メールマガジン「秘密の皮膚科学」
2009年12月22日配信
第216号 筋肉の衰えはたるみのもと?『ちょっと気になるQ&A』の秘密
みなさん、こんにちは。
コスメプロデューサーの牛田専一郎です。
前回は、2009年度版の"カサつきQ&A"を
お届けしました。
☆お肌のカサカサはシワのもと?『冬のカサつきQ&A』の秘密
http://hisesshoku-derm.com/archives/2009/12/215.php
ご質問にはみんなお答えしたことだし、
白木さん、今日はクリスマスの飾りつけでも......。
「牛田さんっ!
冬休みモードに入るにはまだ早いですよ。
カサカサ対策以外にも、
お問い合わせのメールがたっくさん届いているんです」
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── 筋肉の衰えはたるみのもと? ──
『ちょっと気になるQ&A』の秘密
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▼日々の素朴な疑問、たくさん頂いています
「ここのところ、よく届いているのは、
・食べ物と皮膚には関連性があるの?
・この洗顔剤は使っても大丈夫ですか?
・たるみを防ぐにはどうしたらいいですか?
といったご質問ですね」
個々にお答えしていますが、
メルマガではまだ取り上げていませんでしたね。
今回は、最近よくいただくご質問を
7つご紹介します。
┌────────────────────────────
|◆Q1【皮脂のヌルつきが気になります】
|
| 何もつけないで洗顔すると顔の脂で手がヌルヌル、
| テカテカする程ですっきりしません。
|
| ASVCを塗るとすっきりしますが、
| 朝はできないので
| 何かいい方法はありますか?
|
| (30代・女性)
|
└────────────────────────────
⇒⇒⇒【ぬるま湯で洗顔しましょう】
べたつきが気になるときは、
水ではなくぬるま湯で洗顔しましょう。
皮脂が落ちやすくなります。
洗浄剤やシャンプー・リンスとの接触を断つことで、
だんだんと過剰な皮脂分泌が治まっていきます。
よく心配される方がいますが、
皮脂がニキビや角栓の原因になることはありませんので
ご安心ください。
また、洗顔するときに手が当たっても大丈夫?、
洗顔するときはこすらないほうがいい?という
ご質問もよく届きます。
洗顔は強くこすらなければ、特に問題はありません。
手を使って軽く洗うとよいでしょう。
┌────────────────────────────
|◆Q2【体質と毛穴には関係がある?】
|
| 脂が出やすい体質と
| 毛穴がなかなかなくならないのは
| やはり関係がありますか?
|
| 何もつけない、洗顔剤もなるべく使用しない。
| これ以外にポイントがありましたら
| 是非教えて下さい。
|
| (30代・女性)
|
└────────────────────────────
⇒⇒⇒【関係性は未だ解明されていません】
残念ながら、現在のところ
体質と毛穴の関連は確かではありません。
ただし、石けんなどの洗浄剤を使用しなければ、
皮脂の過剰な分泌や毛穴の黒ずみは
目立たなくなることが分かっています。
メイクをするときも、
ファンデーションはブラシでつける程度にし、
お湯と手ぬぐいのみで落とすようにしましょう。
┌────────────────────────────
|◆Q3【食べ物、ホルモンとお肌の関係は?】
|
| 乳製品をとりすぎて
| おでこに吹き出物ができることがある、
| というお話を耳にしました。
|
| 内臓で分解しきれていないためだそうです。
|
| ほほの辺りはホルモンのバランス崩れ、
| アゴあたりは胃腸の働きでできるとも聞きました。
|
| 界面活性剤を含むものだけでなく、
| 食べ物などにも気をつけた方がより良いのでしょうか?
|
| (20代・女性)
|
└────────────────────────────
⇒⇒⇒【お肌は特定の食べ物の影響を受けない臓器です】
Q2と同様に、
特定の食べ物と吹き出物の相関性は確かではありませんが
バランスのよい食事を心がければ問題ないでしょう。
お肌は、特定の食べ物の影響を
受けない臓器と言われています。
食べた物は、腸で分子レベルに分解吸収され、
肝臓を通って、一定の割合でバランスされて
血流に乗っています。
皮膚の細胞に必要な栄養は、
バランスがとられた血液から受け取っているので、
食べた食品の種類の影響を受けないのです。
ただし、暴飲暴食によって体調を崩すと
皮膚のバリア機能が低下し、
お肌がカサついたりする場合があります。
これは、お肌の弱い方なら
ご経験があるのではないでしょうか。
また、額やフェイスラインにできる吹き出物は、
コートの襟や帽子、マフラー、セーターなど
クリーニングに出した衣類や寝具の影響が考えられます。
吹き出物が繰り返しできる場合は、
日常生活でお肌に触れているものを見直してみましょう。
お肌とホルモンの関係については、
以前に5回のシリーズでお話しました。
興味のある方は、ご参考になさってくださいね。
☆5つのキーワード?『生理とお肌』の秘密
http://hisesshoku-derm.com/archives/2009/02/183.php
┌────────────────────────────
|◆Q4【使っても大丈夫?(1)
| ~レチシンで乳化した洗顔剤~】
|
| 石けん洗顔は顔がパリパリになるので、
| ○○○○のローズクレンジング(レシチンで乳化)を
| 夜だけ使用しています。
|
| これは、使っても大丈夫なものでしょうか?
