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2024年11月05日配信

必要なの?『乳幼児の洗浄、保湿、日焼け止め』の秘密 | 第823号

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2024/11/05━☆
    健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

           「秘密の皮膚科学」

    第823号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 スキンケアは新生児から必要、と言われています。
 洗浄、保湿、日焼止めが基本のようですね。


 「赤ちゃんのスキンケアは
  しておくべきでしょうか?」


 ちょうどそのご質問をいただいたので、
 お話しましょうか。

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           必要なの?

     『乳幼児の洗浄、保湿、日焼け止め』の秘密

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 ▼新生児にスキンケアは必要?


 小さなお子さんのいるお母さんが
 メールをくださいました。


 Yさん
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 牛田先生、初めまして。

 もう何年メルマガを拝読させていただいているか
 分かりませんが、ずっと読ませていただいております。

 今回初めてメールをした理由は我が子についての相談です。
 赤ちゃんが生まれてからずっとほぼ石鹸なども使わず
 ぬるま湯で洗っているだけで、保湿も全くしていないのですが、
 間違っていませんよね?という確認でした。

 育児(赤ちゃんの肌)について色々とアドバイスをいただけたら幸いです。

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 「沐浴指導や産婦人科でも
  スキンケアが必須、と言われると
  しないといけないような気がしますよね」


 そうですね、白木さん。
 赤ちゃんの肌はデリケート、バリア機能が未熟と
 言われますが、皮膚生理はしっかり機能しています。

 赤ちゃんの皮膚が薄いのは、
 身体が小さいので当たり前です。
 ですが、体内はしっかり守っているんですよ。

 そうでないと、生きていけませんからね。
 大人と同様、肌を傷めるスキンケアは不要です。


 「でも大人用じゃなくてベビー用なら、
  肌にやさしいですか?」


 泡タイプの石けんやシャンプー、
 乳液タイプのローション、マイルドな日焼止め......。
 肌に優しそうな商品がたくさんあります。

 ですが、どれもその機能を果たすために
 一次刺激性物質が使われているのです。
 全成分を確認してみましょう。





 ▼スキンケアはどうしたら


 「ということは何もしなくていいんですか?」


 そうですね、新生児のうちから
 一次刺激性物質を使わないようにしましょう。


 ◇沐浴

 お湯のみで洗ってあげましょう。
 汗をかきやすい時期は、汗をかいたら1日何回でも
 こまめにお湯のみで洗ってください。
 こする必要はありません。


 ◇保湿

 不要です。
 抗菌剤、柔軟剤の付着したベビーグッズと接触して
 カサつきが出てしまった場合は、ワセリンを
 薄くつけてあげましょう。


 ◇おしりふき

 ウェットティッシュタイプのおしりふきで
 かぶれてしまったり、お母さんの手が
 荒れてしまうことがあります。

 そのような場合は、コットンをお湯で濡らして
 使うとよいでしょう。


 ◇日焼止め

 紫外線の強い時間に新生児を長時間屋外に
 連れ出すことはまれでしょう。
 物理的に日差しを遮れば日焼止めは不要です。


 ちなみに生まれてから子どもに一度も
 石けんを使ったことがないという方もいますが、
 きれいな状態を保っているそうです。




 ▼メールの続きは


 Yさんからのメールはこう続いていました。


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 現代の育児は本当におかしいことだらけで、
 毎日お風呂に入れて、ボディーソープで洗って、
 毎日頭から足先までボディークリームやらワセリンやらで
 保湿をするのが常識です。

 100人いたら99人が間違いなくやっていると思います。
 しかも安価なものをベタベタと。

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 お肌だけではなく、ワクチンから、離乳食から、
 赤ちゃんに使う物から、ありとあらゆる物事で
 私からするとありえない状況なのですが、育児用品は
 大きなマーケットなので、悪い大人達が赤ちゃんを
 ターゲットにしているんだな...と溜息しか出ません。

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 因みに我が子は、お肌も綺麗ですし、頭皮や髪もにおいません。
 毎日お風呂+保湿の子供達は髪がベタつくとか、
 湿疹が出るとか、オムツでかぶれるなど耳にします。

 毎日ボディークリームをベタベタ塗られた子供達が
 20年後どうなっているのか...とても恐ろしいです。
 (食べ物や使うものやスマホ使用等もです。)

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 余談ですが、先生の本の新品が無いので
 中古を取り寄せて昨日届きました。
 育児の合間に読みたいと思います。

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 ベビーシッターをされている方が、
 親御さんからの依頼でアトピーがひどいお子さんでも
 石けんを使って入浴させないといけなかったり。

 育児中のお母さんたちの手荒れがひどくなったり。
 いろいろな声を聞くことがあります。

 お子さんの肌が荒れやすいときは
 「使わないこと」も選択できる世の中に
 なるといいですね。




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