メールマガジン「秘密の皮膚科学」

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2005年02月01日配信

第15号 上手につきあう! 『化粧水』の秘密(前編)

 【以下は内容が古いので読まないでください。】
 ※さっぱりした化粧水にも界面活性剤等が使用されているものがあります。
  現在は化粧水を選ぶよりも日本薬局方の白色ワセリンを部分的につけることを
  おすすめしています。(2012.7.3)

 みなさん、こんにちは。
 コスメプロデューサー・牛田専一郎です。


 切実なお悩み、驚きや共感、温かい励まし......。
 みなさんのいろいろな声に背中を押され、
 牛田は会社の設立を決意しました。
 その宣言から、はや3週間。


 「どんな製品を作るの?」
 「どんな事業展開を?」
 「素人だけれどお手伝いできることは?」


 みなさんからいただくメールを
 ドキドキしながら開封している牛田ですが、
 このようなうれしいメッセージに胸を躍らせています。
 興味を持っていただいたみなさん、ありがとうございます!


 本業と併行しながらの作業ではありますが、
 だんだんと準備をすすめてまいります。


 進捗はご報告させていただきますので、どうぞお楽しみに!


 さて、今回お届けするのは「化粧水」の秘密。
 みなさんにとって一番身近な化粧品なのではないでしょうか?
 お読みいただいて、少しでも新しい発見があったら幸いです。


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     上手につきあう! 『化粧水』の秘密(前編)

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 ▼いつでも、どんなときも、なにもつけない?


 冷たい北風が吹きすさぶ、ある日の午後。
 白木さんがじっと手鏡を覗き込んでいます。



 「口の周りが...こ、粉ふいちゃってます」



 お肌が乾燥してるんですね。
 その部分だけ、薄く化粧水をつけたらいかがですか?



 「え!??
  牛田さん、『なにもつけない』んじゃないんですか?」



 確かに、皮膚生理を考えると、お肌にとって一番いいのは
 『なにもつけない』ことです。
 このことに変わりはありません。


 しかし、いつでも、どんな時でもそうしてほしい!
 と言っているつもりはないんです。


 健康なお肌には、皮脂膜と呼ばれる膜ができます。
 皮脂膜は、お肌に滑らかさと潤いを与えてくれます。
 だから、化粧水がいらないのです。


 しかし、カサカサ・ゴワゴワになってしまった不健康なお肌は...
 自力で皮脂膜を作ることができなくなってしまっているんです。


 季節の変わり目でお肌がカサつくとき。
 疲労や睡眠不足でお肌にハリがないとき。
 パウダーファンデーションのノリがわるいとき。


 そんなときには、化粧水の力を借りてください。


 化粧水は、弱った皮脂膜の代わりにお肌の表面を覆い、
 人工の膜を作ってくれるのです。


 少しだけ手に取り、調子の悪い部分にだけ、
 薄~くつけてあげてください。


 しかし、あくまでも、化粧品は弱った皮脂膜の「代役」。
 日常的にたっぷりつけてしまうと、自然な皮脂膜の分泌が妨げられ、
 弱ったお肌を助けるどころか、どんどん傷めてしまいます。


 このことを忘れずに、ご自分のお肌の様子を見ながら、
 化粧水と上手につきあってほしい。
 これが牛田の真意なのです。



 「そういえば、このお話、以前にも聞いたことがありました。
  どうしても『なにもつけない』のインパクトが強すぎて...」



 そうですね。私も言葉が足りなかったのかもしれません。
 では、今週から2回にわたって、
 化粧水について掘り下げてお話することにしましょう。




 ▼「ぺーはー」ってなぁに?



 「一口に化粧水と言っても...いろいろなものが出回っていますよね。
  一体、どんなものを選んだらいいんですか?」



 そうですね。ではご説明していきましょう。
 まずは白木さん、「pH」ってご存知ですか?




 「ぺー、はー、ですか? ......(沈黙)。」




 そういえば白木さんは、"自称・超・文科系"でしたね。
 お得意分野ではないかもしれませんが、ちょっと聞いてくださいね。


 「pH」とは、溶液中の水素イオン濃度を対数値で表わしたもの。
 数値の範囲は0~14まであり、真ん中のpH7が「中性」です。


 7よりもpH値が小さくなるほど酸性が強くなり、逆に
 7よりもpH値が大きくなるほどアルカリ性が強くなります。


 人間の肌にもpH値があり、その範囲は4.5~6.5。
 そして、男性の肌は酸性寄り、女性はアルカリ性寄りであることが多いと
 言われています。


 化粧水にも、pHがあります。
 ご自分の肌のpHより、1くらい低いもの。
 つまり自分のpHより、少し酸性に傾いたものが、
 あなたの肌に適している化粧水です。




 「自分のpHにしても、化粧水のpHにしても...。
  知りたいのはやまやまですけど、どうやって調べたらいいんですか?」



 ............。


 そうなんですよね。
 pH測定器というものがあって、牛田には馴染みの深い機械なんですが...
 一般の方は、なかなかそうはいきませんよね。




 「そうですよ牛田さん! フツウの人はそんな機械持ってませんから。
  もっと実践的でなきゃ困ります」




 ハイ...。





 ▼キッパリ! 化粧水選びのポイント


 白木さんにお叱りを受けてしまいましたので、
 化粧水選びのポイントを簡単に申し上げます...。


 ズバリ。『ベタベタしていないもの』を選ぶこと、です。




 「ベタベタしていない。そ、それだけですか?」




 はい、それだけです。


 大手メーカーが販売している化粧水に多く見られる傾向ですが、
 「さっぱりタイプ」のほかに、
 「しっとりタイプ」とか「こくのあるタイプ」があったりしますよね。


 そういった、ベタベタした付け心地のものを選ぶとどうなるでしょうか?



 「ベタベタしているほうが、より潤うってこと...じゃないんですか?」



 つけた瞬間はそう感じるかもしれません。
 しかし...。
 「ベタベタ」の背後には恐ろしい代償が待ち構えているのです!


 この続きを早くお話したくてムズムズしている牛田ですが...、
 長くなってきましたので、今週はこのへんで失礼いたします。
 ちょっとお待たせしてしまいますが、
 次号でお届けする『化粧水の秘密~後編~』をお楽しみに!



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