メールマガジン「秘密の皮膚科学」
2007年06月19日配信
第102号 どうして今日はピリピリするの?『ピリピリのメカニズム』の秘密
みなさん、こんにちは。
コスメプロデューサーの牛田専一郎です。
今日は白木さんの様子がおかしいんです......。
白木さん、しきりに頬やあごを触っているみたいですが
どうしたんですか?
「なんだかピリピリしたんですよ~~~」
あらら、あんまり触っちゃだめですよ。
今はピリピリしていないんでしょ。
「プロトタイプAでお手入れをしているときに
ピリピリがある日とない日があるのはどうしてなんですか?」
実は、読者の方からも同じようなご質問を
いただいているんです。
今日は【ピリピリのメカニズム】をテーマにお話しましょう。
どうぞ最後までお付き合いくださいね。
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―― どうして今日はピリピリするの? ――
『ピリピリのメカニズム』の秘密
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▼皮膚のバリアー機能を保つ3物質
"ピリピリ"のメカニズムは、
"バリアー機能"のメカニズムと密接に関係しています。
まずは、皮膚のバリアーの構造についてお話しましょう。
皮膚のバリアー機能は、次の3つの物質によって
一定に保たれています。
(1)角質細胞間脂質(セラミド)
......角質細胞どうしの間を埋めている脂のこと。
表皮で作られている。
(2)天然保湿因子
......角質層にある低分子のアミノ酸や塩類などのこと。
水分をつかまえて離さない性質がある。
(3)皮脂
......皮脂腺から分泌される脂のこと。汗などと
混じり合って皮膚の表面を覆い、皮膚を保護している。
ところが。
化粧品などに脱脂されたり、
体調がすぐれなかったりすると、
角質間脂質の減少が起り
角質がめくれ上がった状態になってしまうのです。
▼表皮細胞に異変が!
「角質がめくれ上がると、どうなってしまうんですか?」
皮膚はバリアー機能を保てなくなります。
つまり、外的刺激に弱くなるということです。
そして、ここからが今日の本題です。
皮膚がカサカサしてくると、
表皮細胞に異変が起こります。
痛みを伝える役割を持つ神経
【求心性C線維】(きゅうしんせい・しーせんい)が
伸びるのです!
普段は表皮と真皮の接合部で終わっているのに
表皮の中にまで伸びてくるのです。
図解をすると
http://hisesshoku-derm.com/archives/2007/06/piripiri.php
▼カサカサすると"感じやすい"お肌になる
「痛みの神経が......伸びる?」
そうなんです。
皮膚がカサカサすると、痛みを感じる神経の終末が
皮膚の一番上にある「角層」にまで到達します。
だから、お肌は痛みを感じやすくなるのです。
「なるほど。
だからプロトタイプAをつけても、
ピリピリを感じる日と感じない日があるんですね」
そのとおり。
ピリピリを感じないのは、皮膚のバリアー機能が保たれているとき。
ピリピリを感じるのは、皮膚のバリアー機能が保たれていないとき
なのです。
髪の毛が触れたり、下着のレースが触ったりするだけで
かゆみを感じるときも、同じメカニズムです。
ただし、感じるかゆみには個人差があります。
かゆみを通り過ぎて"痛み"に感じる人もいれば、
カサカサしていても、かゆみを感じない人もいるのです。
▼なぜ"感じやすく"なるの?
「それにしても、どうしてカサカサすると神経が伸びて
かゆみやピリピリを感じやすくなるんでしょうか?」
お肌がサインを出しているんですよ。
お肌が傷んでいますよ、いたわりましょうって。
本当に人間の身体はよくできているものです。
皮膚のかゆみは、体調がすぐれなかったり、
疲れを感じたりしている'しるし'なんです。
せっかく身体が教えてくれているのですから、
きちんと気がついて、ケアをしてあげてくださいね。
食事のバランスに気をつけたり、
いつもより睡眠時間を多くとったりしましょう。
もちろん、メイクもひとやすみ。
濃い目のメイクは弱り目にたたり目......になってしまいますから。
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http://hisesshoku-derm.com/archives/01about/info.php
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