メールマガジン「秘密の皮膚科学」
2010年07月20日配信
第243号 みずみずしく?『角質水分量』の秘密
みなさん、こんにちは。
コスメプロデューサーの牛田専一郎です。
今日の白木さんは
机に食品ラップを広げて
じーーーっと見ています......。
食品ラップが、どうかしましたか??
「角質層は、これとほぼ同じ厚さなんですよね!」
そうそう。前回そんなお話をしましたね。
http://hisesshoku-derm.com/archives/2010/07/242.php
角質層は、厚さわずか0.02mm。
こんなに薄いのに水も空気も通さない、スゴい組織なのです。
コスメプロデューサーの牛田専一郎です。
今日の白木さんは
机に食品ラップを広げて
じーーーっと見ています......。
食品ラップが、どうかしましたか??
「角質層は、これとほぼ同じ厚さなんですよね!」
そうそう。前回そんなお話をしましたね。
http://hisesshoku-derm.com/archives/2010/07/242.php
角質層は、厚さわずか0.02mm。
こんなに薄いのに水も空気も通さない、スゴい組織なのです。
☆------------------------------------------------------------☆
── みずみずしく? ──
『角質水分量』の秘密
☆------------------------------------------------------------☆
▼機能も食品ラップと同じ?
角質はどのようにつくられるのか。
前回はその過程を解説しました。
☆角化の過程
http://hisesshoku-derm.com/archives/2010/07/kakuka.php
角質層は、
ケラチン線維になった角質片と
細胞間脂質によって構成されています。
角質片が壁の役割をし、細胞間脂質が接着剤の役割をして
角質片の剥離を止めています。
角質片は11~15の層をつくって重なっています。
"角質層"と呼ばれるのはそのためです。
そんなにも多くの重なりがあるにもかかわらず、
角質層の厚さは0.02mmくらいしかありません。
冒頭で白木さんが話していた通り、
角質層は食品ラップと同じくらいの薄さですが、
【水も空気も通さない】という点においても
食品ラップと同じ能力を持っています。
▼年齢とお肌の水分量は無関係
「皮膚は水や空気を通さない、っていうお話は
バックナンバーでも何度か登場していますよね。
でも、やっぱり水分は皮膚に浸透するんじゃないか?
ってお問い合わせは今もちょこちょこ届いているんですよ」
┌────────────────────────────
|◇【お風呂上がりにしっとりするわけは?】
|
| お風呂上がりのお肌は誰でもみずみずしいと思います。
| これは水分が皮膚(角質層)に
| 浸透しているからなのではないですか?
|
| 石けんで皮脂膜が洗い流された場合、
| 角質層の表面辺りには、化粧水がしみ込むのではないですか?
|
| 「角質水分量は年齢によって低下しない」
| という資料についてですが、赤ちゃんのぷるぷる肌と、
| 80歳のおばあさんのお肌の水分量が同じとは思えません。
| これは表皮の水分の違いですか?
|
| (50代・女性)
└────────────────────────────
まずは、水分量と年齢の相関についてお話ししましょう。
皮脂量や角質水分量は年齢とともに低下しません。
これらは、測定時の汗や湿度など
測定条件や環境によって変化する数値です。
加齢によって低下するのは【弾力性のみ】です。
(詳しくは下記をご覧ください↓)
☆第38号 カンケイない!? 『年齢とのカンケイ』の秘密
http://hisesshoku-derm.com/archives/2005/07/38.php
☆資料:皮膚弾力測定による肌年齢の算出
http://hisesshoku-derm.com/archives/2005/11/post-4.php
▼湯上がりのお肌がみずみずしい理由
「角質水分量が減ってしまうのは
年齢のせいではないのですね。
でも、お問い合わせにあるように、
入浴後のお肌がみずみずしいのは事実ですよね!?」
そんな風に感じるのは、理由があるんですよ。
入浴によって、皮脂と皮脂に混ざった
剥離した角質が洗い流されたからです。
お湯を使うことにより血行が良くなり
柔軟性が増しているからです。
角質水分量とは無関係なのです。
つまり、垢が流されてサッパリした肌に見え、
柔軟性がしっとりした感触にしているのです。
男の人は、髭剃りの時に蒸しタオルを使うと
肌や髭が柔軟になるので分かると思います。
ところが、角質水分量が変化していそうな
部分があります。
長く湯船に浸かっていると
手のひらや足の裏がシワシワになったことがありますね。
角質片にはNMF(Natural Moisturizing Factor:天然保湿因子)
があり、元々水分を少し含んで柔軟性を保っています。
NMFはシャワーや浴槽のお湯から湿気を吸い
角質片が膨潤(ぼうじゅん)してしまうようです。
もちろん、水分を通さない細胞間脂質の層が
ありますから、角質層の表面だけの現象ですが。
ただし、この現象は皮脂腺の少ない手のひらや足の裏のみで
皮脂腺の多い他の部分で経験した人はいないでしょう。
▼化粧水や乳液でみずみずしく?
