メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2017年03月07日配信

第545号 ぬるま湯で『顔の洗い方』の秘密

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2017/03/07━☆
     健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

            「秘密の皮膚科学」

     第545号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 "バシャ、バシャ、バシャ!"


 はげしい水の音がしています。
 白木さん、何をしているんですか?


 「目の周りがかゆいので、顔を洗っているんです」


 前回のメルマガで、
 花粉で顔がかゆいときは洗顔しましょう、
 というお話をしたからですね。

  ☆第544号 バリア力?『花粉症シーズンの肌荒れ』の秘密
   http://hisesshoku-derm.com/archives/2017/02/544.php


 それにしても白木さん、
 ずいぶん洗い方が豪快ですね。

 今日は久しぶりに、洗顔についておさらいしましょうか。

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             ── ぬるま湯で ──

               『顔の洗い方』の秘密

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 ▼基本の洗い方

 ┌─────────────────────────────
 |
 |       【非接触式・顔の洗い方】
 |
 | 1.手についている一次刺激性物質を
 |   指定のペーパータオルや手ぬぐいで落とす
 |
 | 2.ぬるま湯で顔を洗う
 |
 | 3.指定の洗剤で洗ったタオル
 |   またはペーパータオルで顔を拭く
 |
 └─────────────────────────────


 メイクをしていないときは、
 上記の手順で洗顔します。

 では、各ステップの内容をみていきましょう。



 ●手順1.手についている一次刺激性物質を洗い流します
 =====================================================

 手には、一次刺激性物質が付着しています。
 顔に触れる前に、必ず手を洗いましょう。

 流水のもと、ペーパータオル、または手ぬぐいに
 手をこすりつけるようにして、一次刺激性物質を洗い流します。

  ☆ペーパータオルは加工されていないものを使いましょう
   http://soundstyle.co.jp/goods/8007.html

  ☆手ぬぐいは指定洗剤で洗濯しましょう
   http://hisesshoku-derm.com/contents/style/nanimo05.php


 ゴシゴシと強くこすると手が痛くなってしまいますので、
 下の動画を参考に、やさしく洗ってくださいね。

  ☆ペーパータオルを使った手の洗い方(2番目の動画です)
   http://jstcd.or.jp/dataroom/2014_06_20140612/


 使用済のペーパータオルや手ぬぐいには
 一次刺激性物質が付着していますので、
 一度使用したら、手ぬぐいは洗濯を。

 ペーパータオルは再利用せずに捨てましょう。




 ●手順2.ぬるま湯で顔を洗います
 =====================================================

 メイクをしていないときは
 ペーパータオルや手ぬぐいを使う必要はありません。

 ぬるま湯だけで、やさしく洗いましょう。

 "石けんや洗顔フォームを使わないと
  顔に皮脂が残り、ニキビの原因となるのでは?"

 というお問い合わせをいただくことがありますが、
 すべての洗浄剤は一次刺激性物質であり、
 タンパク質を変性させる作用があります。

 ニキビを防ぐどころか
 肌トラブルの改善を妨げてしまいますので、
 肌の弱い方は洗浄剤の使用を控えたほうがよいでしょう。

 顔に多少のベタつきが残っても、
 それがニキビの原因となることはありません。




 ●手順3.タオル、またはペーパータオルで顔を拭きます
 =====================================================

 タオルは、
 ・柔軟や抗菌などの加工がされていないもの
 ・指定の洗濯洗剤で洗ったもの

 を使いましょう。

 家族が石けんなどの洗浄剤を使っている場合、
 共用のタオルには、遊離脂肪酸などの一次刺激性物質が付着しています。
 タオルは自分専用のものを用意しましょう。


 近年、強い加工が施されているタオルが増えています。
 複数回洗濯をしても、顔を拭いたあとに赤みが出たり、
 ニキビができたりするときは、そのタオルの使用をやめましょう。

 タオルではなく、指定のペーパータオルで顔を拭いてもよいでしょう。






 ▼ファンデーションをつけているときは


 「ファンデーションをしているときは
  どのように洗顔したらよいでしょうか?」


 パウダータイプのものをブラシで軽くつけた程度であれば
 ぬるま湯だけで落とすことができます。

 リキッドやクリームタイプのファンデーションは
 洗浄剤を使わなければ落ちないことが多いですね。
 つけているときも、落とすときも、肌に負担をかけてしまいます。

 よく、メイクの落とし方についてのご質問をいただきますが、
 肌にかかる負担をできるだけ軽くするためには
 落とし方ではなく、つけ方を工夫することが大切です。

 ファンデーションは
 "お湯だけで落ちる量"をつけるようにしましょう。






 ▼ポイントメイクをしているときは


 「アイシャドウなどのポイントメイクは
  どのように落としたらよいですか?」


 手に付着している一次刺激性物質を落としたあとに、
 指定のペーパータオルや手ぬぐいを濡らして
 他の部分に広がらないように気をつけながら拭います。

 そのあと、顔全体を洗いましょう。


 「他の部分に広がらないようにするのは難しいですね。
  たまにマスカラをつけるのですが、落とすときにいつも
  目の周りに広がってパンダのようになってしまいます」


 お湯で落とせるタイプのマスカラにも、界面活性剤が含まれていて、
 肌の弱い方は、一瞬でも触れれば炎症の原因となります。

 肌の調子がよくないときは、
 マスカラを始めとするポイントメイクを休みましょう。

 肌の健康を取り戻す一番の近道は、
 "何もつけずに過ごすこと"です。






 ▼おわりに ~ 洗顔もやさしく、ていねいに ~


 今回は久しぶりに洗顔の仕方をおさらいしました。
 白木さん、いかがでしたか?


 「私、やさしく洗うことを忘れていました......」


 花粉症シーズンで顔がかゆいときなどは
 ついゴシゴシと洗ったり拭ったりしがちですが、

 ◎顔に触れる前に手を洗うこと
 ◎顔はぬるま湯でやさしく洗うこと
 ◎ポイントメイクを落とすときも、やさしく拭うこと

 を忘れないでくださいね。





 ☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞこちらへ。
  →→http://jstcd.or.jp/contact/
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