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2025年05月20日配信

肌タイプとは?『それぞれの定義と裏話』の秘密 | 第846号

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2025/05/20━☆
    健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

           「秘密の皮膚科学」

    第846号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 自分の肌質に合ったスキンケアが
 推奨されているようですね。


 「肌タイプごとにお手入れ方法や化粧品があります」


 そうですね、白木さん。
 今週のテーマは肌タイプにいたしましょうか。 

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           肌タイプとは?

       『それぞれの定義と裏話』の秘密

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 ▼肌タイプの定義は?


 肌タイプ診断を受けたことがある方も多いかもしれませんね。
 洗顔後の肌の状態やメイクの崩れ方で診断するなど、
 一般的には次の5つのタイプに分けているようです。


 【普通肌】

 ベタつきや乾燥がなく理想的な肌質。
 水分量は多く皮脂量は適度でツヤがあり、
 キメも細かく整ったなめらかな肌。



 【脂性肌】

 洗顔しても少し時間をおくと肌全体にベタつきが出る。
 テカリやベタつき・毛穴の開きが気になる肌。
 メークくずれしやすい。

 皮脂量・水分量どちらも多く、顔全体がベタつきやすいため、
 毛穴の開きや黒ずみ・ニキビなどのトラブルが現れやすい。


 【乾燥肌】

 肌がつっぱる感じがある。
 肌の水分量も皮脂の分泌量も、どちらも不足している。
 カサつきや粉吹きがあり、ツヤがなくメークのノリが悪い。
 乾燥肌は肌のバリア機能やターンオーバーが低下した状態。


 【混合肌(インナードライ肌)】

 Tゾーンはベタつき、頬や目元など部分的に乾燥を感じる。
 皮脂の量が多い場所は毛穴の開きやニキビ、
 乾燥しがちな場所はカサつきや赤みがある。


 【敏感肌】

 肌の「バリア機能」が低下し、外部・内部からの刺激を受けやすい。
 化粧品をつけると肌がヒリヒリする、乾燥してかゆくなる。
 花粉や紫外線といった外部刺激に敏感。


 「肌トラブルのある方は大体どれかには
  当てはまりますよね」


 そうですね、白木さん。
 自分はこの肌質だからこの化粧品、といったように
 選んできた方が多いのではないでしょうか。

 最近の化粧品の肌測定では、専用の測定器を使って
 キメ、透明度、ハリ、シワ、メラニン分析、肌色分析、
 拡大画像などたくさんの項目をチェックできるようになりました。

 定期的に通って変化を測定できるサービスもあるようです。


 「詳しく自分の肌をチェックされたうえで
  スキンケアのアドバイスをされると
  やったほうがいいかなと思ってしまいますよね」


 ええ。

 化粧品を売る側からすれば
 測定をして肌質を分類することで
 お客さんの納得感が得られます。

 つまり、売りやすくなるのです。





 ■どういう意味?〇〇肌


 「肌質といわれると、ずっと変わらないものの
  ような気かしますが」


 白木さん、生まれつきの肌の性質ではありませんよ。
 いわゆる『〇〇肌』とは......

 化粧品(一次刺激性物質)と接触することによって
 肌に現れている『症状』を分類している......。

 こう言ったほうが読者のみなさんには
 理解がしやすいかもしれませんね。


 「牛田さん、ここまでの説明を切って捨ててます」


 そうですね、白木さん。
 『〇〇肌』の方は肌が弱い人。化粧品の
 使用を勧めないほうが良い人、ですね。


 「なるほど。ここでいう普通肌が
  肌が強い人ということですね」


 おっしゃる通りです、白木さん。





 ▼お手入れは?


 肌質ごとにこんなアドバイスが多いようですが。


 【脂性肌】

 洗いすぎはNG。
 油分の少ない乳液やジェルの使用を。
 ニキビが出やすい場合は殺菌成分配合の専用化粧品でお手入れ。


 【乾燥肌】

 保湿成分配合の洗顔料を使ってぬるま湯で洗顔。
 洗顔後はすぐに保湿ケア。保湿効果の高い乳液や
 クリーム・オイルなどで油分を与える。
 乾燥が強い部分はクリームなどを重ね付けする。


 【混合肌(インナードライ肌)】

 湿潤性の高い化粧水をつける。
 乾燥しやすい部分から乳液やクリームなどの油分を。
 乾燥する部分には重ね塗り。


 【敏感肌】
 指が肌に触れないようしっかり泡だてて洗顔。
 低刺激、保湿効果、抗炎症作用のあるものを使う。


 「もっともらしく聞こえるのですが......」


 そうですね。
 でも化粧品では〇〇肌を改善することはできません。

 もちろん化粧品をつけて気になる症状が
 改善したように「見せる」ことはできますが。
 根本的に素肌をもとに戻すことはできないのです。





 ▼〇〇肌は肌が弱い人


 今が〇〇肌でも、カサつかない、べたつかない、
 ニキビができない、毛穴の目立たない肌にすることは
 できます。

 その方法は『何もつけない』でしたね。
 久しぶりこのフレーズを登場させてみました。

 〇〇肌を肌の強い【普通肌】にすることは
 できませんが、誰でもトラブルのない肌になりますよ。




 
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