化粧品の広告でも、
水分量に関する表現はたくさん使われています。
┌────────────────────────────
|◇【潤いに満ちた肌とは?】
|
| 一つとても素朴な質問をさせてください。
| 正常な肌の状態とはどういった状態なのでしょう?
|
| よく「しっとりとうるおいに満ちた」などと、
| 化粧品の広告では言ってますが、
| 体のどこを見てもしっとりしているとは思えないのです。
|
| サラサラしていて、手が吸い付くような
| 部分はどこにもありません。
| 水分も油分も十分にあると、実際肌は
| どんな状態になるものなのかとても疑問なんです。
|
| (40代・女性)
└────────────────────────────
健康な素肌は、多くの人の場合は衣服の下に隠れています。
ちょっと前には、二の腕が本来の肌ですと言っていました。
最近は、洗濯洗剤の問題もあり、身体にも皮膚トラブルが
多くなっているように感じています。
二の腕に毛孔性角化症があると困ってしまうのですが、
みなさんも腕を出して裏側を見てくださいね。
いかがですか。
しっとりでしたか、サラサラでしたか。
▼お肌の水分量はなぜ下がる?
「角質水分量の低下が加齢によるものでないということは、
何歳でも、みずみずしいお肌になれるってことですよね?
測定モニターさんから、こんなメールを頂きましたよ」
┌────────────────────────────
|◇【みずみずしいお肌になるコツは?】
|
| 測定では結果が全体的に下がって
| 正直、ショックでした......。
| 一番は、水分量が極端に減っていたことです。
| みずみずしさがなくなったのが気になっていたので。
|
| 水分量を上げるのは何かコツがあったりしますか?
| 洗顔の時にこすりすぎなんでしょうか?
| 手ぬぐいももう少し優しくやってみますが......。
|
| お肌にみずみずしさを求めたい場合、
| どうしたらよいでしょうか?
| (測定モニター・Aさん)
└────────────────────────────
前回のおさらいになりますが、
角質が一次刺激性物質と接触すると、
タンパク変性が起こり、皮膚のバリア力が低下します。
角質と角質の間をつなぐ接着剤(のり)の役割をしていた
細胞間脂質の機能が低下し、
角質が剥離してしまいます。
お肌がカサつくように感じるのはこのため。
それまで接着剤によって貼り付いていた角質が
剥がれて立ち上がってしまうからです。
角質水分量は、測定条件や環境によって変化する数値です。
皮膚は乾燥しない、角質層から水分の出入りはないのです。
ですから、
カサつきのない滑らかな素肌を取り戻すには、
一次刺激物質との接触を断つことが第一です。
お肌がカサついているように感じる人は
日頃の接触を見直しましょう。
☆牛田への感想・コメントなどがありましたら、
お気軽にどうぞこちらへ。
→→ http://jstcd.or.jp/contact/
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
☆編集後記☆
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ファミコン本体と同時発売したソフト3点セット!
(ポパイ )
(ドンキーコング)
(ドンキーコングJR.)
次号の「牛田プロジェクト」は7月22日配信予定。
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── みずみずしく? ──
『角質水分量』の秘密
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▼機能も食品ラップと同じ?
角質はどのようにつくられるのか。
前回はその過程を解説しました。
☆角化の過程
http://hisesshoku-derm.com/archives/2010/07/kakuka.php
角質層は、
ケラチン線維になった角質片と
細胞間脂質によって構成されています。
角質片が壁の役割をし、細胞間脂質が接着剤の役割をして
角質片の剥離を止めています。
角質片は11~15の層をつくって重なっています。
"角質層"と呼ばれるのはそのためです。
そんなにも多くの重なりがあるにもかかわらず、
角質層の厚さは0.02mmくらいしかありません。
冒頭で白木さんが話していた通り、
角質層は食品ラップと同じくらいの薄さですが、
【水も空気も通さない】という点においても
食品ラップと同じ能力を持っています。
▼年齢とお肌の水分量は無関係
「皮膚は水や空気を通さない、っていうお話は
バックナンバーでも何度か登場していますよね。
でも、やっぱり水分は皮膚に浸透するんじゃないか?
