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2025年07月22日配信

べたつきとかさつき?『異なる反応の混合肌』の秘密 | 第853号

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2025/07/22━☆
    健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

           「秘密の皮膚科学」

    第853号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 「乾燥肌」、「脂性肌」の順番に
 解説してきました。
 今週は「混合肌」についてです。


 「混合肌には、脂性肌と乾燥肌の症状が
  両方あるんですよね」


 ええ。
 日本人女性に一番多いという
 データもあるようです。

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         べたつきとかさつき?

        『異なる反応の混合肌』の秘密

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 ▼混合肌とは


 混合肌の方は、Tゾーンにはベタつき、
 頬や目元、口周りには乾燥を感じるとされています。

 べたつく部分には脂性肌の症状である、
 角栓、ニキビ、毛穴の開き、べたつき。

 かさつく部分には乾燥肌の症状、
 乾燥感やかゆみが現れます。


 「皮脂量が多く、水分量が少ないと
  一般的には言われていますね」


 はい。
 日本人女性の約4割から5割が混合肌と
 言うデータもあります。





 ▼症状が起きる機序


 乾燥肌と脂性肌の症状が混在する混合肌。
 各症状がおきる機序を振り返ってみましょう。


 【かさつき】

 細胞間脂質が変性・脱脂されて
 接着力が低下し、角質片が剥離して
 立ち上がっている状態でしたね。

 乾燥しているわけでも
 水分量が足りないわけでもありません。

 ☆角質のかさついた状態の図
  https://hisesshoku-derm.com/archives/2010/09/kasatsuki.php


 【かゆみ】

 細胞間脂質の接着力が失われ、
 角質層の下に変性物質が到達して
 バリアが破られて炎症が起きている状態です。

 バリアが破られると、痛みを伝える
 神経線維(C-線維)が
 角質層直下まで伸びてきます。

 そして異変が起きている場所を
 脳に知らせています。

 ☆異変を知らせるメカニズムの図
  https://hisesshoku-derm.com/archives/2007/06/piripiri.php


 「ここまでが頬や口周りに
  起きやすい症状ですね」


 ええ。
 そして、べたつく部分に起こる、とされるのは。



 【角栓】

 かさつきの原理と同じように
 接着機能が低下すると、
 毛穴の中で角質が次々とはがれる
 異常剥離が起きます。

 これが角栓となりざらざらした
 手触りになるのでしたね

 ☆角栓のしくみ
  https://hisesshoku-derm.com/archives/2012/06/kakusen.php



 【ニキビ】

 剥離した角質片と皮脂が毛穴の中に
 たまり、毛穴の出口をふさぎ、嫌気性のアクネ菌が
 増殖することで発症します。

 アクネ菌の酸性の産生物にによって
 炎症が起きてニキビへと進みます。

 ☆にきびができるしくみ
  https://hisesshoku-derm.com/archives/2019/02/post_11.php



 【毛穴の開き】

 「かゆみ」の発症機序と同じように
 細胞間脂質の接着力が失われ、
 角質層の下に変性物質が到達してしまった状態です。

 細胞が炎症を起こして腫れているから
 毛穴が開いて見えるのです。



 【べたつき】

 洗浄剤などで皮脂膜を必要以上に
 洗い流してしまうと、それを補うために
 皮膚は皮脂分泌を促進します。

 皮脂膜がないと体内を守れませんから
 皮脂分泌を増やして体内を守る、
 生体の防御反応でしたね。





 ▼異なる症状が出る理由


 「でも、牛田さん。
  同じ接触があってもカサつく部分と
  べたつく部分に分かれるのはどうしてですか?」


 不思議に思いますよね、白木さん。

 これまで見てきたように。
 異常剥離が原因でも、
 角栓となるかニキビとなるか。

 炎症が起きた場合も
 毛穴の広がりとなるか毛孔性角化症となるか。

 そもそも顔には20万個あるという
 毛穴すべてでなく数個~100個くらい、
 なぜ限られた毛穴だけに症状が出るのか。

 部位によって反応が異なる理由は
 未解明なのです。


 「う~ん。ニキビと角栓は同時には
  できないんですか」


 はい。これまでの知見では。

 ニキビはできなくなったけれど、
 角栓はときどきできるようになったという
 報告があります。





 ▼原因はひとつ!?


 「部位によってスキンケアを変えるのが
  混合肌の対策のようですが」


 いえ、白木さん。
 その必要はありません。

 洗浄剤で洗うことにより
 かさつく部分は細胞間脂質が変性され、
 べたつく部分は失った皮脂膜を補うため
 皮脂分泌を促進する。

 反応は異なりますが改善のポイントは同じ。
 異常剥離や炎症、皮脂の分泌促進を
 起こさないようにすること。


 「洗浄剤を使って洗わない、でしたね!」


 その通りです、白木さん。
 カサつく部分には保湿剤などの一次刺激性物質を
 接触させないことでしたね。




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