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2025年02月25日配信

どうなってるの?『一般市場』の秘密 ~その2~ | 第836号

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2025/02/25━☆
    健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

           「秘密の皮膚科学」

    第836号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
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 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 「前回は一般の方に非接触的な取り組みが
  どのくらい認知されているかのお話でしたね」


 ええ。今日はその続きです。 

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           どうなってるの?

        『一般市場』の秘密 ~その2~

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 ▼前回の振り返り


 前回は一般市場での
 「湯シャン」「何もつけない」の実態と
 敏感肌用の化粧品業界を分析してみました。

 白木さん、まとめてもらえますか?


 「はい!......

  ◇クリニックでの「何もつけない」は
   美容施術や純石けんの使用とセットになっている

  ◇「湯シャン」はある程度認知があるが
   洗濯洗剤や間接接触の影響には触れられていない

  ◇敏感肌用の化粧品は保湿や
   トラブルを隠すことが重要視される傾向があり、
   どうしても一次刺激性物質が使われてしまう

 ......でしたね」


 そうですね、白木さん。
 化粧品という分野では、
 皮膚生理に適った製品を作り出して
 収益を上げることは難しいのでしょう。

 どうしてもつけてきれいに「見せる」ことが
 目的となりますから。


 「そもそも何かをつけること自体が
  皮膚生理の妨げになるんですよね」


 そうなんです、白木さん。





 ▼敏感肌用の洗濯洗剤は?


 「洗剤も敏感肌用がいろいろありますよね。
  アトピーでも使えるとか」


 はい。無添加、無香料はよく謳われています。

 
 「無添加は何を指しているんですか?」


 石油系合成界面活性剤、蛍光増白剤、漂白剤などを
 不使用であることを指しているものが多いですね。

 敏感肌用の洗濯洗剤市場では、
 純石けん配合の洗剤や、ヤシ油などの植物油脂由来の
 界面活性剤を使用した洗剤が多くあります。
 肌にも環境にもやさしいというイメージで売られています。

 このメルマガでは何度もお伝えしていますが、
 どちらも遊離脂肪酸が洗濯物に残留して
 肌の弱い方は影響を受けてしまいます。


 「たしかこの前調べた、海外の敏感肌用の洗剤にも
  同じ傾向がありましたよね」


 そうでしたね、白木さん。

 また、最近は機能性を謳ったものが多く、
 洗濯洗剤の価格も上がっています。

 特に機能のない「ふつうの洗濯洗剤」は
 売れにくいのでしょう。





 ▼医療の新たなアプローチ


 「近いものはあっても、現状の方法や製品は
  本当に肌の弱い人は使えない、ということですね」


 そのようですね、白木さん。


 「結局肌荒れの原因はわかっていない、と
  いうことでしょうか」


 そうかも......しれませんし、
 利益のためかもしれません。

 一次刺激性物質を使わないと
 商品を増やすことが難しいですから。


 10年経っても、生活環境まで含めて
 トータルで皮膚のことを探求しているのは
 この研究会くらい......のようです。


 「治療の現場も一般市場も
  まだ穴が空いている状態なんですね」


 ええ。
 まだまだ肌の弱い人が安心して生活していくには
 程遠い状態であることが改めてわかりました。

 研究会の役割は医療の新たなアプローチとして
 この穴をふさいでいくことにありそうです。

 製品の開発はもちろんですが、
 知ってもらう活動も進めていくつもりです。

 ご協力と応援をお願いいたしますね。




 ☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞ
  ttps://jstcd.or.jp/contact/


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