バックナンバーメールマガジン「秘密の皮膚科学」
2015年10月27日配信
第481号 カサつき、かゆみ『季節の変わり目の肌トラブル』の秘密
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2015/10/27━☆
健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと!
「秘密の皮膚科学」
第481号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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みなさん、こんにちは。
シニアフェローの牛田専一郎です。
朝晩ずいぶんと冷え込むようになり、
空気も乾燥してきました。
この夏に非接触生活を始めた方にとっては
初めて迎える寒い季節。
肌がカサついたり、かゆみを感じたりして
戸惑っている方も多いかもしれません。
この時期恒例のテーマではありますが、
今年も"季節の変わり目"の過ごし方について
お話します。
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── カサつき、かゆみ ──
『季節の変わり目の肌トラブル』の秘密
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▼気温が下がるにつれて......
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◇『小じわが増えてきました』(40代・女性)
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乾燥で、小じわが増えてきました。
今が耐えどきかと思っています。
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◇『身体が粉をふいたようです』(40代・女性)
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非接触生活を始めて1ヶ月になりました。
身体の粉ふきがピークで
膝下、腰、腕、太腿がいたがゆい感じです。
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◇『カサついてザラザラとした手触りに』(50代・女性)
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最近、ちょっと停滞気味です。
肌のかさかさがひどく、皮膚がめくれているのか、
角栓が出てきているのか、ざらざらとした手触りで
ワセリンを部分的に塗っています。
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▼この時期に肌がカサつきやすい理由
人間の身体には
体温を一定に保つ"恒常性"
という機能が備わっています。
朝晩と日中の気温差が大きくなる時期は
体温調節機能が忙しく働き、体力を消耗します。
ストレスや疲労が溜まりやすくなり、
皮膚のバリア機能も低下します。
だから、肌がカサカサしやすくなるのです。
夏の間は一次刺激性物質に少し触れたくらいでは
なんともなかった方でも
この季節はトラブルにつながりやすくなります。
肌がカサつくと何かをつけたくなってしまうかもしれませんが、
化粧水や乳液に手を伸ばす前に、
『肌に触れているもの』に目を向けましょう。
▼季節の変わり目に触れやすいもの
衣替えの時期には、
クリーニングに出したコートやマフラー、毛布や布団など
自宅では洗えないものに触れる機会が増えます。
新品のまま洗い直していないもの、
クリーニングに出したものには
柔軟剤や抗菌剤などの一次刺激性物質が付着しています。
肌の弱い人がそれらに触れると
かゆみやカサつきなどの症状が現れることがあります。
例えば、こんなものに気をつけましょう。
・セーター、コート
・マフラー、手袋、帽子
・布団、毛布、こたつ布団
・発熱、保温効果などを謳った新素材の高機能肌着
接触したまま生活していると、
かゆみやカサつきなどの症状は改善しません。
寝具の場合は肌に触れる部分に洗濯済みのタオルを、
帽子の場合はハンカチをあてるなど、
"触れない工夫"をしましょう。
▼衣類の締め付けが原因となることも
タイツなど、締め付けの強いものを身につけていると
かゆみが出ることがあります。
指定の洗剤で洗っているのにおかしいな、という場合は
その衣類が肌に強くあたっていないか確認しましょう。
先ほどもお話しした通り、
疲れが溜まりがちな季節の変わり目は
肌トラブルが起こりやすい季節。
今までは触っても大丈夫だったものが
引き金になっていることもあります。
日常生活を振り返り、何気なく触れているものをチェックしましょう。
☆肌トラブルの原因は自分で探せます
第324号 部分別?『トラブルの原因推測』の秘密 <顔・額>
http://hisesshoku-derm.com/archives/2012/08/324.php
▼強いかゆみ・カサつきにはワセリンを
強いかゆみやカサつきがあるときは
白色ワセリン(BHTなど添加物が含まれていないもの)を薄くつけて、
肌を保護しましょう。
ワセリンをつける前に、手洗いを忘れずに。
手に付着している一次刺激性物質をしっかりと落としましょう。
☆昨年の"季節の変わり目号"で
ワセリンについてのご質問にお答えしています
第437号 カサつき、赤み『季節の変わり目のトラブル』の秘密
http://hisesshoku-derm.com/archives/2014/11/437.php
▼おわりに ~ 休養をとり、暖かくして ~
今回は、季節の変わり目の過ごし方についてお話しました。
白木さん、いかがでしたか?
「一次刺激性物質に触れないように
気をつけることはもちろんですが、
疲労を溜めないようにすることも大切ですよね」
そうですね。
しっかりと栄養をとり、休養もとって
身体を休めましょう。
朝晩に寒い思いをしないよう、
上着やストールなどを上手に使って
暖かくしてお過ごしくださいね。
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