|
| (30代・女性)
|
└────────────────────────────
⇒⇒⇒【クレンジング剤はカサつき、シワのもと】
レシチンで乳化したものにも、
石けんなどと同様の界面活性効果があります。
クレンジングの使用はお肌を傷め、
カサつき・シワ等の原因になります。
お肌に悩みのあるときは使用しないようにしましょう。
また、なかなかカサつきが治まらない場合は、
現在使用しているファンデーションの
全成分を確認しましょう。
ファンデーションはブラシで薄くつけましょう。
ぬるま湯と手ぬぐいで落とせる程度、を目安に。
┌────────────────────────────
|◆Q5【使っても大丈夫?(2)
| ~オリーブ石けん~】
|
| ○○○のオリーブ石けんはどうでしょう?
|
| 成分はオリーブオイルとローレルオイルのみの
| 手作り石けんです。
|
| "何もつけない"を実践中ですが
| 体がぬるっとする時や、足を洗うのに
| 石けんが使いたいときがあるのです。
|
| (40代・女性)
|
└────────────────────────────
⇒⇒⇒【日常的な汚れなら、お湯だけで十分です】
どのような石けんも界面活性剤ですので、
タンパク変性作用があります。
また、オイル分が多く含まれている石けんは、
洗い上がりがしっとりするため、
お肌の自然な皮脂分泌を妨げてしまいます。
お肌が強くない方は、
石けんを使用しないほうがよいでしょう。
洗剤を使わなければ落とせないような
汚れが付着していない限り、お湯洗いで十分です。
顔と同じく、身体にも
石けんやボディソープを使用する必要はありません。
詳しくは、下記のバックナンバーでどうぞ。
☆顔と同じでいいの?『身体の洗い方』の秘密
http://hisesshoku-derm.com/archives/2008/03/138.php
┌────────────────────────────
|◆Q6【使っても大丈夫?(3)
| ~無水コールドクリーム~】
|
| しっかりメイクをしたいのですが、
| 落とす方法で悩んでいます。
|
| コールドクリームで落とす、というのはどうでしょうか?
|
| 実は最近、界面活性剤の害について
| 発信している会社のサイトを発見しました。
|
| そのサイトでメイク落としとして推奨している
| 無水コールドクリームならよいのでは?
| と思ったのですが......。
|
| (30代・女性)
|
└────────────────────────────
⇒⇒⇒【コールドクリームにはオイルが含まれています】
コールドクリームに界面活性剤は使用されていませんが、
オイル類が多く含まれているので、
それを落とすために洗浄剤が必要になると思われます。
ときどきでしたら、
クレンジングなどの洗浄剤を使用しても
問題ないでしょう。
日ごろからお肌を傷めるものと接触していなければ
洗浄剤に触れても、ダメージは現れにくくなります。
メイクの落とし方については
下記のバックナンバーをご参考に。
☆界面活性剤不使用?『メイク落としの誤解』の秘密
http://hisesshoku-derm.com/archives/2008/09/162.php
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|◆Q7【顔筋マッサージはたるみ対策になりますか?】
|
| 顔に力を入れてマッサージをして、
| 表情筋に筋肉をつけると
| たるみ対策になるでしょうか?
|
| 顔も身体と同じで、動かさないと
| 表情筋の筋力が衰えるような気がします。
|
| (20代・女性)
|
└────────────────────────────
⇒⇒⇒【たるみ対策には、全身運動を!】
残念ですが、力を入れたマッサージで
顔に筋肉をつけることはできないと思われます。
筋肉は、衰えてもたるむことはありません。
たるみの原因となるのは、脂肪ですので
全身運動が有効でしょう。
身体を動かして汗をかくようにしましょう。
身体の新陳代謝を高めることができます。
運動後にマッサージをすると、
リンパが活性化して老廃物を取り除くことができますよ。
詳しくは、こちらのバックナンバーで。
☆お肌の敵? 味方? 『顔のマッサージ』の秘密
http://hisesshoku-derm.com/archives/2007/09/112.php
今回は、最近よく頂く7つのご質問にお答えしました。
いかがだったでしょうか?
わたしも疑問・不安に思っていることがあるんです!
という方は、お気軽にどうぞこちらへ。
→ http://jstcd.or.jp/contact/
白木さんとお待ちしています。
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