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2022年03月22日配信

何と似ている?『肌の強さ、弱さの例え』の秘密 | 第702号

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2022/03/22━☆
    健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

           「秘密の皮膚科学」

    第702号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 「肌の敏感さって、説明が難しいですよね。
  どうすればうまく伝えられるのでしょう?」


 白木さん、他の身近なことに例えると
 わかりやすいかもしれませんね。

 たとえば、お酒への強さならどうでしょう。

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          何と似ている?

       『肌の強さ、弱さの例え』の秘密

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 ▼お酒の強さは肌に似てる?


 みなさんもご存じのように、
 お酒に強い人、弱い人、全く飲めない人がいます。
 これは遺伝による体質で決まっていて、
 基本的に変わることはありません。

 アルコールが体内に入ると、
 肝臓で「アセトアルデヒド」という物質に分解されます。

 アセトアルデヒドは毒性が強く、
 顔が赤くなったり、頭痛や吐き気の原因となります。


 「お酒を飲んだ時に気分が悪くなるのは、
  このアセトアルデヒドのせいなんですね」


 そういうことです。

 そして、このアセトアルデヒドを分解するのが
 「ALDH2(アルデヒド脱水素酵素2)」です。

 ALDH2の活性が弱い人(低活性型)は「お酒に弱い人」、
 ALDH2のはたらきがまったくない人(不活性型)は
 「お酒の飲めない人」です。

 日本人はこんな割合になっているようです。


 〇お酒に強い人:約56%
 〇お酒に弱い人:約40%
 〇まったく飲めない人:約4%


 「日本人では、おおよそ2人に1人の割合で
  弱い・まったく飲めない人がいるんですね」


 ええ。
 まったく飲めない人は、
 少量のアルコールで気分が悪くなってしまいます。

 お酒のにおいや、料理や洋菓子に含まれるお酒で、
 気分が悪くなるという人もいます。





 ▼体重や性別、年齢も関係が?


 お酒に弱い人の中にも
 さまざまなレベルがあります。

 ビール一杯くらいなら飲めるという人、
 お酒の種類によっては飲めるという人。


 また、体重や性別、年齢による違いもあります。


 「体質以外にも、強さが変わる要素が
  あるんですか?」


 はい。

 体重の重い人ほど血液量や水分量が多いため、
 血中のアルコール濃度は薄くなります。
 その分、酔いにくくなるのです。 

 性別での違いでいうと、女性のほうがアルコール分解速度が
 男性より遅いというデータがあります。

 また高齢になるほどアルコールの分解機能が
 低下するようです。





 ▼おわりに ~あなたのお酒の強さは?~


 ALDH2の活性のタイプは、生まれた時から決まっており
 後天的に変わることはありません。
 肌の敏感さと似ていますね。

 ちなみにヨーロッパ系やアフリカ系の人に
 不活性型はみられません。


 牛田はお酒に強い人の割合と
 肌が強い人の割合はどのくらい違うのか、
 または同じくらいなのか......
 興味を持っています。

 周りにいる家族やご友人にお酒に強い人は
 どのくらいいますか。

 みなさんは、ご自身では
 どう思われているでしょうか。
  お酒は飲めますか?

 こちらへ→ https://jstcd.or.jp/contact/

 お知らせくださいね。



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