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石けんを使わないと皮脂でかぶれる、
と思う方もいるかもしれません。
皮脂がトラブルの原因となるのは、
皮膚常在菌のバランスが崩れているときです。
常在菌のバランスを崩す原因となるのは、
一次刺激性物質との接触です。
一次刺激性物質との接触があると、
皮膚常在菌が殺菌されてしまい、
皮脂の分解が正常にできなくなります。
分解できなかった脂肪酸により
湿疹や炎症などが起こります。
脂漏性皮膚炎や脂漏性湿疹です。
皮脂が気になるときに洗浄剤を使うのは逆効果。
常在菌のバランスが崩れる一因であるうえに、
皮膚のタンパク変性のダメージが大きくなります。
皮膚常在菌のバランスが整っていれば
自分の皮脂でかぶれることはありません。
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| よくある思い込み その2:
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| 【何もつけずにいたら、肌荒れがひどくなった?】
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「これまでシャンプーや化粧品を使っていても
特に問題がなかったのに、やめたら湿疹ができた......」
そんなふうに感じる方もいるようです。
問題なく使っていた化粧品でも
季節の変わり目になると
突然かぶれを起こす場合があるように、
肌のバリア力はいつも一定ではありません。
体調やストレス、気温の変化などの
外的要因により、日々変化しています。
同じものに接触しても
その時々でトラブルの出方は変わるのです。
"何もつけない生活"を始めたばかりの方は
洗濯洗剤の切り替えや、
衣類・寝具の洗い直しが済んでいないために
トラブルが治まらなかったり、
ひどくなったように感じたりすることもあります。
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| よくある思い込み その3:
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| 【お湯洗髪が、においや抜け毛の原因に?】
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頭皮も髪もタンパク質ですから
シャンプー・リンスなどの界面活性剤を使用することにより
タンパク変性を起こし、傷んでしまいます。
お湯洗髪は、界面活性剤の影響を回避するものです。
毛穴がつまることを心配する方もいますが、
皮脂などの汚れは、お湯のみで充分落とすことができます。
また、抜け毛の原因になることもありませんので、
ご安心くださいませ。
お湯洗髪にしてから抜け毛が減った、髪質が変わった、
というご報告が男性のフェローから届いています。
洗浄剤の使用をやめると
皮膚常在菌が悪性菌の繁殖を抑えてくれるので
頭皮のにおいもしにくくなります。
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| よくある思い込み その4:
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| 【熱めのお湯で洗髪すると、タンパク質が凝固する?】
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人体のタンパク質の構造(部位)によって
熱変性を起こす温度は異なりますが。
42℃程度のお風呂に入っても
やけどをすることはありませんね。
髪や頭皮も同じです。
皮膚のタンパク質が熱変性(火傷)を起こすのは、
触れられないくらいの高温です。
シャワーを浴び続けられる程度の温度では
髪や皮膚に影響はありませんので、ご安心ください。
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| よくある思い込み その5:
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| 【柔軟剤を使わないと、洗濯物のゴワゴワ感が刺激になる?】
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洗濯物がゴワゴワしていても、
生地に一次刺激性物質が付着していなければ
肌にトラブルが出ることはありません。
皮膚の役割は体内を守ることですので、
柔軟剤を使用していないタオルで身体を拭いただけで
傷つくことはないのです。
当メルマガの読者のみなさんはご存知のように、
柔軟剤は一次刺激性物質です。
タオルの使用感よりも
肌の健康を選びましょう。
洗濯物を柔らかく仕上げたいときは
安易に柔軟剤を使うのではなく
乾かし方を工夫しましょう。
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| よくある思い込み その6:
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| 【合成洗剤はよくない?】
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これは、よかれと思って
石けんで洗濯していた方に多い思い込みです。
具体的には、次の3つの不安をよく耳にします。
1.「合成洗剤で洗濯したら身体にかゆみが出るのでは?」
合成洗剤でも、柔軟剤や蛍光増白剤、抗菌剤、
油脂由来の界面活性剤を使用しているものは、
肌にトラブルが出ることがわかっています。
2.「秘密の皮膚科学」指定の洗剤(トップクリアリキッド)
の合成界面活性剤が肌に刺激になるのでは?」
洗濯洗剤の液が直接肌に触れると刺激になりますが、
肌に使うものではないので問題ありません。
洗濯洗剤は、洗濯後に布地に残留があるかどうか、
が重要になります。
3.「合成洗剤は環境によくないのでは?」
最近の合成界面活性剤(AE系など)は、
従来の合成界面活性剤(LAS)より生分解性が優れており、
界面活性剤の使用量もかなり少なくなっています。
石けんの環境への優位性は謳えなくなってきています。
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| よくある思い込み その7:
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| 【水道水の塩素に、肌が負ける?】
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└────────────────────────────
塩素が皮膚刺激となるのは、
日常的には接することのない高濃度の場合です。
水道水やプールに含まれる程度の塩素が
肌や髪に影響を及ぼすことは考えられないでしょう。
塩素よりも、
手に付着している柔軟剤や抗菌剤のほうが
(ほんの一瞬の接触であっても)
肌のトラブルを引き起こすことがあります。
▼よくある思い込みは、ここまで。
白木さんもビギナーの気持ちにかえって
読んでいましたね。
さて、いかがでしたか?
「ちまたで耳にする情報が
必ずしも真実ではない、
ということを改めて思い出しました。
日々の生活のいろんなことに
疑問を持つことが大切ですね」
2回にわたってお届けしたビギナー特集、
白木さんも初心を取り戻した?ようです。
すでに始めている方も
ビギナーの方も
実り多き秋となりますように。
次回は、
ASVCモニター・最終報告アンケート
の集計結果をお知らせいたします。
どうぞお楽しみに!
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