バックナンバーメールマガジン「秘密の皮膚科学」
2025年12月04日配信
人間の身体に住んでいる?『常在菌』の秘密 | 第870号
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2025/12/02━☆
健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと
「秘密の皮膚科学」
第870号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆
みなさん、こんにちは。
シニアフェローの牛田専一郎です。
今週は常在菌についてお話します。
「当たり前のように話をしていましたが、
そういえば具体的には知らないですね」
はい。皮膚だけなく腸にも住んでます。
健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと
「秘密の皮膚科学」
第870号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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みなさん、こんにちは。
シニアフェローの牛田専一郎です。
今週は常在菌についてお話します。
「当たり前のように話をしていましたが、
そういえば具体的には知らないですね」
はい。皮膚だけなく腸にも住んでます。
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人間の身体に住んでいる?
『常在菌』の秘密
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▼常在菌って?
常在菌は私たちの身体の表面や内部に
もともとすみついている細菌です。
人の身体には皮膚常在菌と腸内常在菌があります。
常在菌は私たちの健康を守っています。
【皮膚常在菌】
常在菌は皮膚表面を弱酸性に保ち、
悪性菌の増殖を阻止しています。
「たしか悪性菌はアルカリ性でしか
増殖できないんでしたよね」
よく覚えていましたね、白木さん。
皮膚常在菌では以下の菌が優位に常在しています。
◇アクネ菌
◇表皮ブドウ球菌
◇黄色ブドウ球菌
これらの菌は皮脂を分解して、グリセリン・オレイン酸・
パルミチン酸・ステアリン酸・酢酸プロピオン酸・
ニコチン酸などを代謝産生し、
それぞれがそれをエサに増殖促進をするという
複雑な食物連鎖があるようです。
【腸内常在菌】
腸の中には100兆個以上の菌が住んでいます。
これらの菌の集まりを「腸内フローラ」と呼びます。
◇善玉菌:ビフィズス菌、乳酸菌
◇悪玉菌:ウェルシュ菌、ブドウ菌
◇日和見菌:連鎖球菌、バクテロイデス
「よく耳にするビフィズス菌は腸内常在菌だったんですね」
そうなのです、白木さん。
腸内細菌は主に大腸に存在し、
栄養素の吸収を補助したり、病原菌の侵入を防いだり、
腸粘膜を保護したりするはたらきがあります。
腸内常在菌の種類は約1,000種類、
重さにすると1~2kgと言われています。
▼常在菌はいつからすんでいる?
「さっき牛田さんは、常在菌はもともと
身体にすみついていると言っていましたが、
生まれたときからいるんですか?」
じつはお母さんのお腹にいるとき、
胎児は無菌とされています。
生まれるときに母親の膣内細菌(ラクトバチルスなど)が
赤ちゃんの体に付着し、皮膚、口、腸へと菌が入り込みます。
これが最初の常在菌セットになります。
「帝王切開の場合もありますよね?」
ええ。
その場合は空気中の菌、医療スタッフや
母親の皮膚菌が主な供給源となります。
乳児期は母乳やスキンシップを通じて
家族の皮膚菌が赤ちゃんに写ります。
母乳中のヒトミルクオリゴ糖(HMO)が
腸のビフィズス菌の大切なエサとなり、腸内環境を
整えていきます。
幼児期になると、外遊びで触れる土や動物、
食事などを通じてさまざまな菌と触れます。
この時期に多様な菌と触れ合うことは、
免疫を育てる上でも非常に重要とされています。
そして自分だけの常在菌バランスが
完成していくのです。
「常在菌のバランスは人によって
違うんですか?
そうなんですよ、白木さん。
常在菌のバランスは一人一人固有のものであると
考えられています。
▼育てられる?常在菌
「よく腸内環境を整える、とか
常在菌を育てる化粧水とか聞きますが」
そうですね、白木さん。
善玉菌を増やすスキンケアや食生活が
いろいろ推奨されているようです。
ですが、特定の菌を意図的に増やすことは
難しいでしょう。肌につけるものや
食べるもので、常在菌のバランスが変わってしまったら、
生命を守ることはできません。
「たしかにそうですね......」
善玉菌、悪玉菌といいますが、
善悪は人間の都合で分けられているに過ぎません。
「善」と「悪」両者の菌が共生している状態が
健康にとって良いバランスなのです。
▼共生関係を
「皮膚も体内も、常在菌は
健康を守る重要な役割をしているんですね」
そうですね、白木さん。
精妙なバランスを保ちながら、
私たちと菌は共生しているんですね。
☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞ
人間の身体に住んでいる?
