バックナンバーメールマガジン「秘密の皮膚科学」

2025年01月28日配信
普及への一考察?『治療現場の現状』の秘密 | 第833号
健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと
「秘密の皮膚科学」
第833号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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みなさん、こんにちは。
シニアフェローの牛田専一郎です。
831号では、10年間治療現場への普及に
苦戦しているというお話をしました。
「患者さんは必要としていそうですが、
なぜなんでしょうね......」
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普及への一考察?
『治療現場の現状』の秘密
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▼どうなってる?治療の現場
まずわかってきたのは、
牛田が思っているほど患者さんには
非接触生活を行う理由がない、ということ。
「え?どうしてですか?!」
なぜなら必要性を感じないからです。
非接触生活の対象症状には、
◇ニキビ、毛穴の開き、酒さ、赤み、毛孔性角化症
◇しわ、カサつき、乾燥
◇肌荒れ、アトピー性皮膚炎、痒み
◇シミ、くすみ、肝斑、黒ずみ
症状ごとに対症療法があることです。
たとえば、
◇ニキビ、毛穴の開き、酒さ、赤み、毛孔性角化症
→内服薬、ステロイド外用薬、レーザー治療
◇しわ、カサつき、乾燥
→ヒアルロン酸注射、ヒルドイド等の保湿剤
◇肌荒れ、アトピー性皮膚炎、痒み
→ステロイド外用剤、JAK阻害薬、デュピルマブ
◇シミ、くすみ、肝斑、黒ずみ
→レーザー治療、光治療(IPL治療)、内服薬、
ハイドロキノン等外用剤
「JAK阻害薬とかデュピルマブは
メルマガで聞いたことあるような」
覚えていますか、白木さん。
どちらも最近の新薬ですね。
☆新しい展開?『アトピー性皮膚炎の治療』の秘密 第706号
https://hisesshoku-derm.com/archives/2022/04/_706.php
対象症状は非接触生活でなくても
根治できる(と思われている)ため
わざわざやってみる気になりにくいのでしょう。
飲むだけ、塗るだけで改善することができれば
それに越したことはありませんね。
「症状が軽くなるから通院しているわけで、
治療には満足しているということですね」
その通りです、白木さん。
治療中に症状が軽快する患者さんには
非接触生活を行う動機がありません。
▼非接触にたどり着く方は
以前研究会では3ヶ月プログラムに参加した方に、
通院経験や治療満足度について
アンケートを取ったことがありました↓
☆病院での治療満足度アンケート
https://jstcd.or.jp/dataroom/2013_2_22_clinicenq/
284名のアンケート回答で、通院経験のある方は約7割。
治療に満足した方はたったの15%でした。
「10年以上も皮膚科に通った方もいますよね」
ええ。
治療をやめると症状がぶり返す、
病院を変えても根治することがない、など
長期の治療に絶望してしまったという方も少なくありません。
「ということは、非接触にたどり着く人は
治療で根治しないことに気づいた人、
ということですか」
そうですね。
過剰な衛生、スキンケアの推奨に疑問を持って、
ネットで検索した方もいらっしゃいますが。
現在の治療法では根治しない肌タイプの存在は
認識されていないというのが現状かもしれません。
医師、患者ともにですが。
「当然、通院中の患者さんには伝わらない」
はい。
サイトを改良し、わかりやすくしても
患者さんがやってみるまでには至らない
というわけです。
▼医師サイドは?
「先生はどうなのでしょうか?」
そうですね......。
長くなってしまいましたので
続きはまた来週お話しましょう。
☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞ
https://jstcd.or.jp/contact/

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