バックナンバーメールマガジン「秘密の皮膚科学」

メールマガジン「秘密の皮膚科学」

2024年10月01日配信

肌への影響は?『ブルーライト』の秘密 | 第818号

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2024/10/01━☆
    健康な素肌を取り戻すために知ってほしいこと

           「秘密の皮膚科学」

    第818号 発行者:シニアフェロー 牛田専一郎
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆


 みなさん、こんにちは。
 シニアフェローの牛田専一郎です。


 おや、白木さんが呼んでいるようです。


 「牛田さん!ブルーライトで肌が老化するって聞きました!
  日焼け止め使わないとダメなんじゃないですか!?」


 白木さん、落ち着いて......。

☆-------------------------------------------------------☆

           肌への影響は?

           『ブルーライト』の秘密

☆-------------------------------------------------------☆


 ▼ブルーライトから肌を守る?


 「はやく詳しく教えてください!」


 白木さん、いつにも増して勢いがすごいですね。
 ブルーライト対応を謳っている化粧品は
 基本的にこの2種類のようです。


 ◇ブルーライトを吸収する成分を配合。
  日焼け止めの機能と同様。

 ◇成分にビタミンCなどの抗酸化成分を配合。


 非接触生活的には
 どちらも肌には負担となるものなのですが......。


 「ブルーライトを浴びると活性酸素が発生するって
  聞きます。シミやシワの原因になるそうなんですが」


 一般的にはそのように言われているようですね。
 ブルーライトについて詳しく調べてみましょうか。





 ▼ブルーライトってそもそも何?


 ブルーライトとは、波長が380~500nmの
 青色光のことです。

 電子機器のブルーライトについて
 よく聞くことがありますが、じつは太陽光にも含まれています。
 その割合は25%程度と言われています。


 「ということは日頃から浴びているんですか」


 はい。
 可視光線の中では最も波長が短い光線で
 太陽光に含まれるブルーライトを日中に浴びることで、
 体内時計を整えることができると言われています。


 「ネガティブなイメージでしたが、
  そうでもないんですね」


 そうですね、白木さん。
 太陽光のブルーライトはあまり話題になりませんね。





 ▼パソコンやスマートフォンからの影響は


 「ディスプレイからはどのくらいの
  影響があるのでしょうか」


 欧州ランプ工業会では
 LEDに含まれるブルーライトについて
 下記のように述べています。


 ---------引用-----------

 他のすべての光源と同様にLED ランプにも
 少量の青色光が存在する。

 しかし、それは、自然昼光からの放射のごく僅かな部分であり、
 白熱電球、ハロゲン電球や省エネルギー光源又は
 蛍光ランプなどの他光源の放射に類似している。

 例えば、夏の1日の青色光の暴露量は、屋内の人工光と
 比較すると少なくとも1000 倍以上高い。

 ------------------------


 「太陽光に比べると微量なんですね。
  ということは太陽光のほうが危険なんでしょうか」


 それについてはこんな回答をしていますよ。


 ---------引用-----------

 青色光化学物質レチナール障害は、
 IEC 標準62471 に基づいて評価される。

 それは、危険グループ0、1、2、及び3(0 低~3 高)に
 光源を分類している。この分類によると、
 太陽は高い危険グループ2 または3 に分類され、

 長い時間太陽を調査するとき、
 たとえば日食を観察するときには、
 適切な安全眼鏡をつけることが推薦される。

 ------------------------


 「青色光化学物質レチナール障害」とは
 ブルーライトによる目の網膜障害のことです。

 長時間太陽を見るときは防御することが
 推薦されています。


 「ブルーライトが含まれるとはいえ、
  太陽観察など特殊な場合のみ対策すれば
  良いということですか」


 そのようですね、白木さん。


 ※もっと知りたい方はこちらから↓
  一般社団法人日本照明工業会 ブルーライトについて
  https://www.jlma.or.jp/anzen/chui/bluelight.htm


 ちなみに米国眼科学会(American Academy of
 Ophthalmology)では「スマートフォンによるブルーライトは
 目を傷めない」と結論付けています。

 それよりも気をつけるべきは、
 スマートフォンの長時間使用による睡眠障害や
 ドライアイ、目の疲れと言っていますね。

 「No, Blue Light From Your Smartphone Is Not Blinding You 」
 https://www.aao.org/eye-health/news/smartphone-blue-light-is-not-blinding-you





 ▼化粧品会社の見解は?


 「ブルーライト 化粧品」で検索すると
 たくさんのブルーライト対策の化粧品が出てきます。

 多くの化粧品会社の見解としては、
 ブルーライトはシミやくすみ、光老化を引き起こすと
 しているようです。

 一方、ニベアやコパトーンのブランドを持つ
 ドイツのバイヤスドルフではこんな見解も。


 ---------引用-----------

 ブルーライトを発生するスクリーンやデバイスの
 前で相当な時間を費やしても、皮膚への影響は
 無視できる範囲のもの。

 1週間、スクリーンから30cmの距離で
 連続してモニターを見続けても、
 ハンブルグの真夏の晴れた日に1分外にいたのと
 同じ程度の影響である。

 ------------------------


 ※もっと知りたい方はこちらから↓
 Beiersdorf Blog Overview
 https://www.beiersdorf.com/beiersdorf-live/career-blog/blog-overview/2021/05/31-not-all-blue-light-is-the-same





 ▼どう思われましたか?


 感染症が流行してオンラインでのミーティングや
 スマートフォンの使用など、ディスプレイの前で
 過ごす時間が増えたことから、ブルーライトの
 議論が最近また高まっているようです。

 照明業界、眼科学会、化粧品業界。
 それぞれの意見や思惑がありそうですね。

 まだ長期的な影響など研究がされていない部分も
 あるかもしれません。

 みなさんはどう思いましたか?




 ☆ご相談・ご質問など、お気軽にどうぞ
  https://jstcd.or.jp/contact/

メールマガジン「秘密の皮膚科学」

関連性の高い記事

【前のエントリー】
 →続・その原因は?『肌の不調や不安』の秘密 | 第817号

このページのTOPへ