『常在菌』の秘密
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▼常在菌って?
常在菌は私たちの身体の表面や内部に
もともとすみついている細菌です。
人の身体には皮膚常在菌と腸内常在菌があります。
常在菌は私たちの健康を守っています。
【皮膚常在菌】
常在菌は皮膚表面を弱酸性に保ち、
悪性菌の増殖を阻止しています。
「たしか悪性菌はアルカリ性でしか
増殖できないんでしたよね」
よく覚えていましたね、白木さん。
皮膚常在菌では以下の菌が優位に常在しています。
◇アクネ菌
◇表皮ブドウ球菌
◇黄色ブドウ球菌
これらの菌は皮脂を分解して、グリセリン・オレイン酸・
パルミチン酸・ステアリン酸・酢酸プロピオン酸・
ニコチン酸などを代謝産生し、
それぞれがそれをエサに増殖促進をするという
複雑な食物連鎖があるようです。
【腸内常在菌】
腸の中には100兆個以上の菌が住んでいます。
これらの菌の集まりを「腸内フローラ」と呼びます。
◇善玉菌:ビフィズス菌、乳酸菌
◇悪玉菌:ウェルシュ菌、ブドウ菌
◇日和見菌:連鎖球菌、バクテロイデス
「よく耳にするビフィズス菌は腸内常在菌だったんですね」
そうなのです、白木さん。
腸内細菌は主に大腸に存在し、
栄養素の吸収を補助したり、病原菌の侵入を防いだり、
腸粘膜を保護したりするはたらきがあります。
腸内常在菌の種類は約1,000種類、
重さにすると1~2kgと言われています。
▼常在菌はいつからすんでいる?
「さっき牛田さんは、常在菌はもともと
身体にすみついていると言っていましたが、
生まれたときからいるんですか?」
じつはお母さんのお腹にいるとき、
胎児は無菌とされています。
生まれるときに母親の膣内細菌(ラクトバチルスなど)が
赤ちゃんの体に付着し、皮膚、口、腸へと菌が入り込みます。
これが最初の常在菌セットになります。
「帝王切開の場合もありますよね?」
ええ。
その場合は空気中の菌、医療スタッフや
母親の皮膚菌が主な供給源となります。
乳児期は母乳やスキンシップを通じて
家族の皮膚菌が赤ちゃんに写ります。
母乳中のヒトミルクオリゴ糖(HMO)が
腸のビフィズス菌の大切なエサとなり、腸内環境を
整えていきます。
幼児期になると、外遊びで触れる土や動物、
食事などを通じてさまざまな菌と触れます。
この時期に多様な菌と触れ合うことは、
免疫を育てる上でも非常に重要とされています。
そして自分だけの常在菌バランスが
完成していくのです。
「常在菌のバランスは人によって
違うんですか?
そうなんですよ、白木さん。
常在菌のバランスは一人一人固有のものであると
考えられています。
▼育てられる?常在菌
「よく腸内環境を整える、とか
常在菌を育てる化粧水とか聞きますが」
そうですね、白木さん。
善玉菌を増やすスキンケアや食生活が
いろいろ推奨されているようです。
ですが、特定の菌を意図的に増やすことは
難しいでしょう。肌につけるものや
食べるもので、常在菌のバランスが変わってしまったら、
生命を守ることはできません。
「たしかにそうですね......」
善玉菌、悪玉菌といいますが、
善悪は人間の都合で分けられているに過ぎません。
「善」と「悪」両者の菌が共生している状態が
健康にとって良いバランスなのです。
▼共生関係を
「皮膚も体内も、常在菌は
健康を守る重要な役割をしているんですね」
そうですね、白木さん。
精妙なバランスを保ちながら、
私たちと菌は共生しているんですね。
☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞ
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