メールマガジン「秘密の皮膚科学」

メールマガジン「秘密の皮膚科学」

2016年12月13日配信

第537号 いつ洗う?『非接触式手洗い』の秘密

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2016/12/13━☆
     健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

            「秘密の皮膚科学」

     第537号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆


 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。

 前回は、冬ならではの肌トラブル、手荒れについてお話しました。

  ☆第536号 指先がガサガサに『冬の手荒れ』の秘密
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2016/12/536.php


 今回も引き続き、手のお話です。

☆------------------------------------------------------------☆

               ── いつ洗う? ──

                『非接触式手洗い』の秘密

☆------------------------------------------------------------☆


 ▼なぜ洗うの? <非接触式手洗いが必要な理由>


 オフィスのパソコンや文房具、電話、
 電車の吊革や車のシート、家具、寝具、衣類......。

 私たちの身の回りには、柔軟・抗菌などの加工が
 施されているものがたくさんあります。

 これらの加工は一次刺激性物質であり、
 肌の弱い方には刺激となります。

 加工されたものに触った手でそのまま肌に触れると、
 触れた部分にニキビや赤み、カサつきなど出てしまいます。

 加工されたものに触れた手で髪に触り、
 その髪が触れた部分に肌トラブルが起こることもあります。

 非接触生活では、このように
 手や髪を介して一次刺激性物質に触れてしまうことを
 『間接接触』と呼んでいます。

 話すときや考え事をするときなどに
 顎・額・頬に触れるクセがある方は、
 その部分にニキビができやすくなります。

 顔を洗うと赤みが出る、毛穴が開いてしまうという場合も、
 手に付着した一次刺激性物質の影響を受けている可能性があります

 非接触生活で手洗いを重視しているのは、
 手に付着した一次刺激性物質を洗い流すことによって、
 間接接触を防ぐためなのです。






 ▼何を使うの? <手洗いで使用するもの>


 続いて、非接触生活の手洗いで使用するものをご紹介します。


 (1)指定のペーパータオル

  市販のティッシュは加工されているものが多く、
  また、流水の下で使用すると破れやすいため、
  無漂白、パルプ100%のペーパータオルをおすすめしています。

   ☆ペーパータオル
    http://soundstyle.co.jp/goods/8007.html


 (2)指定の洗濯洗剤で洗ったタオル

  手を洗ったら、指定の洗濯洗剤で洗ったタオルで拭きましょう。
  (1)のペーパータオルで拭いてもよいでしょう。

   ☆非接触生活・5つめの習慣
    『肌に触れる衣類や寝具は指定の洗剤で洗う』
    http://hisesshoku-derm.com/contents/style/nanimo05.php


 (3)手ぬぐい

  ペーパータオルの代わりに、手ぬぐいを使用することもできます。
  手ぬぐいを小さく切って、使用するたびに
  洗濯かごに入れていくのもよいですね。






 ▼どうやって洗うの? <手洗いのしかた>


 流水のもと、ペーパータオルに手をこすりつけるようにして
 手を洗います。

 ゴシゴシと強くこすると手が痛くなってしまいますので、
 下の動画を参考に、やさしく洗いましょう。

  ☆ペーパータオルを使った手の洗い方(2番目の動画です)
   http://jstcd.or.jp/dataroom/usepapertowl/


 なお、使用済のペーパータオルや手ぬぐいには
 一次刺激性物質が付着しています。

 一度使用したら、手ぬぐいは洗濯を。
 ペーパータオルは再利用せずに捨てましょう。






 ▼いつ洗うの? <手洗いが必要なタイミング>


 先ほどお話した方法で手を洗うのは、
 "顔や髪に触る前"だけです。

 何かに触るたびにペーパータオルで手を洗っている方も
 いらっしゃるようですが、それほど神経質になる必要はありません。

 顔や髪に触らないときや、外出先などでは
 通常の手洗い(水またはお湯で洗って、タオルやハンカチで拭く)
 でかまいません。


 こんなときは、ペーパータオルを使って
 しっかりと手を洗いましょう。

 ◎洗顔・洗髪をする前
 ◎肌にワセリンをつける前
 ◎寝る前


 多くの方が、寝ているあいだ、
 無意識のうちに手で顔に触れています。

 ベッドや布団のなかでスマートフォンに触って、
 そのまま寝てしまう方も多いことでしょう。

 身の回りのもののなかでも、とくに触れる機会の多い
 スマートフォンには、一次刺激性物質が付着しています。

 触ってそのまま寝てしまうと、翌朝にニキビができていたり、
 毛穴や赤みが目立ったりすることがあります。
 眠りにつく前に、必ず手を洗いましょう。






 ▼石けんで手を洗ったら【洗い直し】を


 非接触生活では、できるだけ石けんを使わないことをおすすめしていますが、
 やむをえず使用することもあるでしょう。

 石けんで洗ったあとの手には、
 脂肪酸という一次刺激性物質が残留しています。
 必ず指定の方法で手を洗い直してから、
 顔や髪に触れるようにしましょう。

 また、ご自身では石けんやシャンプーを使用していなくても、
 同居のご家族が使用されている場合は、蛇口やシャワーヘッドに
 一次刺激性物質が付着しています。

 蛇口やシャワーヘッドに触れたら、指定の方法で手を洗ってから
 顔や髪に触れましょう。






 ▼おわりに ~ 小さな実践が、大きな成果に ~


 今回は、手洗いについてお話しました。
 白木さん、いかがでしたか?


 「時間のないときは
  ちゃちゃっと洗って済ませてしまうことも多かったのですが......
  手を洗うべきタイミングを逃さず、しっかり洗おうと思いました」


 そうですね。

 実践者の方々から、
 『手洗いを徹底したら、肌の調子が良くなった』
 という声がたくさん届いています。

 ちょっとしたことだからやらなくてもいいや、
 と"省略"されがちな手洗いですが、
 ちょっとしたことの積み重ねが、やがて大きな差となって現れます。

 ぜひ実践してくださいね。




 ☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞこちらへ。
  →→  http://jstcd.or.jp/contact/
メールマガジン「秘密の皮膚科学」

【次のエントリー】
 →第538号 原因は?『冬の赤み・乾燥』の秘密

【前のエントリー】
 →第536号 指先がガサガサに『冬の手荒れ』の秘密

このページのTOPへ