ってお問い合わせは今もちょこちょこ届いているんですよ」
┌────────────────────────────
|◇【お風呂上がりにしっとりするわけは?】
|
| お風呂上がりのお肌は誰でもみずみずしいと思います。
| これは水分が皮膚(角質層)に
| 浸透しているからなのではないですか?
|
| 石けんで皮脂膜が洗い流された場合、
| 角質層の表面辺りには、化粧水がしみ込むのではないですか?
|
| 「角質水分量は年齢によって低下しない」
| という資料についてですが、赤ちゃんのぷるぷる肌と、
| 80歳のおばあさんのお肌の水分量が同じとは思えません。
| これは表皮の水分の違いですか?
|
| (50代・女性)
└────────────────────────────
まずは、水分量と年齢の相関についてお話ししましょう。
皮脂量や角質水分量は年齢とともに低下しません。
これらは、測定時の汗や湿度など
測定条件や環境によって変化する数値です。
加齢によって低下するのは【弾力性のみ】です。
(詳しくは下記をご覧ください↓)
☆第38号 カンケイない!? 『年齢とのカンケイ』の秘密
http://hisesshoku-derm.com/archives/2005/07/38.php
☆資料:皮膚弾力測定による肌年齢の算出
http://hisesshoku-derm.com/archives/2005/11/post-4.php
▼湯上がりのお肌がみずみずしい理由
「角質水分量が減ってしまうのは
年齢のせいではないのですね。
でも、お問い合わせにあるように、
入浴後のお肌がみずみずしいのは事実ですよね!?」
そんな風に感じるのは、理由があるんですよ。
入浴によって、皮脂と皮脂に混ざった
剥離した角質が洗い流されたからです。
お湯を使うことにより血行が良くなり
柔軟性が増しているからです。
角質水分量とは無関係なのです。
つまり、垢が流されてサッパリした肌に見え、
柔軟性がしっとりした感触にしているのです。
男の人は、髭剃りの時に蒸しタオルを使うと
肌や髭が柔軟になるので分かると思います。
ところが、角質水分量が変化していそうな
部分があります。
長く湯船に浸かっていると
手のひらや足の裏がシワシワになったことがありますね。
角質片にはNMF(Natural Moisturizing Factor:天然保湿因子)
があり、元々水分を少し含んで柔軟性を保っています。
NMFはシャワーや浴槽のお湯から湿気を吸い
角質片が膨潤(ぼうじゅん)してしまうようです。
もちろん、水分を通さない細胞間脂質の層が
ありますから、角質層の表面だけの現象ですが。
ただし、この現象は皮脂腺の少ない手のひらや足の裏のみで
皮脂腺の多い他の部分で経験した人はいないでしょう。
▼化粧水や乳液でみずみずしく?
化粧品の広告でも、
水分量に関する表現はたくさん使われています。
┌────────────────────────────
|◇【潤いに満ちた肌とは?】
|
| 一つとても素朴な質問をさせてください。
| 正常な肌の状態とはどういった状態なのでしょう?
|
| よく「しっとりとうるおいに満ちた」などと、
| 化粧品の広告では言ってますが、
| 体のどこを見てもしっとりしているとは思えないのです。
|
| サラサラしていて、手が吸い付くような
| 部分はどこにもありません。
| 水分も油分も十分にあると、実際肌は
| どんな状態になるものなのかとても疑問なんです。
|
| (40代・女性)
└────────────────────────────
健康な素肌は、多くの人の場合は衣服の下に隠れています。
ちょっと前には、二の腕が本来の肌ですと言っていました。
最近は、洗濯洗剤の問題もあり、身体にも皮膚トラブルが
多くなっているように感じています。
二の腕に毛孔性角化症があると困ってしまうのですが、
みなさんも腕を出して裏側を見てくださいね。
いかがですか。
しっとりでしたか、サラサラでしたか。
▼お肌の水分量はなぜ下がる?
「角質水分量の低下が加齢によるものでないということは、
何歳でも、みずみずしいお肌になれるってことですよね?
測定モニターさんから、こんなメールを頂きましたよ」
┌────────────────────────────
|◇【みずみずしいお肌になるコツは?】
|
| 測定では結果が全体的に下がって
| 正直、ショックでした......。
| 一番は、水分量が極端に減っていたことです。
| みずみずしさがなくなったのが気になっていたので。
|
| 水分量を上げるのは何かコツがあったりしますか?
| 洗顔の時にこすりすぎなんでしょうか?
| 手ぬぐいももう少し優しくやってみますが......。
|
| お肌にみずみずしさを求めたい場合、
| どうしたらよいでしょうか?
| (測定モニター・Aさん)
└────────────────────────────
前回のおさらいになりますが、
角質が一次刺激性物質と接触すると、
タンパク変性が起こり、皮膚のバリア力が低下します。
角質と角質の間をつなぐ接着剤(のり)の役割をしていた
細胞間脂質の機能が低下し、
角質が剥離してしまいます。
お肌がカサつくように感じるのはこのため。
それまで接着剤によって貼り付いていた角質が
剥がれて立ち上がってしまうからです。
角質水分量は、測定条件や環境によって変化する数値です。
皮膚は乾燥しない、角質層から水分の出入りはないのです。
ですから、
カサつきのない滑らかな素肌を取り戻すには、
一次刺激物質との接触を断つことが第一です。
お肌がカサついているように感じる人は
日頃の接触を見直しましょう。
☆牛田への感想・コメントなどがありましたら、
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☆編集後記☆
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(ポパイ )
(ドンキーコング)
(ドンキーコングJR.)
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